Zooey's Diary

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「ストックホルムでワルツを」

2014年12月28日 | 映画


先日見損なったこの作品、年末で忙しいし、有楽町まで又行くのも面倒とほぼあきらめていたのですが
ジャズが好きな夫が、その内容なら観に行こうと言い出したのです。
スウェーデンの世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドのサクセス・ストーリーです。

ストックホルム郊外の田舎町で、電話交換手をしながら5歳の娘を育てているシングルマザーのモニカ。
ジャズシンガーになる夢を捨て切れず、両親に娘を頼んではライブ活動を続けている。
父親はそんな娘が許せず、母親不適格として、ことあるごとに彼女をなじる。
モニカは遂に父親と決別し、娘を連れて男の元に転がり込んで、尚もジャズに打ち込んでいく。

実際に歌手として活躍するエッダ・マグナソンが、伝説の歌姫モニカを演じています。
美しいし、歌唱力も素晴らしい。
しかしモニカという女は、その才能は素晴らしいが、相当嫌な女でもあります。
厳しい父親に責められるのは可哀想ですが、小さな娘をあれだけ世話して貰いながら
両親に感謝することもなく、あの態度はないだろうとも思うし、
一番身近にいて自分のことをずっと思ってくれる男は、器じゃないと切り捨て、
有名人である新進映画監督をさっさと選ぶ。
肉食系で身勝手、彼女にとって男は利用するものでしかない。
才能を認められてNYに行くものの、そこでは受け入れられず失意のうちに帰国したり、
欧州の歌唱力コンテストに出たものの、最下位となってバッシングを受ける。
男とも上手く行かず、アルコールに溺れ、遂には娘をも取り上げられる。
しかしモニカはくじけなかった…



最後にNYでビル・エヴァンスと共演し、それをラジオで聴いた父親が
モニカに電話してくるところでは涙ぐんでしまいました。
英語のタイトル"Waltz for Monica"は、ビル・エヴァンスの名曲"Waltz for Debby"から来ています。
これはジャズに疎い私ですら知っている名曲中の名曲で
夫はこれが聴きたくて、この映画に興味を持ったようです。

NYのジャズクラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードで1961年に録音された"Waltz for Debby"。
1985年にNYに行ったとき、グリニッジ・ビレッジのこのジャズクラブに私も行きました。
エヴァンスの姪、デビーの誕生日に捧げられたこの曲がここで演奏されたのかと
感慨深いものがありました。
エヴァンスはその頃すでに麻薬に体を蝕まれ、心身ともにボロボロの状態でありながら
あの甘く優しい曲を演奏したのかと。
そのライブがこちらです。



こちらがモニカ・ゼタールンド本人の写真。
映画の中の彼女とあまりにも似ているので驚きました。


「ストックホルムでワルツを」 http://stockholm-waltz.com/
コメント (8)
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