オペラ「イェヌーファ」を観てから、「1Q84」の中でヤナーチェクはどのように
扱われていたのだろう?とどうにも気になって、読み返してみました。
2009年に「1Q84」1・2巻、2010年に3巻が出て、それぞれ発売日に読んだものの、
あまり好きになれず、その後読んでいなかったのです。
読んだ直後に簡単な感想も書いていますが、発売直後なのでネタバレする訳に行かず、
大雑把な印象を書きとめただけでした。
7年も経つと、程よく忘れていて丁度よい。
冒頭から、ヤナーチェクのシンフォニエッタが登場して驚きました。
小説の第一行目、首都高速道路を走るタクシーの中で、カーステレオから
この音楽を青豆は聞くのです。
青豆が愛する天吾は、高校時代の管弦楽部で、この曲をティンパニ奏者として
演奏している。
そしてこの曲はその後も、2巻にも3巻にもくり返し登場して来るのです。
村上春樹は小説の中でよく音楽を小道具として使いますが
この作品に関しては、小道具なんてものじゃない。
青豆が人を殺す時には、シンフォニエッタの冒頭のファンファーレが頭の中で鳴り響くし、
その後、彼女は、この曲のクリーヴランド管弦楽団の演奏によるレコードを購入したり
天吾がシカゴ交響楽団のレコードをかけるシーンも用意されたりしている。
青豆が世間から何か月も隠れる所では、この曲を聴くのを唯一の慰めにしているようでもある。
冒頭では分からなかったのだけど、青豆はシンフォニエッタを聴いたのをきっかけに、
別の世界へと移行したようでもあるのです。
この曲は、青豆と天吾を結びつける絆のようでもあり、
何かが起きるときの啓示のような役割をしているとも言える。
この本が発売された後、この曲のCDが日本中で売り切れになってしまったというのも
よく分かります。
春樹の、今ある世界と平行する別の次元の世界を書いた小説が私は好きだったのですが
「ねじまき鳥クロニクル」などに比べて「1Q84 」の、なんと殺伐としていることか。
「ねじまき鳥」のもうひとつの世界は、私が好きな「不思議の国のアリス」や
「ナルニア国物語」に出てくるおとぎの国に通じるものがあるのに比べ、
「1Q84 」のもう一つの世界は、山岸会、オウム真理教、連合赤軍といったところか。
エラい有名作家となると、おとぎの国で遊んでいる訳には行かないのか…
ちょっと残念。
しかもこの曲、私はどうも好きになれそうにありません。
京王プラザホテルの吊るし雛
「1Q84」 http://1q84.shinchosha.co.jp/
扱われていたのだろう?とどうにも気になって、読み返してみました。
2009年に「1Q84」1・2巻、2010年に3巻が出て、それぞれ発売日に読んだものの、
あまり好きになれず、その後読んでいなかったのです。
読んだ直後に簡単な感想も書いていますが、発売直後なのでネタバレする訳に行かず、
大雑把な印象を書きとめただけでした。
7年も経つと、程よく忘れていて丁度よい。
冒頭から、ヤナーチェクのシンフォニエッタが登場して驚きました。
小説の第一行目、首都高速道路を走るタクシーの中で、カーステレオから
この音楽を青豆は聞くのです。
青豆が愛する天吾は、高校時代の管弦楽部で、この曲をティンパニ奏者として
演奏している。
そしてこの曲はその後も、2巻にも3巻にもくり返し登場して来るのです。
村上春樹は小説の中でよく音楽を小道具として使いますが
この作品に関しては、小道具なんてものじゃない。
青豆が人を殺す時には、シンフォニエッタの冒頭のファンファーレが頭の中で鳴り響くし、
その後、彼女は、この曲のクリーヴランド管弦楽団の演奏によるレコードを購入したり
天吾がシカゴ交響楽団のレコードをかけるシーンも用意されたりしている。
青豆が世間から何か月も隠れる所では、この曲を聴くのを唯一の慰めにしているようでもある。
冒頭では分からなかったのだけど、青豆はシンフォニエッタを聴いたのをきっかけに、
別の世界へと移行したようでもあるのです。
この曲は、青豆と天吾を結びつける絆のようでもあり、
何かが起きるときの啓示のような役割をしているとも言える。
この本が発売された後、この曲のCDが日本中で売り切れになってしまったというのも
よく分かります。
春樹の、今ある世界と平行する別の次元の世界を書いた小説が私は好きだったのですが
「ねじまき鳥クロニクル」などに比べて「1Q84 」の、なんと殺伐としていることか。
「ねじまき鳥」のもうひとつの世界は、私が好きな「不思議の国のアリス」や
「ナルニア国物語」に出てくるおとぎの国に通じるものがあるのに比べ、
「1Q84 」のもう一つの世界は、山岸会、オウム真理教、連合赤軍といったところか。
エラい有名作家となると、おとぎの国で遊んでいる訳には行かないのか…
ちょっと残念。
しかもこの曲、私はどうも好きになれそうにありません。
京王プラザホテルの吊るし雛
「1Q84」 http://1q84.shinchosha.co.jp/