ショパンのスケルッツオ4曲と舟歌などが入ったCDとベートーヴェンのヴァルトシュタインを続けて聞いた。前者はポリーニ、後者はブレンデルの演奏でどちらも脂ののった時期の演奏なので見事なものだ。しかし、録音年代はほとんど同じなのだが、一聴してピアノの音色がずいぶん違うことに気づいた。ピアノはどちらもスタインウェイだと思うのだが、レコード・レーベルが違うので、録音技術者が違うだろうからそのためもあるのかもしれない。音色の違いで一番感じたことはブレンデルの方は、マイクをピアノから少し遠い所に置いてピアノの響きをトータルに捉えようとしているように聞こえたのに対して、ポリーニの方はマイクをピアノの近くに置き、打鍵した音を一音一音捉えようとしたように聞こえること。実際にそのようにマイクをセッティングしたかどうかはもちろんわからないが、そんな風に聞こえてくる。録音のせいで音色が違うというだけではなく、実際の音も違うのだろうが、生で聞いたことがないのでなんとも言えないところだ。音楽評論家の吉田秀和さんはよく演奏家は、生で聞かないとわからないとおっしゃっていたが、そのとおりだと思う。
ピアノなどまったく弾いたことのない私に言えることではないのだが、この二人の指のよく動くことには唖然とするばかりだ。こうした演奏を聞くと人間というのは毎日の努力で、いかに並外れた能力を身に付けられるかということを思い知らされる。もちろん、現代のピアニストはみな指がよく動くのは当然のことで、その上にいかに音楽性を身につけるかが問われているのだが。
写真は先日町田の谷戸で撮った氷の表情。
ピアノなどまったく弾いたことのない私に言えることではないのだが、この二人の指のよく動くことには唖然とするばかりだ。こうした演奏を聞くと人間というのは毎日の努力で、いかに並外れた能力を身に付けられるかということを思い知らされる。もちろん、現代のピアニストはみな指がよく動くのは当然のことで、その上にいかに音楽性を身につけるかが問われているのだが。
写真は先日町田の谷戸で撮った氷の表情。