ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

回数券をとっておいたけど

2021-08-16 13:24:27 | 日記・エッセイ・コラム


夫が白樺湖の大門峠の裏側に丸太小屋を建てて20年になる。

京都から名古屋、特急しなのに乗り換え塩尻、中央線に乗り換え茅野。
茅野からはバスで西白樺湖、そこから森の中を徒歩で30分。

夫が車を買ったのが2009年。
私が沖縄から京都へ戻り、父が入院し、車は父の病院への送り迎えや母の見舞いの足として利用された。
その後は、車で小屋に行くようになり、買ってあった回数券は使わずじまいだった。
けれどいつか使えるかもしれないと、600円分、大事に持っていた。
私はすぐものを失くすくせに、こういうものを大事に持っていたりする。

今年は孫とその従姉妹が小屋へ行きたいというので、その4人と夫は車で。
定員オーバーで乗れなかった私は久々にJRとバスで行くこととなった。

コロナの影響でどの乗り物も混雑することなく、ゆったりと座れた。
茅野に着いて、回数券を見せてバスの切符を買おうとしたら、
「使えません」と言われた。
それは古くて、払い戻し期間も過ぎています、と。
なんとなく予感はあったけれど、売っておいて使えないとは、アコギじゃないかとも思う。

もう持っていても仕方ないので、記念写真をとって回数券は捨てた。

茅野から西白樺湖のバス料金は10年たっても同じだった。

ネット検索すると、西白樺湖から小屋の近くまでバスが出ているらしかった。
以前はそんなバスはなかった。
ところがバスセンターで訊いても知らないという。
バスに乗ってから、運転手に訊いても知らないという。

西白樺湖でバスを下車すると、土砂降りだった。
傘が役に立たない。
バスがなかったら、30分、森の中をずぶぬれで歩くしかない。
とりあえず雨ガッパは持ってきたけれど。

バス停には、巡回バスが毎月第一木曜日定期運行、その他不定期と書いて時刻が記してある。
今日は木曜日ではない。
バスの時刻まであとしばらくなので、とりあえず待ってみることにする。

すると、乗用車みたいな、でもボディーにバスと書いた車がやってきた。
乗せてもらえた。
車の中は、タクシーみたいに透明シートで運転席と客席は仕切ってある。
座席は5つほど。ドア付近に2つ、そのうしろに3つ。
記憶が間違っていなければ。もう一列あったかなあ?
いずれにせよ、乗客は私だけ。
運転手さんは「今日が初仕事なんです。これでお客さんは3人目です」と言っていた。
料金100円。

とにかく助かった。
10分ほどの乗車だったが、その間に雨は小やみに。
バスを降りて少し歩いて、無事小屋にたどりついた。
20分ほど遅れて、車組も到着。
子どもたちとテンヤワンヤの3泊4日がスタートしたのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

親子兄弟姉妹の呼び方

2021-08-05 13:42:41 | 日記・エッセイ・コラム


私の身近な若い人たちは、お互いをファーストネームまたは呼び名で呼ぶことが多い。
息子のパートナーすなわち孫のAちゃんたちのママは、子どものママ友同士、さっちゃん、みきちゃんなどの名前で呼び合っている。

孫たちもお互いを名前で呼び合い、年上でも「〇〇ねえちゃん」という言い方をしない。
子どもたちは叔父さん、叔母さんも名前で呼ぶし、夫婦もお互いの名前を呼んでいる。

私自身は「ふうみん」と呼ばれ、夫は「カズさん」だ。
卒業生もその子も「ふうみん」と呼んでくれる。

個人個人が大事されたフラットな関係に近づけるようで、私は好きだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分のおかれた環境をより良いものにするために

2021-08-04 08:11:52 | お知らせ
「School Voice Project」という教員向けアンケートサイトを武田緑さんが立ち上げた。教員は匿名で登録でき、アンケートの答えることで問題点を改善し、ことによっては政府や自治体に要請して環境をかえていく取り組み。

「子どもの学びと教師の学びの同型性」
教師が自分たちの環境を変えていく活動をすることは、子どもたちが自分の環境を変えていく力を育てることに繋がる。私はこの取り組みに大いに期待している。

武田緑さんと知り合ったのは、授業に珊瑚舎スコーレの星野さんを招いた時、来てくれたのがきっかけ。

その後学生相手に授業をしてもらったり、在職中は何かとお世話になった。
退職したけれど、応援しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久々に卒業生と会う

2021-08-04 07:56:21 | 気楽にたまり場


我が家が「半分実家、半分民宿」の気楽なたまり場になればいいなと思いながら、思いがけないコロナの大流行で、鳴かず飛ばずの状態が続いている。

けれど先日、忙しい教員生活の合間を縫って、卒業生が夫婦で子どもを連れて来てくれた。急な来訪だったけれど京都に来たついでとか。沖縄研修の一期生にあたる。

一歳半の女の子はかわいい盛りで、最初は緊張していたが、そのうちぬいぐるみであそび始め、庭のプールで水遊びをして、楽しんで帰っていった。

今度は、教職実践演習の一期生が数人で来たいと連絡があった。楽しみにしている。
教員はやはり夏休みには少し時間がとれるようだ。コロナのおかげで部活が縮小されたせいもあるかもしれない。

どういうわけか、一期生というのはとりわけ印象深いように思う。
こちらが右往左往の手探りなのが、かえって学生の自発性を誘発するのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蘇ったカルメン

2021-08-01 19:48:35 | 芸術およびコミュニケーション

2021年8月1日びわ湖ホールにて歌劇「カルメン」

以前の「カルメン」は、田舎出の真面目なドン・ホセをカルメンが色仕掛けで誘惑し、エスカミーリョに心を映したカルメンが殺されるのも自業自得…というイメージだったが。

アレックス・オリエ氏の演出では、カルメンは現代のロック・グループの歌姫。
ライブで大勢の人を魅了する。ドン・ホセと恋に落ちるも、ストーカーのようにカルメンを束縛するドン・ホセから心が離れ、エスカミーリョに心が移る。

「俺と一緒に来なければ殺す」と脅すドン・ホセに「誰も私の自由を奪うことはできない」と言い放つ強い女性のカルメン。

「同じ歌、同じセリフなのに、どうしてこうも違ってみえるのか」と思うほど。
ドン・ホセのストーカーぶりにはゾッとする。
引き換え、命に代えても自分の自由を守ろうとするカルメンの強さよ!

読んではいないが、メリメの原作では、ドン・ホセはスペインのバスク少数民族の人として描かれているそうで、ドン・ホセの側の悲哀にもっと焦点が当たっていたのだろう。
今回は、ドン・ホセは独占欲が強く、嫉妬深く、拒絶されるのを許すことができない狭量な男として描かれているため、許しがたい。

しかし、いつの時代であっても殺人に至ったドン・ホセは許される立場ではない。
それでもその人物像の解釈が大きくことなってきたことに時代の流れを感じる。

カルメンを現代に置き換えたこと。そのイメージにふさわしい鉄パイプの舞台美術。
カルメンを現代によみがえらせた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする