極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

朴の木とシチリア記Ⅷ

2009年05月28日 | 国内外旅行



ひとの業引き受け登るゴルゴダに 朴葉の水をきみは差し出す 
 

Capri

ナポリの県章 ナポリ の紋章

File:Castel dell-Ovo.JPG File:Via Caracciolo da Castel dell'Ovo.jpg 

6日目。「ナポリを見てから死ね」といわれるが治安が悪い
ので夜間などの個人的な市街観光は出来る限りしないとのこ
とであった。カモッラという19世紀初頭前後にナポリの監
獄の中で発生したとされる影響が強いといわれるが、ゲーテ
が賞賛したナポリとの落差は不可解。

ファイル:Johann Heinrich Wilhelm Tischbein 007.jpg

関係ないんだけれど、ゲーテは生涯7人の女性と恋に落ちた
と言われる。21歳フリーデリケ・ブリオン、22歳シャル
ロッテ・ブック、リリー・シェーネマン、シュタイン夫人、
妻クリスティアーネ、マリアンネ・フォン・ヴィレマー、80
歳ウルリーケ・フォン・レヴェツォー(とすると、わたしに
もまだまだチャンスがあるといことだ ^^;)。


ファイル:Gerhard von Kügelgen 001.jpg

このころ、ナポリにいたゲーテはシラーとスピノザの汎神論
について書簡のやりとりをおこなっている。シラーは「あな
たは単純な組織から一歩一歩より多く複雑な組織へ昇られる、
かくて最後に凡てのうち最も複雑な組織即ち人間に至り、こ
れを発生的に全体の自然の建築物の諸材料から築き上げられ
る。」とゲーテの考えを評価し、それをゲーテは「人間と自
然との間に内面的なアナロジーを見、それに従つて歴史と社
会の構造をも考へたのである。」「同一の法則は一切の他の
生けるものに適用され得るであらう。」とナポリから、自己
の発見に就いて伝へるに際し、ヘルダーへ宛てて書いている
(三木清『ゲーテに於ける自然と歴史』)。


ファイル:Spinoza.jpg

汎神論を知ることは‘対人関係の疲れ’を知ることでもある。
そこにイタリアの、シシリアの、ナポリを旅してそこはかと
なしに感じてきたものだった。因みに、吉本ばなな(現在“
よしもとばなな”)はイタリアの人気作家で『キッチン』を
はじめ異例の扱いを受けている。『N・P』は93年にスカ
ンノ文学賞を受賞。そこで太田垣聡子の「吉本ばなな『N・
P』の英語・イタリア語訳比較
」を検索してみたりしたが決
定的な手がかりになりえなかった。また、記憶に遠いが吉本
自信イタリア滞在し、イタリアの大家族主義の良さを語り、
またそれ故に‘対人関係の疲れ’を語ってた記憶が甦った。
もっというと、そうすることで‘過剰な共同体(多人種社会)
の攻撃性’から防衛したきた。イタリア社会の影はこれまで
の支配階層の行動様式の反動と拡張できるのではと思ってい
る。




さて、ヴェスヴィオ火山が見渡せるサンタルチア港の小島に
突出して作られた要塞(ローマ帝国にルクルスが建築した別
荘であった)卵城(Castel dell'Ovo)へ向かいここからフェリ
ーで天候はちょっと心配な曇り空のカプリ島の碧の洞窟観光
に移動する。

ファイル:Capri-Stemma.png


ファイル:ITY090033.JPG ファイル:Capri and Ischia map.png

写真でなく動画撮影すればと反省しきりだが、しっかり脳裡
に刻めたことだし良しとしよう。確率1/2で天候と潮海と
波浪により観光の正否が決まるといことで添乗員もホットし
たようだ。アンデルセンの出世作となった恋愛小説『即興詩
』では、この洞窟が重要な舞台となたとされる。カプリ島
の名を世界に知らしめた、島内随一の観光名所でごった返し
ていて船頭にとってはかき入れ時。ドイツ人探検家コピッシュ
が”再発見”して以降、世界中からの観光スポット。石灰岩
と海水の光の反射、屈折から織りなす光饗宴。エメラルドグ
リーン、赤などの洞窟が多く存在するという。

  ファイル:Tiberius NyCarlsberg01.jpg


さて、マリーナ・グランデに戻り高台のカプリを観光。カプ
リでは絶景と修道院通りを観光し小さなリモンチェッロと檸
檬香水を土産に買った。ツアーメンバーが『帰れソレント』
『サンタルチア』を歌い聴かせたというハプニングもあり、
盛り上がったし、昼食の『あさりのボンゴレー』を美味しく
いただいた。マリーナ・グランデでビーチを散策し、オープ
ンカフェで一点張りのモレッティと塩辛い乾パンスナック
(?)と彼女は檸檬ジュースを美味しくいただき、ツアーは
ソレントへフェリーでカプリ島を後にした。この続きは、
Poi vediamo di  nuovo !

 Eau de toilette, 50 e 100ml  




ホオノキ(朴の木、Magnolia obovata またはM. hypoleuca)は
モクレン科の落葉高木で全国の山林に見られる。高木で樹皮
は灰白色、きめが細かく、裂け目を生じない。 葉は大きく、
長さ20cm~40cmにもなり、トチノキに並ぶ。葉の形は倒卵状
楕円形、やや白っぽい明るい緑で、裏面は白い粉を吹く。互
生するが、枝先に束生し、輪生状に見える。花も大型で大人
の掌に余る白い花が輪生状の葉の真ん中から顔を出し、真上
に向かって開花する。白色または淡黄色、6月ごろ咲き芳香が
ある。

 Magnolia obovata /森林の見える木材ガイド


本種は強い他感作用(アレロパシー)を示すことが知られて
いる。本種の樹冠下では、他の植物が生えることは少ない。
これは、落葉や根などから分泌される他感物質により種子発
芽や、発芽した植物の生育が強く抑制されるためである。葉
は芳香があり、殺菌作用があるため食材を包んで、朴葉寿司
、朴葉餅などに使われる。また、落ち葉となった後も、比較
的火に強いため味噌や他の食材をのせて焼く朴葉味噌、朴葉
焼きといった郷土料理の材料として利用される。材は堅いの
で下駄の歯(朴歯下駄)などの細工物に使う。また、ヤニが
少なく加工しやすい為、日本刀の鞘にも用いられる。樹皮は
厚朴または和厚朴といい、生薬にする。


サッシ観光からから映画『パッション』と太宰治『駆け込み
訴え』(1/4、『Blog 表現よみ作品集』)と重ね、朴の木
があればと歌う。モクレン科の「ホオノキ」。花言葉は「誠
意ある友情」。

    
                        Capri 

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