金毘羅宮の御本宮に行くには、785段の階段があります。
思ったよりも細い階段で、ごく一部を除いて手すりもない。
参道口の土産屋で竹の杖を借りて、とにかく登り始めました。
両側には沢山の土産物屋が並び、その先に応挙の絵がある書院があります。
どんどん行くと広場に厩があり、二頭の綺麗な白馬が。
神様が乗る神馬(しんめ)であり、年に一度のお祭りに登場するのだそうです。
そしてこんな犬の銅像も。
その看板の説明、そしてネットで調べた所によると
江戸の昔、伊勢神宮や金毘羅宮にお参りするのは庶民にとって一生に一度の夢であったが
東日本からそこまで来るのは、大変なことだった。
そこで「代参」と呼ばれる旅慣れた人が、当人に代わって参拝することがあった。
そして犬が代参を務めることもあったというのです。
犬は「こんぴら参り」と記した袋を首にかけ、中には飼主の名前、初穂料、道中の食費などが入れられ、
旅人から旅人へと連れられ、道筋の人々に世話をされ、務めを果たして家に帰ったのですと。
それを「こんぴら狗」と呼び、ちょっとやそっとの数ではなかったのですって。
なんて人情味あふれる話!
(旭社)
物言わぬ犬の袋から、お金だけ取り出すこともできたでしょうに。
(まあ実際そんなこともあったでしょうが)
一月以上もかかって、沢山の犬が金毘羅までお参りしただなんて。
性善説に基づく、なんとのどかな話であることか。
私は痛く感じ入ってしまったのでした。
(御本宮)