次の土曜日、獲得型教育研究会の12月例会で、津田塾大学の吉田真理子先生とワークショップをします。
12月21日(土)14:00~17:30
日本大学文理学部 7号館2階1222教室
参加費500円
夏のセミナーで実施したワークショップをもう一度試みる予定です。
渡辺貴裕先生が「表現と理解の循環」について書いておられるのだけれど、
夏のワークショップは、そのことを意識して実施しました。
私の頼りない理解だけれど、
脳神経科学者アントニオ・ダマシオの『進化の意外な順序』のよると、
先に身体があって、神経系は進化のあとのほうで生まれたもので
神経系を持たない生物もたくさんあるわけです。
けれど人間には脳を中枢とする神経系が発達しており
神経系とそれ以外の身体というふうに考えたとき、思考しているのは脳だけなのかというと
脳を中枢とする神経系がないとイメージをつくれない。感情を意識することもできない。
けれど、身体の変化は感情を生み、行動や思考に影響するのです。
脳は身体を動かし、身体は脳を動かす。
また物理学者のレナード・ムロディナウは、『柔軟的思考』の中で、ヒトは3つの情報処理モードについて述べています。
ひとつは台本に則った処理、ふたつめは分析的思考、3つめが柔軟的思考。
台本に則った処理とは、深く考えずに反応してしまうようなこと。
『柔軟的思考』には面白い例が載っていますので(ムロディナウの本はいずれもたとえが絶妙で面白い。彼は本当に柔軟的思考のできる人だなと思う)、ぜひ読んでみてください。
思考を「環境を評価し、アイデアを生み出すことで意味のある反応をするという行為」としたとき、台本に則った処理が思考といえるかどうかは分からないけれど、思考との境界はあいまい、なのだそうです。
これまでの教育は分析的思考を鍛えることでした。
でも、今日重要なのは柔軟的思考だというわけです。
脳には、おもしろい、楽しいと感じたことをどんどんやる仕組みがあって、満足するとやめる。
だから外から目標を押し付けても、楽しくもなんともないし、やる気もおきない。
単純な計算練習などは、台本に則った処理でちっとも面白くない。
身体で感じて動く、動いて感じる、感じながら思考する。
柔軟的思考を育てるには必要な学び方といえるでしょう。
やってみて感じる→感じたことを話し合う→話し合いから感じたことを次の自分の行動に取り入れてみる
これを「表現と理解の循環」と私は言うのですが、そういった循環を意識しながらワークショップに取り組みたいと思っています。
また、『<トム・ソーヤ>を遊ぶ』の本のお披露目を予定しています。
お時間と興味のある方はぜひ!