いつの世も一寸先は夾竹桃 きみの豹変右から左へ
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夾竹桃(Nerium indicum)とはインド原産のキョウチク
トウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高
木である夾竹桃は葉がタケに似ていること、花がモモ
に似ていることからこの名がついた。ピンク、黄色、
白など多数の園芸品種があり、八重咲き種もある。有
毒な防御物質を持つため食害する昆虫は少ない。乾燥
や大気汚染に強いため街路樹などに利用される。神奈
川県川崎市では、長年の公害で他の樹木が衰えたり枯
死したりする中で耐えて生育したため、現在に至るま
で同市の緑化樹として広く植栽され、高速道路沿いに
もよく見られる。
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日本へはインドより中国を経て江戸時代中期に伝来し
たという。毒性が強く、取り扱いに十分注意が必要で
あり、中毒症状としては摂取した1時間後辺りに疝痛(
せんつう)、下痢、頻脈、運動失調、食欲不振など生
じ、致死量は乾燥葉で50mg/kg(牛、経口)という報告
がある。ヒトの場合、致死量は0.30mg/kgで青酸カリを
も上回り植物毒の中では非常に強力な部類に入る猛毒
である。花、葉、枝、根、果実すべての部分に毒性が
ある。燃した煙も毒。ただし腐葉土になれば毒性は無
くなる。
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良薬は苦し、いや薬は毒との違いは用法の違いと。因
みに、ジャガイモを「アップライモ・アンプライモ」
と言う地域があり、オランダ語「aard・appelアルト・ア
ップフェル(畑のりんご=ジャガイモ)」によると。
外国語が方言になったニドイモ程度の差異なのかそう
でないのか不思議なものだと思いつつ、不意打ちを喰
らっても平常心を保つ訓練をとわかった様な分からぬ
ような歌を書く。インド原産の「キョウチクトウ」。
花言葉は「油断禁物」。
験なき物を思はずは 一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし
大伴旅人
【農産物の貿易問題】
回りは田圃だらけだで、新米を母親の知り合いから定
期的に購入し、魚肉類や野菜類はスーパーマーケット
で家内が買ってくるし、自給しているものひとつもな
い。それと同じくらい、農産物の自由化を推し進める
と国レベルもゼロとはいかないがそれに近くなること
は誰もが知っている。米作で見ると米国と比べると、
6~7倍高く品質も遜色ないという。完全自由化なら
関税を数%程度まで引き下げられる。
現実論からいうと安全保障側から(1)危機分散のた
めの自給率を例えば、日本の消費量の3年分に相当す
る備蓄弾性値を決めさ農地面積を決定し、国が原則買
い上げ(米価調整)とするが、これは見方を変えれば
現行の減反政策延長になり、国が各自治体に公募する
ようなシステムとなる。(2)次に、それ以外の地区
は完全自由化として保護対象外とする。(3)また、
輸入国は複数国とし貿易業務と作況弾性課税値を合わ
せた関税を徴収する。
※「ミニマム・アクセス」「食糧管理制度」
次に、自由化に伴う移行措置の法整備として、(4)
減反による米作農家に対する時限保障(=業種転換就
労支援)法を策定し、(5)関税の段階的引き下げを
行う。同様に酪農等の品目に拡大していく。この時、
米のような備蓄量を設定するかは個別対処を原則とす
る。当然、国内の生産者の激しい反発が予測されるが
これらは「安全保障」「自由化による利益」について
充分に説明する。自然環境破壊から住民による反発も
予測されるので事前影響調査(アセスメント)を実施
し説明を充全に行う。
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新しい外交政策(『サルビアと新しい外交政策』)と
同様、新しい安全保障政策は「環境リスク本位制」と
「高度消費社会」の2軸で考えていかなければとすれ
ば、米の自由化政策は(1)「消費者」の動向に重点
を置きながら、(2)「生産者」への政治的調整を行
いつつ、(3)地球環境及び地域環境へのリスク回避
を最重点として「国家を開く」政策行動が要となる。
その意味で、FATを巡っての民主党内部の意見相違
はそんな観点で調整するしかないと思えるが、全世界
的な天候不順が気になる。
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「日本を今一度、洗濯いたしたく申し候」の坂本龍馬
はギリシャ語では‘ゴラコーン・ピッポス’か ^^;。
まぁ、それは置いておいて、そろそろ、政界の大掃除
をしないと日本がポンコツ化していまいそうだという
危機感を若者達と共有できそうな気分がする。そんな
ことで、次は、「物流・情報・通信」の安全保障につ
いて考えてみたい。
“Yes we can change, you can change ! ”
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さて、『布袋葵とギリシャ神話』の続き。シュメール
文明は、ウバイド文化と呼ばれる先行文化があり、紀
元前6200年頃、小氷期にあり寒冷化が世界で起きてい
たとされる。バルカン半島や東地中海は旱魃に見舞わ
れ、ボルガ川のサマッラ文化の新石器文化の担い手は、
暖かい土地を求め、紀元前5850年ごろ、メソポタミア
一帯に南下した。小氷期は紀元前5800年に終わり、ヒ
プシサーマル/クライマティック・オプティマムと呼
ばれる長い温暖の時期が続く。
現在のトルコ共和国、アンカラを中心に北はロシア・
アルメニア西にイランを含む地域のアナトリア地方は
旧約聖書の中でノアの箱舟が漂着した山とされるアラ
ラト山からの雪解けの水がワン湖に注ぎティグリス(
ディジュレ川)とユーフラテス(フラット川)の源流
となる。中央アジア・東アジアなどからの原モンゴル
人やセム系諸民族から成る原ユーフラテス人と呼ばれ
るシュメール人以前の人々が住みメソポタミア文明に
先行する文明が在ったと推定される。この地はアジア
とヨーロッパをむすぶ陸橋であり古代文明の十字路で
もあり、古代史の中で人類が最初に金属と出会った金
属精錬の発祥の地だとされる。
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エジプト文明やインダス文明は、肥沃な土壌を運んで
くる川を自然に氾濫させ、水が引いた場所に作物を植
えていた。川が恒常的に氾濫するような場所だと、塩
分が完全に洗脱されるので、塩害は起きない。シュメ
ール人は、雨季が始まる12月に種を蒔き、5月ごろに収
穫し、収穫の時期と洪水の時期と重なる。チグリス・
ユーフラテス川は天井川で、堤防は決壊するので、縦
横に灌漑用水路を引き、流れを分散させ、洪水対策を
兼ねた収穫増産を行った。このため塩害により小麦収
穫減収でシュメール文明自体は滅びたが、メポタミア
文明、地中海文明、西欧文明に受け継がれて世界に普
及したという。
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そろそろ容量限界。遺跡、考古学等を通して、古代日
本との連関性に様々な浪漫を抱き、賽の河原のごとく
仮説を立てては崩してきた。次回はいよいよ結末を向
かえることになる。
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