(陽明門)
紅葉真っ盛りのいろは坂は、金曜日というせいもあったのか、渋滞もありませんでした。
溜息が出るほどに綺麗だったのですが、快調に流れすぎて車の窓から紅葉を撮る暇もなく、あっという間に通り過ぎてしまいました。
東照宮は中学の修学旅行で行って以来、デンマーク人の友人を連れて行ったり、幼い息子たちを連れて行ったりしているのですが、記憶はもう限りなく曖昧。
44年ぶりの4年間をかけた大修理を近年終えたというので、楽しみにしていました。
しかもこちらは有名な神社には珍しく、犬連れ可なのです。
(唐門)
江戸幕府初代将軍、徳川家康公を神格化した東照大権現を祀るお宮、東照宮。
ここには「神獣」と呼ばれる、様々な動物たちの彫り物があります。
信仰心も美意識も薄い私、この動物たちに注目してみました。
まずは「見ざる言わざる聞かざる」の有名な三猿。
これは、東照宮に仕える神馬の厩舎の屋根の下にあります。
確かに色鮮やかになり、毛並みも生き生きとした三匹の猿が、そこにいました。
江戸初期の絵師、狩野探幽が実物を知らずに想像で下絵を描いたと言われる象の彫刻。
フニャフニャの耳、尖った爪、まがまがしい目が面白い。
象という生物を見たことがない人間が、想像で描くとこんな風になるのか。
そして左甚五郎作の眠り猫。
これは、家康公が眠る墓所「奥宮」に通じる東回廊潜門の上部にいます。
昔見た時にも、ちっちゃい!これだけ?と思いましたが、今回も同じ感想を。
そこをくぐると207段の石段があり、家康の神棺が納められている御宝塔まで続いています。
結構急な階段だったのですが、タロウもよく頑張りました。
極彩色の豪華絢爛な陽明門、白と黒と金のシックな彩りの唐門、どちらもこれを造るには、或いは修復するにはどれだけの手間がかかったのだろうと思うと気が遠くなるような、精微な彫刻が施されています。
ただ…
三猿と眠り猫に関しては、修復したらツルリとした只の猿と猫になってしまったような気がしないでもない。
以前の剥げかかった古い彫刻の方が味わいがあるように感じるのは、私だけかしらん?
(修復された猿)
(古い三猿 ネットから)