ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

『めぐりあう時間たち』

2023-02-24 18:33:07 | 芸術およびコミュニケーション
『めぐりあう時間たち』がオペラ化され、メトロポリタンで上演されたものが映画となった。
これをヤフーニュースで知って、夫が2003年の映画『めぐりあう時間たち』を借りてきた。

2003年に観たときは、ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープのそれぞれの演技が素晴らしいと思ったものの、内容的にはそれほどの感激はなかった。

けれど、今回見直して驚いた。
印象が一変した。
前に観たときは、私に知識も経験もなさ過ぎたのだ。
今は、彼女たちひとりひとりの深い悩みが分かる。
私にとってもけっして他人事ではない。

それぞれの時代によって表れ方は異なるけれど、
女性という枠にはめられて生きなければならない苦しさ。
「安全で平和であっても望まない状態では、生きていると言えるのか」

またストーりーが小説『ダロウェイ夫人』をなぞっていることも今回理解した。
『ダロウエイ夫人』を読みたくなった。
『めぐりあう時間たち』のオペラも観たいものだ。
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三文オペラ 再び

2023-02-18 16:35:12 | 芸術およびコミュニケーション
7月31日に『てなもんや三文オペラ』について書いたが
今回はピッコロ座プロデュースの『三文のオペラ』

結論から言うと、期待していたものとは違った。
私の期待するブレヒトからするとエネルギーが薄かった。

マックは盗賊。放火や殺人も犯す悪人だが、女好きでどこか魅力的でもある。
にもかかわらず、マックに色気も人としての魅力もあまり感じられない。
ピーチャムもマックに劣らず悪だ。けれどどこか哲学的でもある。
こなれていたけれど、もっと凄味やねちこさがあってもよかったかも。

パイプを組んだような装置を動かして場面転換をしていくアイデアは良かったが、場面転換を見せるのか見せないのか中途半端な感じが残念!
バイオリンの生演奏は良かった。
歌詞が字幕で出るのはよいのだけれど、セリフから歌のつなぎがぶつ切れになる。
それもあってかエネルギーが上がらない。

台本もこなれていない感じ。
最期のどんでん返しに「エエッ?」という驚きがない。
ここはこの国でもあるあるの出来事を彷彿とさせる仕掛けがあっても良かったかも。

各自はそこそこうまいのに、全体として仕上がり切っていない感じ。
あとちょっとの何かが足りない感じ。もったいないなあ。

ピッコロ座は始めて観た。
日本でおそらく唯一の公立劇団ということで、大いに期待していた。
期待が大きすぎたのかもしれない。
期待していないときは、「おっと、これはめっけものだった」と思ったりするから。

ポリーが良かった。
大阪弁にしたことを一番生かせていたのではないだろうか。
お嬢さんと姉御ぶりの同居がみごと!

観ながら、こんにゃく座のオペラを思い出していた。
林光の曲も、歌いやすそうなメロディーじゃない。
けれど、日本語にしっくりくる感じがある。
クルト・ヴァイルの曲は、日本語を乗せるには無理があるのだろうか。
「マック・ザ・ナイフ」はすっかり日本語でもおなじみになっているけれど。

『てなもんや三文オペラ』では、騒々しくてかえって歌詞が聞こえにくいというのがあったけれど、福井晶一のジェニーの歌唱は抜群だった。
日本語が乗らないと思うのは歌唱力の問題なのだろうか。
1981年の劇団青年座の公演の音楽はメロディーが違う曲が多かった。昨年の『てなもんや三文オペラ』と、今回でも曲が違っているように思った。編曲の違いか?翻案しているので歌詞のつけ方が違うのは当然としても。

「ブレヒトは難しい」ということを今回は認識した。
ああ!血沸き肉躍る『三文オペラ』が観たい!
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なぜ働き手が見つからない

2023-02-15 17:49:14 | お仕事
今日、また以前の職場へ買い物に。

前回から2週間たつというのに、まだ後任が見つからないとのこと。

私は、時給が1000円以下ということよりも、勤務時間にflexibilityのないことが一番のネックではないかと思う。

時間のある高齢者は多いはず。
けれど現役時代のようにきちきちに時間に縛られたくない。
自分の予定のないときに、ほどほどに働きたい。

もしそういう働き方が実現できれば、働き手はかなりあると思う。
そういう人を活用しなければ、これから社会はまわっていかないのではないか?

