極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

カラーなシチリア記Ⅴ

2009年05月25日 | 国内外旅行


カラー咲く窓辺に立ちて息子等の明日を気遣いゴッドファーザは



メッシーナの県章

  Mount Etna

Salvatore Quasimodo Salvatore Quasimodo (1901-1968) was born of Sicilian

々草に思いを馳せているとシチリアの詩人サルヴァトーレ・
クアジーモドの『来る日も来る日も』に漂着した。


  すでに雨はわれらとともにあり
  沈黙した空気を揺すっている
  つばめはロンバルディーアの
  湖のよどんだ水をかすめ
  かもめのように小さな魚の上を飛んでいる
  干し草が庭の柵を越えて臭っている

  またも一年が燃えてしまった
  突然ある日打ち勝とうとして
  嘆きや叫びをあげることもなしに

           訳/佐藤三夫
           『すでに雨はわれらとともにある』
                 ( Gia` la pioggia e` con noi )   


なんと簡素でいてわかりやすい詩なんだろう。そして、スト
レートで芳醇なワインの薫りが五感を駆け巡り五臓六腑に浸
透し体液を循環するかのように残響するではないか。


  君は城壁の彼方の空気のなかに
  雄鳥の叫びを聞いた
  君の知らなかった光の凍った塔の向こう側に
  命の稲妻のような叫び
  そして牢獄のなかの声のささめき
  また暁前に巡察する鳥の呼び声
  君は自分のためには言葉を語らなかった
  君は今や狭い囲みのなかにいた
  そしてカモシカやアオサギは黙って
  有害な煙の吹くなかに消えた
  やっと生まれたばかりの世界の御符たち
  そして2月の月は大地の上を明るく通っていった
  だがそれは君にとってその沈黙に燃やされて
  記憶された形だ
  君もまた砦の糸杉の間を
  今は音もたてずに歩いて行く
  そしてここでは怒りは
  若い死人たちの緑となって静まり
  遠い慈悲はほとんど喜びだ


           訳/
佐藤三夫 
           『ベルガモ・アルタの砦から』
                 (Dalla rocca di Bergamo Alta)


彼はエルメティズモ派とされる。イタリア第一次世界大戦後、
イタリア詩の主流を占めた詩派。エルメティズモとは錬金術
の意。フランスの象徴主義、とくにマラルメとヴァレリー
影響を強く受け、詩から歴史や政治などの非詩的要素を排除
し、ことばの伝達機能を極限まで取り除いて、ことばが本来
備えているイメージの喚起力を詩のなかに取り戻そうとする
純粋詩を目ざした。1930年代にフィレンツェで発行された『
フロンテスピーツィオ』『カンポ・ディ・マルテ』などの雑

 Stéphane Mallarmé

Paul Valéry.     Paul Ambroise Valéry

誌に拠って多くの詩人たちが登場。とくに詩集『時間の感覚
』(1933)でこの詩法を確立したウンガレッティや、クアジ
ーモド、シニズガッリ、ルーツィが代表的詩人である。また、
批評家ボーはこの詩派の理論的支柱となった。しかし第二次
世界大戦後、ファシズムや戦争に対する消極的な姿勢が過酷
な抵抗運動を担った詩人や作家たちの厳しい批判を浴びる中、

 イラリア・デル・カッレットの墓碑

クアジーモドだけは叙情詩とも抵抗詩とも名づけがたい詩集
『来る日も来る日も』(1947)、『人生は夢でない』(1949)
などを書き続けとされる。59年にノーベル文学賞を受賞。詩
人の社会的責務を論じた評論集『詩人と政治家』(1960)な
どで新たな詩法の展開をみせかけていた68年6月14日、旅行先
のナポリで急逝した(『Yahoo!百科事典』)。


  淡い月影の下に今や君の丘が見える
  セルキオ川に沿って娘たちが
  赤い服や青い服を着て軽やかに動いている
  君の甘美な時代にもこのようだったろう 愛する人よ
  そしてシリウスは色を失ない時々刻々遠ざかってゆく
  そしてカモメは見捨てられた浜辺の上で暴れ回っている
  恋人たちは9月の空気のなかを楽しげに行く
  彼らの身振りには君の知っている言葉の影がともなう
  彼らは憐れみなどもっていない
  そして土地につかまえられて君は何を嘆くのか
  君はここにただ一人とどまっている
  わたしの身震いはたぶん君のと同じだ
  怒りと恐怖による身震いなのだ
  死んだ者たちは遠い そして生きている者たちはさらに遠い
  臆病で寡黙なわたしの仲間たち


           訳/佐藤三夫 
           『イラリア・デル・カッレットの像の前で』
                 (Davanti al simulacro d'Ilaria del Carretto)




タオルミーナ Taormina ギリシャ劇場 Teatro Greco

さて、早朝からタオルミーナでギリシャ劇場(Teatro Greco
へ。エトナ山が綺麗いに見える上天気。夏の晩に、時々コン
サートや演劇やオペラ等が夜9時半から上演。劇場からの夜
景が綺麗という。ここからは、エトナ山とは反対方向のメッ
シーナまでの海岸線が見える。空気が澄んでいる日には、メ
ッシーナ海峡とカラーブリア半島もはっきりと肉眼で見るこ
とが出来るというが今回は断念だが、続いてコルヴァイア宮、
オデオン、ウンベルト通り、4月9日広場、大聖堂と噴水、
サント・ステファノ宮、バディア・ベッキア、市民公園の観
光を経てメッシーナへと向かった。



タオルミーナ Taormina ギリシャ劇場 Sicilia Club より

メッシーナからビラサンジョバンニへカーフェリーで渡り、
ツァーは昼食をとる。料理はミネストローネとカラマリ
いかリングのフライ)。


 サン・ニコロ教会

ところで、タオルミーナ近郊の小さな田舎、フォルツァ、サ
ボッカ、フィューメフレッド、モッタカマトラは映画『ゴッ
ドファーザ』のロケがされた場所。マフィアの抗争を通して
紐帯の有り様を画像として強烈な印象を残した。映画での村
の名前は「コルレオーネ」というこだが実はパレルモ、タオ
ルミーナがロケ地だったという話(『シチリア情報サイト
 
Sicilia Club 』)。


The Godfather Soundtrack 映画 『 The Godfather 』 Godfather-Sicilian Song


 

カラー(Calla liliy)は南アフリカ原産。サトイモ科の多年生草
木。カラーはギリシャ語のカロス(美)が語源で、古い学名。
カラーは、江戸時代末期にオランダ船が日本にもたらしたた
め、「オランダかいう」と名付けられたとされ、水
ズバショ
ウに似た大きな白い花を咲かせる。花は黄色で密に集まって
穂となり、白色の漏斗状の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれ
る。南アフリカ原産の「カラー」。花言葉は「華麗」「熱情」。



【今日の出来事】

1つは家庭内の電化製品に電源コードなしで電力を供給する
ワイヤレス電力供給を実現するため、総務省は必要な電波の
周波数帯割り当てなどの検討(ほかの家電製品や人体への影
響を調査した上で15年の実用化を目指す)に入ったという。

 intel CTO; No more power code

これで、充電器での面倒な充電,電池の交換,家電機器の電
源コードが不要になる日が現実となる可能性が出てきた。


2つめは北朝鮮の二回目の地下核実験。金一族専制政治体制
の瓦解序章か?


約1ヶ月ぶりのジムを再開。筋力体力とも大幅ダウン。疲れ
模様。
          
                                    

コメント
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