Zooey's Diary

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「キーパー ある兵士の奇跡」

2020年11月08日 | 映画

イギリスの国民的英雄サッカー選手となった元ナチス兵の物語(実話)という情報だけを得て鑑賞。
終戦後すぐに敵対国で、どうやってそんなことが起こり得たのか?という疑問を持って。


1945年、イギリスの捕虜となったドイツ兵バート・トラウトマンは、捕虜収容所でサッカーをしていた折に地元チームの監督にその腕を見込まれ、スカウトされる。
当然、チームの他の選手からは何故ドイツ兵を?冗談じゃない!と拒否されるのですが、その完璧なキーパーとしての技がチームを勝利に導いたことで、段々と受け入れられていく。
やがて名門チーム、「マンチェスター・シティ」からスカウトされる。



時は終戦後間もない、街のあちこちに焼け跡や銃痕がまだ残っている頃。
マンチェスターには、ユダヤ人の大きなコミュニティもある。
人々の拒否反応は凄まじく、物凄いブーイングが起こり、バートは罵倒され、卵や石を投げつけられる。
当時のモノクロの実録映像も時々差し込まれますが、十万人のサッカー・スタジアムでの大ブーイングというのは、地響きのように響き渡るのです。


そんな中、バートは媚びるでもなく、萎縮するでもなく、キーパーとしてただ黙々とボールを受け止め続ける。
周囲の反対を押し切って、地元チームの監督の娘と結婚もしてしまう。
このやんちゃな娘のマーガレットというのがまた、いい味を出している。
最初は当然のように彼を拒否するのですが、その真摯な姿に段々とほだされ、恋に落ちたとなったら、親や周囲が何を言おうと意に介さない。

1956年、FAカップ決勝戦において、相手チームのラフプレイによって頸椎多発骨折をしたというのは、事実であるようです。
命に関わるような大怪我であったに関わらず、バートは何度も倒れながら試合を続行する。
そして勝利をおさめ、遂にイギリス国民からも受け入れられるのです。
後年、バートは英独両国から、勲章を授与されたのだそうです。
バートがナチス兵であったことは事実、ナチスが人類史上稀にみる酷いことをしたのも事実。
「軍の命令で動いた一兵士に罪はあるか?」
その問いに即答できる人はいないでしょう。


「Rotten Tomatoes」(映画批評サイト)満足度95%というのも頷ける、いい映画です。
バート役、何処かで見た顔だと思ったら、「愛を読む人」の主役の青年デヴィッド・クロスだったのね。
あれもナチスにまつわる作品でした。
イギリス・ドイツ合作 原題「The Keeper」。

公式HP 

コメント (2)
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