Zooey's Diary

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お洒落な芸術家もしくは猫婆さん

2011年03月04日 | 社会

婦人画報4月号でなんといっても私が惹かれたのは
「オトナの図工時間」という特集。
フジコ・へミング、佐藤忠良、アイズピリなどの芸術家の
自由気ままな作品が、美しい写真で紹介されています。
小さい頃、絵本で親しんだ佐藤氏の「おおきなかぶ」の挿絵も、
アイズピリの南欧調の底抜けに明るい絵も大好きですが
フジコ・へミング女史のガラクタのような宝物のような「作品」が凄い。

それは色とりどりの手作りの画帖であったり、
古服から作った素朴なお人形であったり、
色々な端布をつなぎ合わせて作った彼女の服であったり。
パリのアパルトマンで愛犬と戯れている写真が出ていますが
あの独特なボサボサの髪、もっこりと丸い背中、
”芸術的にお洒落な”装飾を施した服に包まれた彼女は
ひとつ間違えたら猫婆さん、
あるいはショッピングバッグ・レディ(女のホームレス)みたいだ…(失礼!)

「お裁縫の時間、先生がクラスのみんなの前で
私が縫ったものをビャーッとほどいたの。
縫い目が粗いからってね。
その時はもう、涙がポロポロこぼれてね。
学校は芸術を教えない。
凡才は縫い目を揃えることばっかりで
一生終わるわけじゃない?
だから今でも私は学校が大ッ嫌い。」

そりゃ彼女は天才だから…
個性的な服はともかく、彼女のリトグラフひとつ見ても
天は彼女にいくつの才能を与えたのだろう?と思ってしまいます。

「今も気分が落ち込む時には、ピアノを弾かず針や絵筆を持ちます。
塗ったり描いたりしながら、綺麗なものを眺めて、
手を動かしながら空想の世界に遊ぶ時間を持つことが、
私を慰め、豊かにしてくれるんだと思うわ。」(婦人画報より)


以前、「フジ子・ヘミング―魂のピアニスト」という彼女の著書を読んで
両親に対する憎悪の思いに驚いたことがあります。
父親に捨てられたり、母親に虐待に近い躾けを受けたり、
そういった特殊な境遇を差し引いても
愛情の欠落に対する飢餓感、美に対する狂おしい憧憬、
そういった研ぎ澄まされた感性を持った人なのでしょうね。

写真はネットから
コメント
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