ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

民主主義を育てる体験とは?

2020-12-18 15:50:23 | 本・論文・雑誌


2020年の年末も押し迫り気ぜわしい12月18日。

朝日新聞の耕論で、古野香織さんが「スウェーデンでは教師が『民主主義の擁護者』とされています。民主主義を支える市民を育てることこそ、教育を行う目標であり、重要な役割だというのです」と語っていた。日本でも、教育の重要な役割は「民主主義を支える市民を育てること」にあるはずだ。しかし、「多くの教師が『政治的中立』という言葉を前に萎縮してしまったり、政治を教室でどう扱えばいいのか悩んだりする」と。

教育界で民主主義の大切さを否定する人はいないはずなのに、「民主主義を支える市民」として人を育てることにあまり成功しているように見えないし、ともすれば学校という職場が民主的でないこともある。これは大変困ったことだ。

老いも若きも、先輩も後輩も、上司も部下も、先生と生徒も、男と女も、その他いろいろな関係の人同士がフラットな関係で話ができる。お互いに敬意をもって。それが民主主義の基本。フラットな関係で話ができる体験が不足している。

「民主主義を支える市民」を育てるにはアクティブ・ラーニングが必要、と渡部淳先生は書いた。『アクティブ・ラーニングとは何か』を、ぜひ多くの教育関係者に読んでもらいたいものだと思う。
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『〈トム・ソーヤ〉を遊ぶ』を支えた人たちと

2020-02-04 09:07:22 | 本・論文・雑誌


1月31日は、東京で『〈トム・ソーヤ〉を遊ぶ』の打ち上げをささやかに。

晩成書房編集長の水野さん。絵を描いてくださった聡子さん。ワークショップに出席し、3章を書いてくださったすぅさん。津田塾、立命、両方のワークショップに参加してくれた獲得研の小菅さん。そしてまりこさんと私。

本当は、淳先生が出席してくれるはずでした。
きっとどこかで見守ってくれていることでしょう。

ワークショップに参加してくださった方々を含めて、
良い人たちに恵まれて、この本が完成したことに感謝しかありません。

本をつくる道のりは長くて大変だったけれど、
とくに最後のほうは、校正する気力が続かず、不安なうちの校正終了だったけれど
できあがってみれば手塩にかけた本当に愛おしくかわいい本。
多くの方に読んでもらいたい。

それぞれが今の仕事に就いたきっかけとか、話が佳境に入ったところで
息子から「いつくるの?」との連絡。
あまり遅くなっても息子に申し訳ないので、そこで切り上げざるをえず
残念。

水野さんには、何度相談させてもらったか。
旅日誌を省くという提案をもらったけれど、
まりこさんは「これははずせない」と。
やはり書きたいことは省けない。

で、水野さんからは「旅日誌が雑然感をもたらしているけれど、その雑然感もまた良いのかも」と。
まあ出来上がってしまった今となっては、そうとしか言いようがないのかもしれませんけれど。

それぞれに、退院したばかりとか、4月から海外とか、びっくりニュースもいろいろあって。
もっと話していたかった。
残念!

晩成書房は、演劇と教育に特化したとてもユニークな出版社。
ぜひ生き残ってほしい。
町の本屋さんがつぶれていく要因ともなっているアマゾンに逆らって、
アマゾンに本を出していないのは痛いけれど。
ネットに頼らない出版社も生き延びてほしい。
売れることが晩成書房を支える。

ぜひ多くの人に読んでほしい。
どうして届けようか。
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読んでほしいけれど…

2020-01-03 09:20:40 | 本・論文・雑誌


明けましておめでとうございます。
元旦は恒例の初もうで、おみくじ。
今年は大吉でした。昨年は凶。
凶なら精進し、吉なら謙虚になれということですね。

30日に立命館大学沖縄研修卒業生の同窓会に呼んでもらいました。
卒業2~4年といった人たち。教員が多いけれど、それ以外の職業についている人もいる。
沖縄研修の良いところは、学年を超えて集まれること。
それぞれがそれぞれのところで、悩みつつも頑張っている。話を聞いていて嬉しかった。

