コタツ評論

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こんなんでましたあの続き

2016-05-21 16:19:00 | ノンジャンル
STAP細胞の特許出願、米ハーバード大学が世界各国で…今後20年間、権利独占も
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/bizjournal-23074/1.htm

小保方さんとSTAP細胞が世間的にはほとんど否定された後も、理研は特許申請を取り下げなかったので、「だから、(STAP細胞は)ある」と頑固に言い張っていた人もいました。なるほどねえ。ノーベル賞とか、科学者の倫理とか、青少年に与える夢とか、そういうところで、すでに研究は左右されるものではないようです。なによりも、ビックマネーを生むかもしれぬビックビジネスなんですね。気の毒に。

STAP問題、小保方氏犯人説を否定する検察判断…嘘広めたNHKと告発者の責任問われる
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15165.html

地検が窃盗を否定したというニュースは結構なんですが、このジャーナリスト氏の論法や口調は小保方氏を追い詰めたそれとほとんど同じです。今度は若山研が標的かとうんざりします。小保方さんをはじめ、関係者のほとんどはビックビジネスの掌で踊らされて気の毒といえないこともありませんが、マスコミだけは「書き得」でけっこう潤ったでしょう。どっちに転んでもお得という。

「親バカ」鈴木敏文の末路
ー息子可愛さで目が曇り「左遷人事」を乱発。カリスマの「負の遺産」は重く、新体制の船出は容易でない。

https://facta.co.jp/article/201606006.html

鈴木敏文の辞任劇については、クマモン自粛するな の「経営理念の違い」、前回のこんなんでましたあ~の「伊藤家との対立」、今回の「親バカ世襲」と3つの見方が出そろいました。さて、どれが真相でしょうか? たぶん、鈴木敏文を知るジャーナリストなら、3つとも多少の偏りはあっても知っていたはずです。「いつ」「どこで」「何を」書くか(書かせてもらうか、書いてと頼まれるか)の違いだけなんですね。

「どこで」という媒体については煩瑣になるので省きますが、「いつ」「何を」に絞ると、時系列を遡れば、「現経営陣が鈴木の世襲を見越した左遷人事に怯えて、創業家の伊藤家と図って鈴木人事案を覆し、自ら辞めざるを得なくした」という安手の「お家騒動」2時間ドラマのようなストーリーができ上がります。3つの見方とも、それなりに説得力はあったのに、物語に落とし込むと、いかにも陳腐にしか思えません。

なんだそんなことかとがっかりさせるのが、メディアの罠でしょう。がっかりした人は世の中たいしたことはないと安心感に浸ることができ、しかし同時に、がっかりしない次なるニュースや記事を求めるわけですから。独りよがりなストーリーを描いて、安易な憶測や臆断をしないことがリテラシーです。想像力? 恐縮ですが、想像力は高みをめざすもので、低きに流れる想像力など聞いたことがありません。

(敬称略)
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