結局、人手が足りないので、手作りだし巻き卵だけでなく、手作りおむすびも無くなっていた。
売り上げをのばすために作る数を増やしたはずが、そのために仕事過剰で辞められてしまい、結局製造数を減らさざるを得ない。
何をやってることやら。

「戻ってきて」「一日だけでも来て」と言われたが、かなり本気に聞こえた。
申し訳ないような…。
早く後任が見つかりますように。
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大学時代の友人たち

2023-02-07 11:32:21 | 日記・エッセイ・コラム
先日、大学時代の友人が埼玉からこちらに来るというので、数人が集まった。

大学時代の友人にはふたつのタイプがあって、ひとつは同じ学部の女性たち。
全学生2000人の中の女性は100人という大学で、同学部の工学科と化学科の女性6人は何かと一緒に行動していて、毎夏休みには旅行したりした。
ひとりはアメリカへ移住してしまったが、残りの5人でたまに会う。
うちひとりは、退職後一緒に観劇や美術展に行くようになった。
悩みが相談できるかけがえのない友人となっている。

もう一つは自治会関係。私が入学したのは学園紛争が終わったころで、中止されていた学園祭などに取り組むと同時に、政治について語り合ったりした仲間。
それ以前の闘争とは無縁の牧歌的な活動をしていた。
私の所属する学部の自治会室はプレハブの汚い建物で、私たちの活動のひとつはそれを掃除して、大学と交渉してペンキと刷毛を買ってもらって外壁を塗り直すことだった。

他学部の自治会は比較的まともな部屋を持っていて、印刷機もあり(当時は謄写版。ジアゾ式のコピー機がようやく入ったころと記憶している)、私の学部の自治会でもそれを使っていたので、他学部自治会とも交流が深かった。

そのメンバーの一人がコツコツと取り組んできた植物の調査と保護活動を評価されて、表彰されるためにこちらに来るという。
それで急遽集まった。

話題はもちろん、その受賞に関することだったが、それぞれの近況も話し、今の政治状況についても語り、あっという間に時間が過ぎて行った。

このごろ、政治について他の人と話すことがほとんどない。
というかまったくない。
私は北陸新幹線も原発も止めてほしいと思いながら、それで何かしているかというと、関心をもち続けているという以外特に何もしていない。

それでも、そういうことを語り合いたいと思っているのだと、今回実感した。
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だし巻き卵がなくなった

2023-02-03 21:10:03 | お仕事

昨日、かつての職場に買い物に行ったら、「手作りだし巻き卵は明日からお休みします」の表示が。

私が辞めた後、もうひとり辞めたそう。
募集をかけているらしいけれど採用に至らず、人員は減ったままだとか。
申し訳ない気がするけれど、私のせいではないからどうしようもない。
私は2ヵ月前から辞めると言ってあったし・・・。

チーフからすればコストのかかるだし巻き卵を止める良いチャンスだったのかも。
手作りだし巻き卵は原材料はすべて店内調達で、本当の手作り。
だから時間がかかる。だしをつくる時間を別として、慣れても卵6個分を1本として5本分焼くのに卵を割ってだしをいれて溶いて焼いて35分から40分かかる。材料でコストが上がるうえに人件費もかかるので割が悪いのだ。

けれどおいしいので、それを目当てに来る人がいる。
最初は総菜部門の目玉として売り出したので残念だ。

かつての仲間に「戻ってきて」と言われたが、土曜日が1時ごろまで仕事でつぶれるのは今となっては厳しい!
土曜日は楽しいイベントが多いし、孫たちと関わる大事な時間でもある。
でも、総菜をつくる仕事は楽しかった。
平日の短時間なら、またやってもいいかも!
今さら新しいことができるかどうか分からないけれど。
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