御年87歳の巨匠クリント・イーストウッドの最新作。
2015年8月にパリ行の高速鉄道で起きた無差別テロ「タリス乱射事件」を描いたドラマ。
犯人を取り押さえた3人の若者を、本人たちを起用して映画化したことで話題になりました。
スペンサー、アレク、アンソニーの3人の若者は、カリフォルニア州サクラメントの幼馴染。
3人とも問題児で、ADD(注意欠陥症)であると言われたり、校長室にしょっちゅう呼び出されたり。
スペンサーは「戦場で人を救いたい」の思いから一念発起して軍隊に入るが
集合時間に遅れて落第したりする。
つまり何処にでもいるような、落ちこぼれの若者なのです。
アレクも軍隊に入り、アンソニーは大学生となり、3人は夏の休暇に欧州旅行に出かけるが…
その旅行シーンがやたら長い。
ローマやベネツィアを歩き、スマホで自撮りし、クラブで踊り、女の子に声をかける。
その楽し気なシーンが延々と続き、いい加減飽きて来た頃に、
その事件は起きるのです。
重武装したアラブ系の男が、列車内でいきなり銃を発砲する。
あれが日本で起きたら?と考えてしまう。
咄嗟の判断で、銃を構えたテロリストに飛び掛かることができる若者が
平和な日本にいるだろうか?
落ちこぼれと言えども、軍隊で鍛えられたスペンサーやアレクの
戦闘能力はやはり凄いのです。
この映画の評価が別れるのは、若者たちの子供時代、そして旅行シーンの
描写が長すぎるからだろうと思います。
どういうバックグラウンドを持った人間が、ああした行動を取れたのかということが分かって
中々面白くはあったのですが、中だるみすることは否めません。
あの長々と続いた平和な旅行シーンは、突然起きたテロの恐ろしさを浮かび上がらせる為の
ものだったのかな…?
「15時17分、パリ行き」 http://wwws.warnerbros.co.jp/1517toparis/
#welovegoo