久々の 夏季講習に のめり込み エラの受難 解く道 吾は問う
Michael J. Sandel
【クリントンの弁明の意味】
これは驚くべきことだろうと。「元ク
リントン大統領のモニカ・ルインスキ
ーとの不倫疑惑」を例題に「嘘の教訓」
として「カントの義務論」に惹きつけ
て「あからさまな嘘」と「充分に配慮
した弁明の嘘」との差異とは何かとマ
イケル・サンデル(Michael Sandel)ハ
ーバード大学教授は聴講学生に問うシ
ーンだ。そして、それを見ているわた
しにさらにサポートしてくれる「講義
ノート」もネット上で読むこともでき
る。40年前なら考えられなかったこと
だ。そして、それを可能にしたのは、
『デジタル革命』なのだ。
Monica Lewinsky
1984 Apple's Macintosh Commercial
勿論、世界の若き英才たちの堂々たる
ディベート能力、知的探求心、柔軟な
思考など、世界最高レベルの知性が画
面で弾け合い、強烈な知的刺激を与え
る。宗教、人種、貧富など複雑に入り
組んだ米国社会の構図を読み解く糸口
でもあり、米国の底力を垣間見ること
もできる。
ところで、マイケル・サンデルは政治
哲学者。アメリカのコミュニタリアン。
ハーヴァード大学教授。コミュニタリ
アニズム(共同体主義)の代表的論者。
道徳や正義を強調する点に特徴がある
とされる(『クリティカル・ポイント
とアポカリュプス』)。
かれらの批判と目指す目的・目標とは
なにか? 自由主義への批判は、個人
の性別、人種、家族等々の属性は、偶
然的で切り離すことが可能なものと考
え、個人はこうした属性なしに人格あ
るいはアイデンティティを形成するこ
とができると考え「負荷なき自我」(
unencumbered self )と批判するという。
自由主義者は個人を共同体からあまり
に切り離して考えすぎだという。これ
については、また日を改めて、少しだ
け体系的にその意義を考えてみよう。
Fig. 1 Interannual variations from 2000 through
2009 in anomalies of annual total global terrestrial
NPP (green circles) and inverted global atmospheric
CO2 annual growth rate [red squares and (14)].
Global average annual total NPP is 53.5 Pg C/yr.
【悩ましいデータの提出】
素(CO2)の量が、減少に転じた可能
性のあることが、米モンタナ大の分析
で分かった。温暖化による気候変動が
植物の成長に影響しているとみられる。
20日付の米科学誌サイエンスに掲載
される。植物は、温暖化の原因となる
CO2の重要な吸収源。07年に公表され
た国連の「気候変動に関する政府間パ
ネル(IPCC)」第4次報告書では、今
世紀半ばごろまでは陸上のCO2吸収量
が増え続けると予測しているが、減少
傾向が事実なら、対策の大幅な前倒し
が必要になる可能性がある。研究チー
ムは、米航空宇宙局(NASA)の衛星
による過去10年間のデータを分析。陸
の植物が光合成で吸収したCO2から、
呼吸で放出した分を差し引き、CO2の
蓄積量を推計した。その結果、00~09
年は年間蓄積量の平均が535億トン(
炭素換算)と推定された。この10年間
は蓄積量が減少傾向にあり、減少幅は
5億5千万トン。CO2に換算すると20
億2千万トンで、日本の年間排出量の
1.6倍に当たる。別の研究では、82~99
年の蓄積量は増加傾向だった。この10
年間は、気温測定が始まった1880年代
以来、最も気温が高い10年間とされる。
Fig. 2. Spatial pattern of terrestrial NPP linear
trends from 2000 through 2009 (SOM text S1)
(8, 10).
Fig. 3. Interannual variations in total NPP (solid
lines) and growing-season average PDSI (dotted
lines) over the NH (green) and SH (red) (SOM
text S1 and S4).
Fig. 4. SVP of the air as a function of T and
derivative (A). MRI of plants as a function of
T and derivative (B). Twelve-month average
air temperature and derivatives of SVP and
MRI with respect to T for both the NH and
SH are also shown (table S6). For MRI, there
are two equations, one with Q10 (the difference
in respiration rates over a 10°C interval) as a
constant value of 2.0, and the other with a
temperature-acclimated Q10. Annual mean air
temperature is 9.51°C for vegetated NH and
21.56°C for vegetated SH (table S6). See
SOM text S10 for details of the equations.
【破滅の告知?】
モンタナ大学の環境システム保護科学
科の陸地部の電算推測チームの解析手
法「User’s Guide GPP and NPP (MOD17A
2/A3) Products NASA MODIS Land Algor-
ithm」の詳細な考察は時間の都合で省く
として、簡単にいってしまえば、「温
暖化が原因で干魃などの影響で植物の
光合成能力が低下し、二酸化炭素が増
加した」ということになる(やはり、
1998年の夏の異変の気付きは正鵠か)。
とすると、第一優先は国際的な気象変
動による様々な緊急対応と二酸化炭素
排出量削減などの恒常的対応というこ
とになる。ことは急を告げている。