ロンドン・パラリンピックが閉会しました。
もっとも印象的だったのは、オーストラリア代表、水泳のアーメド・ケリー選手か。
アーメドは、手足なしで生まれ、バグダッドの孤児院に捨てられていたのだそうです。
7才の時、やはり重度の四肢障害者の弟とともに、慈善団体の人道的活動家
モイラ・ケリーに養子として引き取られ、オーストラリアへと渡ったのだと。
スポーツの盛んなオーストラリアで、小さな少年は様々なゲームに参加するようになった。
アーメドのコーチ、ハリスの言葉がすばらしい。
'There's nothing too hard for him... He'll always say yes.'
(彼には無理ってことはないんだよ。いつだって「できるよ!」って言うんだから。)
この記事によると
アーメドの弟のエマニュエルは、去年9月オーストラリアのタレント発掘番組「X Factor」
に出場し、ジョン・レノンの「イマジン」を歌って大変な感動を呼び、
その動画は1000万回以上アクセスされているのだそうです。
審査員の涙やスタンディング・オべーションを引き起こしたその歌も素晴らしいのですが、
私は歌う前後の彼の姿にもっと感動しました。
短い手足でステージに現れ、しかしまったく臆することも卑屈になることもなく、
あくまでも明るく自分のことを語っている。
審査員から歳はいくつ?と訊かれて、よく分からないんだよ、と。
会場がシーンとなった中で、ボクはイラクの孤児院にいたんだ。
ボクら兄弟は、靴箱に入れて公園に捨てられていたのを
修道女が孤児院に運んでくれたんだよ、と。
そんな酷い始まりの人生の中で、いじめられたり悲しかったりしたことが
ない訳はないだろうに。
あくまでも明るく、胸を張って養母への感謝と自分の夢を語っている。
審査員も、その勇気を熱く讃えています。
兄弟そろって、なんと強い人たちなのでしょう。
そして海の向こうの孤児を引き取って、ここまで強く育て上げた養母モイラに
感服するばかりです。
劣化ウランが使われた湾岸戦争から20年経って パラリンピック水泳選手と歌手
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/1d2cb0b7cff591443079b2e70a3048a9