新しい本の話もしたかったけれど、彼らの話を聞いているうちに、今その時期じゃないと思いました。
彼らのほとんどは私の授業は取っていないし、演劇的な手法を経験したこともない。
経験があれば「ああ!」と思うところはあるでしょうが、なければ今読んでもピンとこないかも…。

とにかく、日々に精一杯というのが伝わってくる。
教育ってなんだろう、教師ってどういう存在なんだろう。
そういうことに深いところでそう考え始める時期は、もう少しあとかな?
そういうときに、読んでもらえたらいいな。
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『〈トム・ソーヤ〉を遊ぶ』ついに発行

2019-12-16 09:59:57 | 本・論文・雑誌


もともとは、私の退職の合わせて今年の3月に発行予定だったけれど、諸事情で8月発行に延期したものが、12月になってようやく出版できました。

この間の環境の変化と意識の変化が大きく、本づくりに意識が集中できず、
これまでの本づくりの中で一番難産でした。

もっと良いものにできるのでは?という気はあるのに…。
けれど、本を出すということは、多かれ少なかれそういう面があって
世の中、どんどん変わる中で、その時点で「エイヤッ!!」と出さないと
いつまでたっても出せない。

いざ完成して手に取ると、
まりこさんや編集者の水野さんと一緒に、
とても良いものを作り上げてきたという感慨がしみじみ。
愛おしい。

この本は、津田塾大学で教員と教員をめざす学生を対象に実施したワークショップが基本です。
そのワークショップの振り返りを、元小学校の教員で今はインプロで活躍しているすぅさんと
現役のばりばりの小学校教員キューピーが書いてくれています。

それに、まりこさんと私の教育へのこだわりと、ふたりのプロジェクトの歩みを加えました。

日々、子どもと向き合って奮闘してる先生方にとって
「そもそもなんのために教育をしているのだろう」
「どういう子を育てたいのか」
「そのためにどういう方法があるのか」
そんなことのヒントになればいいなと思って書きました。

本が読まれない今日。
ただ出したいからということで本を書くのではなく
本当に読んでもらいたいことを、
読んでもらえるように工夫しながら書くことはとても大切ではないかと思っています。

聡子さんが表紙の絵を描いてくれて、今までにない味わいの本に仕上がっています。
絵にひかれて手に取ってくれるひともいるのでは。

立命館大学で縁があり、その後教員になっていった卒業生たちが読んでくれれば
こんなに嬉しいことはない。
彼らにどうやって届ければよいのかな?


晩成書房の本は、usedでないかぎり、アマゾンでは買えません。
でもインターネット上に、オンライン書店はたくさんあるので、そちらでお求めください。
また、晩成書房に直接注文いただくこともできます。
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新しい本、校正中

2019-06-23 09:56:22 | 本・論文・雑誌

今、私の最後の著作になるであろう本を校正中。
『〈トム・ソーヤ〉を遊ぶ―楽しく創造的な学びをめざして―』というタイトルを予定。
真理子先生と一緒にやってきた7年間のプロジェクトの総決算。

実は、2018年度末、すなわち今年2019年3月に出版の予定だった。
私の退職を記念して。

ところが大学の出版助成を受けることになり、発行は2019年度ということに。

そうなると、なぜかガクッと作成スピードが落ちた。
「なぜか」と書いたけれど、理由ははっきりしている。
まずは出版社の事情。

そして大学教員は忙しすぎる。
特に真理子さんの忙しさは半端じゃない。
となると、目の前のもの優先で、締め切りが遠いものはどうしても後回しになってしまう。

ということで、原稿は昨年度中に書いたけれど、校正は今年度になってから始まった。

ところが、私の意欲が湧かない。
この本の先の私の未来が見えない。
というか、私自身がこの本の先の未来を描こうとしていない。
それとは関係のないところで生きていこうとしている自分に気づく。

となると、別のことが気にかかり、この本に取り組むのにえらいエネルギーを必要とする。
しんどい。
退職を境に、これほど急激に自分の意識が変わるとは!
過去の後始末は、エネルギーがいるのだ。
前へ進むエネルギーとは違って、絞り出すようなエネルギーが。

漸く乗ってきたところで、また次の校正まで長い時間が空くとエネルギーダウン。
これを良い本にしたいという思いはある。
だから、なんとか頑張る!
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