「からすのパンやさん」「だるまちゃんとかみなりどん」、息子たちに何回読み聞かせたかわかりません。
パン屋のからすの夫婦に4羽の子供が生まれ、夫婦は慈しんで育てます。
しかし子育てに忙しくてパン焼きがおろそかになり、失敗作が次々と。
その失敗パンを子供たちのオヤツに与えると、それが子供たちの友達の間で評判になり、子供たちのアイデアも取り入れた新作パンが次々に登場、パン屋は大繁盛したという話。
このパンがいっぱいのページでは、幼い息子たちは大喜びしたものです。
こんな優しい絵本を描いた著者が、東大出の工学博士とは知りませんでした。
1926年生まれのかこさとし氏は子どもの頃、飛行機が大好きな飛行少年で、軍国主義の時代背景もあり、航空士官になるのが夢だったようです。
しかし近視のせいで受験も叶わず、大きな挫折を。
高校生になった氏は学徒勤労動員となって工場に住み込みで働き、空襲、食料不足などで
散々苦しんだのだそうです。
その後、東大理工学部から昭和電工に入社、研究として働きながらセツルメント活動に精を出し、貧しい子供たちに紙芝居などを作っていたのですって。
それが高じて絵本作家になったのですね。
”子どもたちは、ちゃんと自分の目で見て、自分の頭で考え、
自分の力で判断し、行動する賢さを持ってほしい。
その手伝いをするのなら、死にはぐれた意味もあるのかもしれない”
かこ氏の言葉です。
会場には、からすのパン屋さんの、実物大のカラスやパンが並べられていました。
かこさとし展
知っていましたが、このカラスのぱんやさんという
絵本は、はじめてです。
かなり子供たちに、かこさんの本は買い与えた記憶が
ありますが・・・
独特のとぼけたような雰囲気を思い出します。
書庫の中を探してみます。
実物大からすのパン屋さんのようでした。
子供たちが歓声をあげて見入ってましたよ。
この本、我家にもありましたが
ボロボロになって処分してしまいました。