ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

教職実践演習2018-2

2019-01-13 17:59:34 | 授業・教育
続き。

6回目 実験授業の準備と「集団の成長」
・実験授業の意義
 「実感をともなったふりかえり」に確認(しつこいなあ)

・グループの成長について―ふりかえりのもう一つの視点
 「集団の成長」という視点について資料を用いて説明

・実験授業の準備
 誰がいつするのか、確認
 グループ内で、それぞれどんな授業をしたいか話す


7~13回 実験授業
・実験授業
 グループごとに、別の教室で
 私はグループを渡り歩き、ふりかえりがうまくいくようにアドバイス

ただし9回目は、教職実践演習全クラス合同の授業で実験授業は無し


14回目 大学生活をふりかえる1
・違うグループのメンバー3~4人でお互いのグループの実験授業についてシェア
 何を学んだか、グループは成長できたか

・話し合ったことをみんなでシェア
 それぞれのグループでの学びが語られた

・3分間スピーチ前半
  大学での成長(印象に残る人、もの、事)
  未来の社会(どういう社会になっているか、そういう社会になっていてほしいか、その中で自分は?)


15回目 大学生活をふりかえる2 および 旅立ちに向けて
・3分間スピーチ後半

・私からの旅立ちに向けての話「社会人として、教師として」
 はなむけの言葉と私からお礼など



授業時間以上のふりかえりの時間を確保してほしかったので、90分でショートの授業が2本。
ロングであれば1本。

学生による実験授業を6回も入れるのは多いかとも思いましたが、
「実感を伴ったふりかえりで授業を深める」ということが最初からできるグループもあれば、最初はうまくいかず、4回目ぐらいでようやく分かってきたグループもあり、6回というのは良い回数だったのではないかと思っています。

また、5回にすると全員がショート授業しかできず、だれがロングに挑戦するかも含めての話し合いが、グループ形成のウォームアップとして必要な過程だったかと思っています。

「実感をともなったふりかえり」をするようになるにつれて、話し合うときの輪が縮まっていくのが面白かったです。
学生曰く。距離が遠いと、アイコンタクトも取りにくいし、相槌もうちにくいと。
私が、「近いほうがいいよ」と言っても抵抗する人は抵抗しますが、そういうことを発見し、実行していく力が彼らにはある。

最初は、文科省の肝いりで始まったこの授業を、「4回生の卒研で忙しいときに、こんな授業が必要だろうか」と思っていましたが、学生たちの成長を実感できる、私にとっては楽しい授業でした。

卒研で忙しい学生も、「この授業は楽しいので気分転換になる」と言ってくれたのが良かったです。

「実感をともなったふりかえり」で授業観を深めるということは、やってみるとそれほど簡単なことではないと思います。
演劇的な手法を使うと、実感が湧き上がってくるためか、正しいことを言わなければというタガが外れるためか、「実感をともなったふりかえり」が容易になります。

でも、教職実践演習のように演劇的な手法を使わない(本当は使った授業をしたかったけれど、実験授業を優先した)授業では、その場の自分の実感より常に持っている価値観で話してしまう。

今回、うまく展開できたポイントは何かと考えてみると、①まず渡辺論文を読んで「実感をともなったふりかえり」について頭で理解してもらったこと。

②道徳の授業展開について考えてもらったときなど、シェアやふりかえりを実感をともなったことばで発表してもらったこと。

③緑さんに凸凹のワークをしてもらったり、集団の成長の資料を配ったりして、グループでの成長を意識してもらったことなどが、うまくかみ合ったのではないかと思えました。
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教職実践演習2018-1

2019-01-13 12:39:53 | 授業・教育
教職実践演習が、とても良い終わり方をしたことは1月10日に書きました。

15回の授業をふりかえってみたいと思います。

HBクラス(2時間目:19名)とHCクラス(3時間目:30名)があったので、若干違いがあるのですが、おもな内容を書いてみます。

1回目 授業の概要説明とぼちぼちお互いを知る1
・授業担当者自己紹介:私自身の簡単な自己紹介

・冊子「2018年度教職課程4年間の学びの総括に向けて」の説明:この冊子は、教職教育で作成、教職実践演習受講生全員に配るものです。自己分析シート4の説明を含みます。

