水を切り泳ぎ進むも 変わらずは吾の贅肉 トリトマに誓う
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田母神氏「核廃絶が即、平和につながるわけではない」
広島原爆の日に、日本会議広島が主催する「『ヒロシマ
の平和』を疑う」と題してた田母神俊雄前航空幕僚長の
核武装論の講演会が開催されたというが、この種の論争
は決着はついている。産業革命以降の国家間戦争の最大
の特徴は「国家総力殲滅戦争」であり、当事国国民の総
消耗戦であり、その総生産力の象徴が核兵器であり、核
熱戦争の不可能性であった。簡単にいうと「核はもはや
軍事手段として使えない」と言う了解である。「核使用
前の緊張は最高権力者の内部崩壊を強いる」ということ。
今後、使用される希な例として想定できるのは、テロ組
織による行使ぐらいである。
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「少し愛して、なが~く愛して」のCMの大原麗子は、
僕らのアイドルだった。そして、彼女の孤独死は時代の
象徴でもある。話しは飛躍するが、義理の兄が炬燵内で
顔を伏せるように息を引き取り、10日程してから発見
された。この時、突然死乃至は突然死に近い近親者の現
場の目撃経験のないひと(高齢者はなおさら)は目撃し
ない方が良い。酷いケースではその時の心的衝撃で鬱状
態に陥り自殺に至ることが考えられるので老婆心まで。
大原麗子、享年62歳。合掌。
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麻薬
酒井法子、押尾学と芸能有名人が、麻薬及び向精神薬取
締法違反で相次ぎ事件化している。直感的にこれは『デ
ジタルな時代のサプリメント症候群』という言葉が頭に
浮かんだ。要するに、ベトナム戦争のLSDや新自由主
義時代の抗鬱剤などと個人が簡単にサプリメント(「ダ
イエットサプリメント」から「インナートリップサプリ
メント=麻薬・向精神薬」の広範囲)を服用できる時代
の誤用問題として研究されるべき課題であるとともに、
この過剰な商品社会での「自堕落」(不修多羅)の意味
が反問されている。
MDMA
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「仕事と日々」
さて、『ギリシアの古代の神話は非歴史的にキリスト教
の進歩主義・歴史主義を乗り越える契機として存在して
ある』に収斂する歴史哲学を問うのがこのブログのもう
1つの目的であるが、ここは「ギリシャ神話の影響」を
考えてみたい。
ギリシアの劇場の遺構 エピダウロス
日本への影響は、アポロドーロスの『ギリシャ神話』の
まえがきで訳者の高津春繁が記しているように、オウィ
ディウスの『変身物語』から取られた話が主に紹介され
て来た。神話比較の図表化したものとして『おりえんと
ひすとり』を参考にさせてもらったが、ユングいうの集
合的無意識という点で「唯DNA主義」ならぬ人類の共
通の無意識の顕れる或いは神の造形ははあらゆる民族に
共通する「欲求」にもとづくという(ジュセフ・キャン
ベル)。
Joseph Campbell
ギリシャ神話は、「世界の起源」「神々の物語」「英雄
たちの物語」の3部構成で、ギリシア暗黒時代にホメー
ロスの頃に出現する英雄崇拝は、ギリシア神話では、ヘ
ーシオドスが語る五つの時代の最後の時代、現在である
「鉄の時代」の前に、「英雄の時代」があったとされる。
神学者ジョセフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』で
英雄とは「生誕の再現」を繰り返す人間であり、その生
命の啓示がカトドス(上り道)とアノドス(下り道)の交差
の上に幾度となく成立するような人間のことであり、「
自力で達成される服従(自己克服)を完成した人間」のこ
ととする。
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Pandora
ここで崇拝される英雄は「力に満ちる死者」で、その儀
礼は、親族の死者への儀礼と、神々への儀礼の中間程度
に位置した。祀られる英雄ごとで様々な解釈があり、祭
儀のヘーロース(英雄)は、都市共同体や個人を病や危
機から救済し恩恵をほどこしたた理解され、崇拝の対象
が叙事詩に登場する英雄に比定され、ときが経てへーロ
ースの範型に該当すると判断された人物、神への祭祀を
創始した者や、都市の創立者などには、信託に基づいて
英雄たる栄誉が授与され「英雄」と見なされたという。
ニュンペー
ところで、金の時代と銀の時代に続く青銅の時代、これ
に続く英雄(半神)の時代と鉄の時代は、人間の技術的
な進歩の過程を跡づける分類であり、歴史的な経験知識
に基づく時代画期と考えられているが、金・銀の時代が
架空だとしても、「青銅-英雄(半神)-鉄」の歴史順
序の形成がいかになされたのかという疑問が生じたとこ
ろで今日はこの辺で。
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トリトマ(Tritoma)の和名はシャグマユリ(赤熊百合)。漢
字で赭(赤)熊百合と書く。名前の由来は、花の形が、
赤く染めたヤクの尾の毛に似ているので、その名がつい
たという。別名は松明に似ているのでタイマツユリ(松
明百合)。英名は「Torch lily (トーチ リリー)」と呼ばれ
ており、長く伸びた花茎に咲く細長い筒状の花を、松明
が燃えているように見立てた。 和名が赤熊百合の「トリ
トマ」。花言葉は「恋慕」。
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