極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギー・ハーベスティング

2010年08月03日 | 日々草々



匂い立つ 百合の畑に 踏み入れて 露と光し シトロネラかな 





【環境発電:わずかな電力を取り出す技術】


Thursday, June 17, 2010/Source: iRAP, Inc. 
global MARKET for ultra-low power energy
harvesting devices by technology, through 2014


WBB最新情報

エネルギー・ハーベスティングとは、従
来は捨てられていたエネルギー(未利用
のエネルギー)を電力に変える技術であ
る。技術そのものは数10年前から存在す
る。最近になり注目を浴びるのは、地球
温暖化問題への関心の高まりが大きな理
由だ。地球温暖化ガスを発生しない、再
生可能なエネルギー源を電力源に利用し
ようとする試みが世界各地域で盛んであ
る。その代表は太陽光発電風力発電
ろう。太陽光エネルギーと風力エネルギ
ーも従来は捨てられてきたのだから
、広
義にはエネルギー・ハーベスティングと
言えなくもない。ただし現在の「エネル
ギー・ハーベスティング」は、以下のよ
うなエネルギーを電力に変換する技術を
指すことが多い。

・振動(運動エネルギー)
・温度差(熱エネルギー)
・室内照明(光エネルギー)

環境発電と換言できるエネルギー・ハー
ベスティングの2014、2020年の市場規模
予測は約千億円超、約三千八百億円と予
測されているがどの程度の二酸化炭素排
出量の削減、エネルギー削減量の推定数
値は示されていないのは問題であろう。

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ユビキタスネット向け電源技術

エネルギー変換技術の大分類

 ・開放系-熱機関/燃料電池/常温核融
    合/その他
 ・閉鎖系-環境発電
 ・独立系-一次電池/原子力電池/その他

環境発電(エネルギー・ハーベスティング)技術

 ・環境から得られるエネルギー
 ・環境発電技術の実用化見通し
 ・電磁エネルギー利用
  -太陽電池/レクテナ/電磁誘導/磁場
      共鳴/焦電効果/その他
  -国内外の最新事例

 ・力学的エネルギー利用
  -発電原理(電磁誘導/圧電/静電誘導)
  -発電方法(振動/相対運動/流体)
  -振動発電の理論最大発電量と実績
  -振動発電の出力増大方法
  -国内外の最新事例

 ・熱エネルギー利用
  -熱電発電(ゼーベック効果/ネルン
      スト効果)/熱イオン発電/熱光発
   電/熱音響発電/その他
  -理論効率(カルノー効率、ZT、
   その他)
  -国内外の最新事例

 ・バイオ関連
 ・ハイブリッドシステム
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【振動発電】

振動発電とは振動により振動面に発生す
る圧力を圧電素子を用いて電力に変換す
る発電方法。


電池不要の腕時計(これは簡単か)



オムロンの振動発電(大きさ:縦20mm 横
20mm 高さ8mm×発電性能:10μW(20Hz、
加速度1Gの場合の発電性能、環境振動で
発電可能)無線通信機や加速度センサ
の電力供給に十分な発電性能。





【温度差発電】

 
舟橋良次

全一次エネルギーの70%にも相当する廃
熱の利用が鍵。熱電発電は温度差により
発電するシステム。これを利用して廃熱
から電気を起こすことで回収できる。熱
電材料にはp型とn型の2種類があるが 発
電に、それらを交互に直列接続したモジ
ュールを作るこで実現できる。高温、空
気中で化学反応し酸化し、自動車や工業
炉からの高温廃熱を回収できない。

600℃以上の高温、空気中で最高の変換
効率を示すp型酸化物Ca3Co4O9 (Co-349
を発見(変換効率は10%超)。モジュール
の内部抵抗を低くするために電極材料に
銀を使い、銀と酸化物素子を接合する場
合、一般にはハンダや銀蝋、接着ペース
トが用いるが、高温、空気中で使用可能
なモジュール製造するため、印刷技術で
容易に量産可能な低抵抗銀ペーストを用
いて電極形成することに成功。



