某所を発車する直前に、若い女性が携帯電話で話し始めた。帰るコールっぽかったので、すぐに終わるだろうと思っていたら… 相手のペースに巻き込まれたのか、話が長くなってしまった。
「バスの中で携帯電話はやめてください」
そう言ったけれど、聞こえないのか無視されたのか… やめなかった。
「早く携帯電話を切ってください!!」
そう大きな声で言ったら、聞こえたのか無視できなくなったのか… やめた。
駅に向かって出発した。途中のバス停で数人の客を乗せながら、駅まであとバス停2つとなった頃… 携帯電話の着信音が車内に響き渡った。すると50~60くらいと思われる男性が話し始めた。恥知らずなのか、かなり大きな声だった。
「もうすぐ駅に着きますから、電話はやめてください」
そう言ったけれど、またもや聞こえないのか無視されたのか… やめなかった。
「おぉ~い! 一度言ったらすぐに切ってくださいよぉ~!!!」
と、半ば怒鳴るように言ったら、すぐに切った。
某地域をぐるっと回って駅へ戻る途中、着信音は鳴らなかったが、明らかに携帯電話で話しているだろうという中年女性の声が聞こえてきた。何かの商談なのか、仕事っぽい内容であることだけは分かったが… そんなの関係ない!
「バスの中では携帯電話はやめてください」
そう言ったけれど、またまた話に夢中なのかやめてくれなかった。
「電話はやめてと言ってるでしょう!!」
と強く言うと、たまたま話が終わったのか、電話を切った。これだけ次々と携帯馬鹿が出現したので、私も“逆切れの苦情”を覚悟で“余計な一言”を言ってしまった。
「少しくらいいいだろうじゃなくて、少しくらい我慢してくださいよぉ~!!!」
その女性は、降りる時に「急な用事でどうしても…」と私に対して言い訳したので、「私ではなくて、他のお客様に迷惑ですので…」と言った。どうも勘違いされているようですが、私は単なる代弁者なんです。「ちょっと電話をしたいけど…」と思いながらも「マナーを守らなければ…」と我慢しているお客様も大勢いらっしゃるはず… そういう方々の気持ちを考えてもらいたいのである。最近は物騒な事件も起こっているし、乗客同士という立場ではなかなか注意できないでしょう。だから運転士という立場の人間がやらなければ… もっとも、バスの“運転”が仕事なので気付かないこともありますけどね。<script type="text/javascript"></script>