・出席カードの説明とプロフィールの記入

・お互いを少し知り合うアクティビティ
 〇アンケートじゃんけん グー・チョキ・パーの三択でアンケート
  このクラスに知り合いが多いか、など
 〇ライン
  ・呼び名のあいうえお順
  ・好きな食べ物または今食べたい食べ物のあいうえお順 
  ・握手をして手の温度順 など
 〇部屋の四隅
  今飲みたいもの。お茶、コーヒー、ソフトドリンク系、その他の4つに分かれた。
  近くの2~3人で自己紹介

・授業のガイダンスと自己研鑽計画について

Home work
①manaba+Rのコンテンツにある渡辺論文を次回までの読んでくる
②次回自己研鑽計画を提出(manaba+Rの掲示板に用紙が掲載されています)
③自己分析シート4 12月20日まで
④最終レポート 1月9日まで


2回目 ぼちぼちお互いを知る2と「実感をともなったふりかえり」 
・お互いを少し知り合うアクティビティの続き(1回目に欠席者もあったので)
 主として「あっち、こっち」をいろいろなお題で。最後は教育実習の校種でわかれ、
 教育実習の感想を話し合う
・「実感をともなったふりかえり」について 渡辺論を読む
 グループに分かれて、読んでみて印象に残ったことを話し合う
・グループでの話し合いのシェア
 各グループから、一つずつ出してもらい、板書
 私は、グループで話し合ったことを出してもらう場合、一人一つだけにしてもらっています。
 そして出尽くすまで、別の人に何度も聞きます。
 そのほうが、いろいろな人に話してもらえるし、偏った人ばかりが話すということを避けられます。


3回目 道徳の授業プランとジグソー法―新しいグループ作りを兼ねて
・実験授業グループ分け:前回確認した方法で10人ずつにグループ分けした表を確認

・渡辺論文の復習(KP法で前回出たことをまとめて確認。このKPはそのあとも随時使用)

・実験授業グループでの自己紹介

・コールバーグの「3水準6段階の道徳性発達の段階」説についての授業
 実験授業で道徳を取り上げる人が毎年居るので、その手掛かりとして
 ジグソー法で5つの資料から「道徳性発達の段階」説に基づいた授業づくりを考える

・授業のふりかえり(実感を伴う話し合い)


4回目 実験授業の準備と「未来の社会を想像する」
・グループでの授業計画
 役割分担
 誰がいつ何を(ショート15~20分の授業、ロング45分の授業)
 グループでの連絡網作成 LINE?
 ペアで、どんな実験授業をしたいか聞き合う

・未来の社会を想像する
 未来の社会についてのワークシート
  いくつかの項目で4択で自分が当てはまると思うものを選ぶ
  例:経済成長が終わり、経済循環型のゼロ成長社会になる
    「全くそう思わない」「そう思わない」「そう思う」「とてもそう思う」
  3~4人のグループで話し合う(主として選択が分かれる項目で)
  ワークシートにどういう未来になってほしいかと書く
 それぞれの書いたものを、ネット上のクラスの掲示板に掲載

・次の授業に向けて、武田緑さんの紹介


5回目:武田緑さんの授業「凸凹を出せて補い合える関係」
・自分の凸凹を考える

・凸凹の交換会

・マルチプルインテリジェンス 得意不得意は人それぞれ
 凸凹が出せて補い合える社会になれば、個人が生きやすいだけでなく、社会もよくなる
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教職実践演習終わる

2019-01-10 20:35:20 | 授業・教育
またひとつ終わりました。

実感をともなった授業のふりかえりについて、昨年末12月14日のブログで書きました。
渡辺先生が実践され、本や論文で提唱されているそれを、今年の教職実践演習で、そのまねをして実践してみました。

今日は、教職実践演習の最後の授業。今年度のクラスの最後であると同時に、立命館大学での私の最後の教職実践演習でもあります。

ここ数年。最後は各自に3分間スピーチをしてもらっています。
大学生活で成長したと思うこと。未来の社会での自分及び社会がどうなっていてほしいか。など。

毎年、学生たちの話に学生たちの成長を感じて感動するのですが、今年はとりわけそうでした。
学生たち一人ひとりが自分のことを語るのですが、その一つひとつが実感のこもったその人ならではの気づきでした。

挫折から立ち上がったことや、反面教師からの学びだったり、重病をわずらった兄弟によって親や兄弟へ感謝をどう伝えるかということを考えていたり…。

今の自分をそこまで語れるのは、実感を伴ったふりかえりをしてきたなかで、話すこと、受け止めることが育ってきたのではないか?