海洋温度差発電OTEC; Ocean Thermal
Energy Conversion
)は、安定性と負荷変動
への対応性の点で非常に優れた特徴を持
っていることから、石油代替エネルギー
源の中心的な役割を担う技術としてその
実用化に期待がかかる
。1881年にフラン
スの物理学者ダルソンバール(J. D'Arsonval
が考案したのが最初。



その後、佐賀大学の上原教授の研究グル
ープがウエハラサイクルの開発で実用化
の弾みがつく。作動流体に純物質を用い
る従来のランキンサイクルに対し、ウエ
ハラサイクルではアンモニアと水の混合
媒体を用い、相変化(蒸発および凝縮)
中に温度変化を伴い、サイクルで得られ
る仕事量が増加し熱効率が向上する。



OTECは、エネルギー需要が増大しつつ
ある熱帯・亜熱帯地域の開発途上国に最
適のエネルギーシステム。中でも太平洋
に浮かぶパラオ共和国では、3MW級の発
電プラントの建設を皮切りに、今後10年
間で国内の発電をディーゼルからOTEC
全面的に切り替える計画が進行中である。

日本国内においては、佐賀大学海洋エネ
ルギー研究センターが伊万里に新設され
た。同施設には、30kWのウエハラサイク
ル海洋温度差発電実験装置を中心に、海
水淡水化実験装置、水素製造・貯蔵実験
装置、リチウム回収実験装置、海洋深層
水環境模擬実験装置などの実験装置が置
かれ、より高性能な発電技術と複合利用
技術の確立を目指すという。







【白金を用いない燃料電池】

 Frank W.R. Chaplen

H2(水素)を燃料とする固体高分子形燃
料電池(PEFC )は、低い温度で動作し、
小型化しやすいため、携帯型機器や車載
用電源として用途が広がりつつあるが、
 100 ℃以下の低温で動作させるために、
燃料となる水素と酸化剤となるO2(酸素
)の反応速度を高めるために、活性化エ
ネルギを下げる触媒の開発が重要となり、
燃料極側に Pt(白金)とRu(ルテニウム
)、空気極側に Pt に代替する触媒が続々
と開発
されているが、

 OSU engineers turn waste into energy

「ナノテクコーティングによって、微生
物燃料電池の発電効率を20倍に高めるこ
とができる」。米国の大学Oregon State
University
の研究
チームは、こうした研究
成果を発表した。この研究によって、微
生物燃料電池は商用化に一歩近づく。
 
微生物燃料電池は、バクテリアを使って
排水を分解すると同時に電気を作り出す。
再生可能エネルギーの生成と浄水の提供
の両方を実現する技術だ。同大学の研究
チームは「この技術が完成すれば、浄水
装置を稼働するのに十分な電気を排水か
ら生成して、下水処理場を自家発電で運
用できるようになる」と主張する。同研
究チームは、標準的なグラファイト燃料
極(アノード)をナノスケールのAu(金

でコーティング
すると、標準的なPd(パ
ラジウム)コーティングよりも高い発電
効率が得られることを発見した。ただし、
この手法には、コストが高いという課題
が残る。そこで、同研究チームは現在、
鉄などの安価な材料を利用して、金を使
った場合と同程度の燃料電池の発電効率
が得られる、より低価格なナノコーティ
ング技術の開発に取り組んでいる。同チ
ームは、水素燃料電池にナノコーティン
グを適用した場合でも、発電効率を高め
られるかどうかについての検証も行って
いるという。

駆け足で風力・太陽光等を除いた環境発
電の温度差と振動方式を俯瞰してきた。
そして、
その製造技術の中核として「ネ
オコンバーテック」が確かなものとして
支えていくだろうという道筋がハッキリ
してきたようだ。

 

コメント
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