ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

科学とひらめき

2013-01-28 12:33:27 | 日記・エッセイ・コラム

NHKの教育番組に『すイエんサー』というのがあります。すイエんサーガールズと呼ばれる女子高校生が、さまざまな科学の問題にチャレンジする。

たまたま見たときに、京都大学理学部の学生とすイエんサーガールズが、競争で一つの問題に取り組むということをやっていました。

紙で作った構造物を5メートルの高さから落として、地面に着くまでの滞空時間を競う競技
”ペーパーフライ対決”

1回戦、A4版1枚の場合はすイエんサーガールズが勝利。なんと、それはただ1枚をそのまま落下させるというものでした。

2回戦は5枚で。

すイエんサーガールズたちは、制限時間(確か2時間だったと思う)の中で、19もの試作品をつくるのですが、最終的にただ紙をつなげただけのシンプルなものに。1枚の結果を活かしたのでした。

京大生たちは、1枚のシート状が有利と知りつつ、同じものにしたくないと、グライダーの推進力を持つ構造を考えました。

結果は、京大生の惨敗。

出題した京大の先生は、「勝因は、ひらめき、いさぎよさ、チームワーク」
「敗因は、愚直、こだわり。けれど、これらは科学者には必要なもの。負けたけれど彼らの挑戦を嬉しく思う」と、素敵なコメント。

どちらかといえば、「愚直、こだわり」系の私には、嬉しいコメント。そして、理科教育に携わる者として、非常に考えさせられたできごとでした。

「ひらめき、いさぎよさ」系と「愚直、こだわり」系がチームワークを組めれば、無敵なんでしょうね。そのためには、コミュニケーション・・・ということなんだけど。

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知識はゼロ?偉大なるマンネリ?

2013-01-12 11:55:24 | 授業・教育

学校教育演習は、今年度から始まった立命館大学の教職を目指す学生にとって必須のゼミです。

1期生の授業が終了しました。最後の日、それぞれがこの1年間を振り返って話しました。私が面白いと思ったふたつを紹介。

ひとつめ。「この授業は、知識としてはまったく得ることがなかったけれど、それ以上に学ぶことが多かった」
いやあ、知識も広がったと思うよ。これまで知らなかったことをたくさん知ったはず。けれど、それはこれまでの「知識」という概念とはちょっとちがったらしい。「覚えなくちゃいけない」ことではなかったから。

ふたつめ。「5回目までは面白かった、残り25回はマンネリだった」
「コミュニケーションをとるのが苦手で、5回目ぐらいまでは苦痛だった」という人が多かった中で、そういう緊張した人間関係を見るのが面白かったそうな。ところが6回目以後は、すっかり緊張が解け・・・。

こういう話は、次の授業づくりにとても参考になります。

さて、授業を終えて、「もっと高みに行けたのでは」と思ってしまうのですが、それは高い山に登ったことがあるから。少なくとも彼らにとっては初めての高さだったらしい。1年かけてつくってきた場が、これからの人生に少しでも糧になればと思います。

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