コタツ評論

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そろそろ採点しようや

2010-06-06 23:39:00 | ノンジャンル
小鳩が影響力を失った場合、民主党の「改革」とやらがどんな風になるか。たとえば、その見本が、民主党次代のホープ・原口一博総務大臣の「光の道構想」である。ソフトバンクの孫正義が、NTTを分割して、その光回線を使わせよと提言するのはいい。後発企業として、当然の要求かもしれない。ただ、それに脳天気に乗ってしまう「改革もどき」が問題なのだ。

NTTを分割民営化して、市場経済に任せればすべてうまくいく、外資も参入できるからアメリカは歓迎する、税金も使わずにすむ。つまり、竹中路線と同じ、新自由主義経済なのだ。その結果、失敗しても民間のせい。最後は、税金を投入して尻拭い。実のところ、企業にリスクはない。原口一博総務大臣の責任は問われない。

彼らの「政策」とは、」ソリューション(解決策)のひとつ。中長期を視野に入れた「最適解」を捻り出すために苦悶するようなことはない。「孫さん、良いアイディアですねえ。どんどんやりましょう」。パワーポイントで作成された企画書レベルで政策が決定される。結果が出る頃には、ほかの大臣をやっている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソリューション (solution) の元の意味は「束縛から解放されたもの」。ラテン語で「束縛から解放された」を意味する形容詞 solut(us) に名詞化語尾 -ion をつけた英語の名詞。具体的には以下のような用法で使われ、各分野の専門用語として日本語にも取り入れられている。
  *自然科学において、溶液、あるいは溶解のこと。
  分子やイオンが固体の束縛された状態から解放されて、溶媒の中で遊離している。
  *方程式などの解。物事の解決方法。未解決という束縛状態から解放される。
  システムソリューション。さまざまな物事、ビジネス、サービスにおける
   問題・課題課題を解決するためのコンピュータシステムおよびサービスの総称。
 *債務履行。債務を負っている状態からの開放行為。


そのときどきのソリューション(解決策)を出すなら、知識や情報を蓄積する官僚のほうがはるかに優秀。「最適解」と苦闘するのが政治主導。いくつかのソリューション(解決策)から選ぶのではなく、より高次の国益とか、将来のビジョンとか、グランドデザインとかを分母として、予測できるかぎりの変数を勘案しながら、進む、止まるを決断するのが政治主導のはず。そのときどきのソリューション(解決策)に飛びついて、「改革だあ」とアピールするのが目的なら、官僚が、こんな政治家に政治は任せられないと「義憤」に燃えるのを止められない。やがて、「抵抗勢力」に大義が移るだろう。

「コンクリートから人へ」「生活者主権」などを本気で考え、実現しようと思っているのは民主党でもごく一部。大多数は、政治家は人気商売くらいにしか思っていないのではないか。小沢一郎が、選挙で洗礼を受けよ、と叱咤するのは、政治家のソリューション(解決策)は、選挙民のなかに在るということを指摘したいがためだろう。国民のソリューション(束縛からの解放)に寄り添うことから、政治家を不本意な束縛から解放することがはじまる。そこでようやく、解決策ではなく、最適解を求める資格が備わる。

小沢一郎の影響力を排除することが最大の課題であり、党再生の解決策であるような民主党なら、少なくとも内輪の問題を外に出さぬ官僚政治のほうがずっとマシである、民主党の「改革」の中味をそろそろ問おうじゃないか、とマイマイカムリがいっておりました。

(敬称略)
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