守る気のない短冊の 文字融け 蝉鳴き満ちる 縁側の麦酒
【日常の仕分け】
この猛暑、ビールが美味いが年頭の誓
いの週二回の休肝日は守れないので週
一の「家訓→努力目標」に変更。その
代わり筋力アップを格上げし、毎日一
回励行することに。
ひぐらしは 時と鳴けども 恋しくに たわやめ我は 定まらず泣く
万葉集/作者未詳
さて、円高株安の中、好材料もありそ
うだ。「日本半導体36社売上高10年度
は6%増の5.7兆円」(半導体産業新聞)
がそれだ。「09年度に増収を果たした
のは、36社のうち5社のみ。なかでも、
価格が安定したDRAMを凌ぐ、傑出した
伸びを記録したのが豊田合成だ」「同
社のほか、10年度はLED、パワーデバイ
スメーカーが高成長を遂げそうだ。LED
ではバックライトや照明で活躍が期待
されるスタンレー電気、パワーデバイ
スでは国内最大の41%増を見込む三菱
電機を筆頭にサンケン電気、富士電機
システムズ、日立製作所(マイクロデ
バイスの売り上げも含む)などが軒並
み20%以上の増収を計画し、業界を牽
引」がそれだ。
図 三菱電機に見る株価変動(2002/12-2010/08)
三菱電機のチャートをみるとその背景
に、牽引力=「半導体+薄膜表示器」
→「パワーデバイス+LED」の流れが
あり、米国発金融危機や‘陰の金融シ
ステム’などの過剰流動の影響を相殺
して残るものが実体に漸近するものだ
ろう。だとすると、金融不安からくる
不況感を払拭する国際協調強化が求め
られている。asperity
【現代の狼少年:見える化】
眠れぬ夜に録画していたものを見ると、
「巨大地震特集」があったのに気付き
みることに。このタイトル、日本地震
学会の発表や各種教科書・論文でもし
ばしば使われる表現である。巨大地震
は、マグニチュード (M) が8以上のも
のをさし、厳格に定義づけられてはい
ないし、マグニチュード9前後のもの
を超巨大地震と呼ぶこともあるという
が、マグニチュード 12.0 なら地球が
断裂破壊するというがいずれにしろ想
像を超えている。因みに、マグニチュ
ード11.5 は 11 ×1021 (Z) J のエネルギで
地球が太陽から受ける総エネルギの1
日分だから2度驚きだ。
日本での頻度の目安は以下の通り。規
模の小さなものは、1小さくなる毎に
10倍になると考えればよいとされる。
近代都市の脆弱性が露わになった阪神・
淡路大震災、その多大なる犠牲を胸に、
地震と闘う科学者たちの挑戦は新たな
ステージに入っている。ある地震学者
はKOBE以降の新たなフェイズをこう
表現する。
人体に例えて言えば、阪神大震災
前、私たちはX線レントゲンだけ
で地震を診断していた。科学は進
歩し、CTスキャン、さらにMRI
の時代に突入し、地球の内部で起
きていることを精緻に観察できる
ようになった。同時に、地球のダ
イナミズムの奥深さと向き合うこ
ととなった。
松澤 暢
- M8.8以上 : 日本での発生は未確認
- M8.0~8.7 : 10年に1回程度
- M7.0~7.9 : 1年に1~2回程度
- M6.0~6.9 : 1年に10数回程度
地震の予知力は1995年のKOBE以降飛
躍する。東北大学大学院理学研究科地
震・噴火予知研究観測センターの松澤
暢らの尽力があった。「プレート境界
型地震」というのは、二つのプレート
の境界が断層面としてすべることで生
じる地震。そのすべり方には、非常に
単純な場合と複雑な場合があるようだ
ということが地震波の解析からわかる
のは金森博雄(現カリフォルニア工科
大)の1980年頃の「アスペリティ・モ
デル」と呼ばれる仮説がトリガーとな
ったいう。「アスペリティ(asperity)」
は、本来は物体表面の凹凸や出っ張り
を意味する英語。二つの物体の表面を
くっつけたとき、実際に接触している
のはそれぞれの面の凸の部分だけであ
り,凹の部分は接触しない。摩擦実験
の分野では、この実際に接触している
凸の部分(出っ張りの部分)をアスペ
リティと呼ぶ。
金森博雄
鷺谷威
地震の真実を追究する科学者(クエイ
クハンター)たちが明らかにする地球
の“地下の真実”、巨大地震の過去と
未来の姿、KOBEで多くの命が奪わ
れた15秒の真実、巨大都市を待ち受
ける未知なる揺れ、激しい揺れで破壊
された都市を襲う巨大津波。最新のC
G・特撮技術を駆使してリアルに描れ
た映像を見ながら「これぞ!見える化、
計測化」と感心しながらみている。
拡大の一途をたどる世界の都市に破滅
的な被害をもたらす巨大地震=メガク
エイク。最新科学は、そのリスクの詳
細を次々と解き明かしている。日本を
代表する物理学者の寺田寅彦が「天災
は忘れたころにやってくる」「文明が
進めば進むほど、災害は激烈さを増す」
と警句を発したのは百年前。
予知科学は急速に進歩してきたが、そ
の被害規模の大きさを考えるとき、そ
の予算規模は積極的であっても良いし、
NEOとともども国際的な協調が必要だ。
その上で、災害が発生したした場合を
想定した活動対策との同期化が必要に
なる。
1 自助・共助の重要性
2 住宅施設の耐震診断と耐震・免震・
制震・制振補強
3 ノーマルシー・バイアス(過信・
無関心・諦観)対策
4 個人情報と安全保障の両立
という4つの観点からの「地震防災環
境システム論」の構築と法整備と関連
活動と事業化を改めて考えることが必
要だ(体系的な研究をする必要がある)。
もっとも、深夜に強烈極まりない映像
を大画面で見たからには興奮度はいや
おうなしに高まり、これをソフトラン
ディングさせるため紹興酒・日本酒をひ
っかけることとなった。
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※「地域防災力向上のための手法」
※「事前防災活動とは」