そんなことを思ったりしました。
まあ、それはともかく

最後の授業。それは学生たちからのすてきなプレゼントでした。
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授業づくりの考え方

2018-12-14 09:29:19 | 授業・教育
渡辺貴裕先生の『授業づくりの考え方』
やっと1月に発売されます。

教職実践演習の授業では、毎年模擬授業をしてもらいます。
もう教員になることが決まった学生と、就職が決まって教員にはならない学生と、模擬授業への熱が全く異なる中で、有意義な模擬授業はどうしたら…というのが悩み。

特に、模擬授業のふりかえりをみんなにとって意味があり、それぞれが得るものがある話し合いにするにはどうしたらよいのか…。
グループに分けて授業をするため、私がずっとついてるわけではありません。
4回生でもあるし、学生たちだけでできるようにしたい。

でも、学生たちだけのふりかえりは、「私はこう思いました。以上」「私は○○でした。以上」というように一巡したらそれ以上深まらない。
「以上」は、これ以上私の言うことに触れないでちょうだいというように聞こえるし、「『以上』は言わない、共通の話題を見つけて深める」などとアドバイスするのですが、そのときは気をつけても、なかなかうまくいかず。もちろん、グループによっては、とても深まるのですが。

数年前、獲得型教育研究会でちょっと悩みをもらしたときに高尾隆先生が「私は良い、悪いではなく好きだったところ、あまり好きじゃなかったところを語ってもらっている」と話されました。
「良い、悪い」となると評価になってしまうけれど、「好きかどうか」は個人の自由で、いろいろあって当たり前だから、と。

なるほどと思い、それ以来そういうことを学生に伝えてきました。貴裕先生のこの本は、「実感をともなった」話をするということが書かれています。
高尾先生と同じことだなと思うと同時に、具体的に例をあげて語られているので、だれでもとっつきやすい。

これまでも貴裕先生は対話型リフレクションについて書いておられます。今年は高尾先生の言葉にくわえて、貴裕先生の論文「学習者の視点をもつて実践の振り返りを深めるということ」「教師自身の学び手としての感覚の活性化」を学生たちに読んでもらい、それをもとに授業のふりかえりをしてもらっています。

今までの感覚があるから、最初はなかなかうまくいかないグループがありますが、3回、4回とくりかえす中で、ざっくばらんに思ったことを伝えあい、共通に引っかかったところで深めていけるようになり、学生自身がふりかえりの話し合いにとても満足感を感じるようになっています。

ただ、当然と言えば当然ですが、肝心の模擬授業が手抜きで、ろくに考えずに授業をしてしまうと、授業者はとても後悔することになってしまいます。

教員になろうとしている人、教員研修や教員養成にかかわる人には、ぜひ読んでほしい本です。
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スポーツマンシップとは何か

2018-07-07 07:59:59 | 授業・教育
教育実習、介護等体験、部活の試合、体調不良など。応用ドラマ教育論の受講生3名が、久々にそろいました。

えのきの授業は、FIFA World Cupのポーランド戦を題材に。
「スポーツマンシップとは」というテーマ。


「スポーツマンシップ」を辞書で調べると、そのひとつに
「フェアプレーで勝負にこだわらず、明るく健康な精神・態度」
と書かれているそうな。

トライアスロンで、勝負を争っていた弟が最終に熱中症をおこし、その弟を助け、先に弟をゴールさせた兄の映像を見る。

そのあと、
「日本・ポーランド戦のボール回しは、スポーツマンシップにのっとっているのか」という問い。

セネガルが点を入れられてから、西野監督が決断を下すまでの8分間。私たちも監督、コーチ、選手の役になって、どうするか相談するというもの。

学生の監督は、結局、「攻めに行く」と判断。

その後、熱いディスカッションが繰り広げられました。
サッカーにさっぱり興味のない私も、引き込まれました。

「スポーツマンシップ」をどう考えるかという事は、実はその人の人生観がとても反映されていました。

また、そのスポーツのなりたち、歴史、個人競技か団体競技かなどでも、判断の仕方が異なる。ルールが変わったからこそ出てきた戦術で、ルールにも問題が…。などなど、多様な視点が出てきました。

それにしても、3人ともライブで見ていたとのこと。
関心事だからこそ、熱い議論になるのですね。

学生が授業をする良さは、ここにある。
いかに自分の問題になるか、に尽きますね。
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