マスクして静々渡る大和人 岩鏡に似て頼もしくあり
■ パレルモ県

添乗員を含めて15名のツアーメンバが州都パレルモのホ
テル「サンパオロ・パレス」に到着したのがミッドナイト、
フライトが遅れたためだ。翌日、ゲーテが「世界で最も美
しいイスラムの都市」と称えたシチリア島のパレルモ。ア
ラブ・ノルマン様式のノルマン王宮内にあるパラティーナ礼
拝堂。美しいモザイク画で知られているが、クアットロ・
カンティ周辺の旧市街には街のいたるところに、アラブ・ノ
ルマンの遺品をみることができる。ノルマン王のルッジェ
ロー2世が1130年から13年の歳月をかけ造った礼拝堂。2階
の突き当たりの部屋では壁、祭壇の全て金色を主体とした
モザイクで飾られ大変美しい礼拝堂。天井と柱の模様には
アラブ風の影響が残っている。

Saracen arches and Byzantine mosaics complement each other
『祝福のキリスト』を礼拝堂内の後陣とし(写真上) 中
央の円蓋は『天使に囲まれたパントクラトール』が描かれ、
礼拝堂内のモザイクは12世紀の物。新、旧約聖書のシーン
を扱っているビザンチン美術の傑作品といわれ、床部分に
はモザイク模様が描かれている。
■


モンレアーレ(Monreale) は、イタリア共和国シチリア州パ
レルモ県のコムーネの一つで、 県都から南に約2km離れ
ている。12 世紀のムーア=ビザンティンの世界的に有名な
ドゥオーモ(教会堂)を訪れた。ここまでの印象は、晴天
時は太陽が燦々と降り注ぎ、雨が少ない乾いた風土でオリ
ーブやワイン用葡萄の大規模栽培には適したところだが生
産力向上を図るには‘水供給’が問題だ。ビザンチン美術
のモザイクと同様にフェニキア、ギリシャ、ローマ、ノル
マン、ムーア等の諸民族坩堝化とした時代を経ていること、
海洋帝国して覇を競うには嘗てのポルトガルのように弱小
人口や後背地のなさが致命的となった。
Il chiostro di Monreale
■ Zeus
話が飛躍するが、シチリア文明構成する先史のことである。
そう、『ギリシャ神話』を構成前のこと。天空神ゼウスは
ティーターン神族のクロノスとレアーの子ではあるがいま
では、バルカン半島の北方から来たインド・ヨーロッパ言
語族系征服者の信仰であり、地母神の女神へーラーとの婚
姻は非インド・ヨーロッパ言語族系先住民族との融合の象
徴と解釈されている。さらにウーラノスとガイアの子とし
て設定されているが、そのように比較遡及していくと完新
世の紀元前10,450年頃に、コロンビアのボゴタ近郊のエル
・アブラの遺跡で先史文化まで遡ることができる。 Muisca raft Legend of El Dorado Offerings of gold
■
こんなことを下調べしていたら容量が尽きかけそうだし、
面白くもないか。そこで、アグリジェント観光前のランチ
は「クスクス」。美味かったかい?そりゃ美味いに決まっ
ているだろう、ここはシチリア地中海だ ^^; 。

■
ワカガミ(岩鏡)は、イワウメ科イワカガミ属の多年草。
学名Schizocodon soldanelloides。高山植物。九州から北海道の
高山帯から亜高山帯に分布し、草地や岩場に群生する。葉
は丸く、光沢がある。花期は春から夏。花は淡紅色で、花
弁は5つに分かれ、その先端はさらに細かく裂けている。
花茎は10~15cmで、5~10輪の花を横向きにつける。和名
の岩鏡は、岩場に生えることと、光沢のある葉を鏡に見立
ていることに由来する。近種にコイワカガミ、オオイワカ
ガミ、ヤマイワカガミがある。
■
帰りのローマ空港の搭乗が開始されると同時にほぼ全員が
自律的にマスクを着用して、検札を待っている日本人をみ
て静謐な頼もしさを歌い留めた。桃色や紅色の花の「イワ
カガミ」。花言葉は「忠実」。
■