ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

Kちゃんの世界

2023-04-16 09:02:30 | 子どもと学ぶ
孫のKちゃんのお母さんの目が見えづらくなり、急遽検査入院となった。

Kちゃんのお世話のため、東京に1週間滞在した。
私の役割は、Kちゃんを幼稚園に迎えに行くことと、食事の用意。
3歳半のKちゃん。人見知りが激しく、年に1、2度しか顔を合わせないので、なじんでくれるか心配だった。しかも、幼稚園に入って、環境が新しくなったばかり。幼稚園終了後に延長保育をお願いしている。

初日には、おとうさん(私の息子)と一緒に幼稚園にお迎え。
翌日は、幼稚園までおとうさんと一緒に送り、迎えはわたしひとりで。

お迎えが私だけと分かったとたん、Kちゃんは涙目に。でも、泣かずにがまんする。
先生に挨拶をすませて帰ろうとすると、手に何かをしっかり持っている。
何を持っているのか私には見えない。
すると「お花、いい匂い」と私に渡してくれる。
「ほんと!いい匂い」と受け取る。

その後も、何かサササッと手を動かし、「これお花の絵」「これは葉っぱ」とか次々渡してくれる。
家に帰るとおとうさんがいないので、しょんぼり。ソファにすわって、Kちゃんを抱いて、しばらくじっとしていたら、おとうさんが帰ってきた。
おとうさんが帰ると、私には見向きもしない。
私があれこれ言っても「おとうさんと!」の一点張り。

「ふうみん」と呼んでくれて、おとうさんと一緒の遊びに混ぜてくれたのは3日ぐらいかかった。でも、おとうさんがいないときは、私とよく遊んでくれた。
Kちゃんは空想の世界が豊か。いつも空想の世界に遊んでいて、現実世界に戻されるのがいやみたい。トイレとお風呂が大嫌い。

休日の朝、おとうさんと3人でお散歩していたときも、手にもった架空のキャンディーとペロペロキャンディーを「持ってて」と手渡された。ずっと持っていたけれど、何も言わないので「このキャンディーとペロペロキャンディー、どうしたらいい?」と訊くと引き取って、今度はおとうさんに持ってもらっていた。
夜になって、「あのキャンディーとペロペロキャンディー、どうしたかな?」というと、もう覚えていないようだった。
Kちゃんの空想の世界は目まぐるしく変わる。

感心したのは、おとうさんがKちゃんの言うことを一切否定しないこと。
いやいや期で、なんでも「いや!」というのだが、あれこれ提案したり、なだめたりしながらその気にさせている。
朝食後、着替えさせて登園するまでに1時間ぐらいかかる。

しかし、息子もストレスがたまるのか、私に対しては結構口調がきつい。

私は私で、よその家で家事をするのは、まず何がどこにあるか分からないし、その家のルール(例えば台所のスポンジや布巾の使い分け)が分からない。分からないことがまずストレス。
息子はご飯を炊くには米の洗浄から浄水を使って、米は研がずにゆるくかき混ぜて水が濁らなければOK。うちのやり方とは違う。息子からいちいちのクレーム。言うのはいいけど、言い方がきついよ~。炊飯器も洗濯機も違う。生活リズムも違う。こちらのストレスがたまる。(たまに東京在住の友人とランチをして息抜き)

機嫌のよいときのKちゃんは本当にかわいく、癒される。
けれど、よそのうちで1週間過ごすのは疲れた。
Kちゃんはおかあさんの実家にお世話になることになり、1週間で帰れて良かった。

しかし、Kちゃんにとっては試練の時は続く。
幼稚園に入ったばかり。
あまり会わないふうみんの闖入。
親と一緒でない初めてのおかあさんの実家でのお泊り。
私以上にストレスだろうな。
でも、賢くて逞しいKちゃん。
これを機会により一層逞しく育ってほしい。
コメント
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