【オスプレイはなぜ未亡人を増やすのか】
オスプレイはヘリコプターのようなローターを上へ向けて、ヘリコプターのように飛んだり、前へ向けて、飛行機
のように飛んだりするが、この時の操縦の難しいという。だから墜落しやすいというのでは、基本設計に問題があ
るかパイロットの養成プログラムに問題があると素人眼には映る。琉球新報(2012.2.11)は「オスプレイ事故 10
万時間当たり3.99件 海兵隊平均上回る」と報じているが、事故発生率からその危険性を指摘している。仮に発生
率が低くくても、他の航空機と比較して墜落条件に遭遇した場合の発生率が高ければ問題だろう。つまり、飛行時
間かや飛行距離ら割り出す発生率と別に考える必要があると思える。
今年夏以降、米軍普天間飛行場に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの事故率に関して、1999~
2011米会計年度の平均事故件数は開発段階も含め、10万飛行時間当たり3.99件であることが分かった。14年に
オスプレイが配備される予定の米ハワイ・カネオヘベイ基地での環境影響評価(アセスメント)準備書に示さ
れている。開発段階が含まれているか不明だが、米海兵隊総司令部は昨年6月、海兵隊全体の平均事故件数を
2.46件としており、単純に比較すると、オスプレイが上回る。防衛省は昨年、オスプレイについて開発段階も
含めた事故率の公表を県が求めたことに対し「開発段階の事故率の比較は、むしろ誤解を招き、安全性への有
意な情報が得られるものではない」と提示を拒否。普天間飛行場を辺野古に移設するアセスメントの評価書で
も事故率を示さなかった。
一方、北沢俊美防衛相(当時)は昨年6月、オスプレイの平均事故件数を1.28件と説明していた。カネオヘベ
イ基地のアセス準備書で示された平均事故件数は、死亡者や200万ドル超の損害を出した航空機事故(Aクラ
ス)の件数を比較。飛行時間や事故件数のデータは、海軍安全センターのまとめとしている。オスプレイ以外
についても1964年度以降、2010年度までの平均事故件数を掲載。CH46中型輸送ヘリ5.74件、CH53E大型輸
送ヘリ2.40件、CH53D大型輸送ヘリ7.76件、AV8Bハリアー攻撃機10.29件となっている。オスプレイのデ
ータがある、99~10年度(オスプレイは11年度含む)を比較すると、CH46が1.50件、CH53Eが1.81件、C
H53Dが4.15件、AV8Bが7.92件で、5機種のうちオスプレイが3番目に高い値となる。米国内のテクノロ
ジー専門サイトで昨年10月、オスプレイの事故率算出で米軍が06年3月の事故を対象から除外したとの報道も
あり、この1件を含めればオスプレイの事故率はさらに上がる。
【ハブボルテックスフリー】
ナカシマプロペラが開発に携わった省エネ型の扇風機水の技術で省エネ扇風機が話題となっている。メーカは、ナ
カシマプロペラで、カモメの翼やブーメランを思わせる7枚の羽根をしているという。新型扇風機に使われる羽根
は、船舶用プロペラで世界トップシェアを誇る同社(岡山市東区上道北方)のノウハウが生み出した。船の推進効
率を高めるため流体力学に基づいて培ってきた技術を空気に応用し、十分な風をより遠くに届け、消費電力は一般
的な扇風機の10分の1程度と驚異的な節電効率を実現。
扇風機は、モータやエンジン等の駆動手段で回転させ、回転軸線に沿ったプロペラファンや羽根車が使われている。
図1、図2のような構造をとる。扇風機のモータに接続される円筒形のハブと、半径方向に延出する複数のうちわ
状ブレードから基本的に構成され、各ブレードが回転面を回転した際に、ブレード描く軌跡面に対し、回転方向前
側から後側に向かうにつれて、吸込面から送出面)へ傾けて(この角度のことをピッチ角θと云う)配設する。各ブレ
ードに風(相対風)が当たり、吸込面では圧力が下がり、その反対側の送出面では圧力がなくなり圧力差が生ずると、
ブレードの回りに空気の循環流が生じると共に、吸込面側に押され(推力)、その反作用で送出面側から空気が回
転軸線に沿って送出される。扇風機のモータは、低い回転数であっても空気の送出量を稼ぐため、各ブレードの表
面積が大きくなるよううちわ状に形成されると共に、回転体を支える支持台等をある程度重くすることで、回転体
にかかる推力を打ち消している。
このとき、プロペラは後流が旋回流となることは免れず、この旋回流は推進力にならず、無駄に捨てられているエ
ネルギーだ。下図は運動量理論によるプロペラの理想効率に対して、実際に使用されるプロペラとの間のエネルギ
ー損失を示している。これによれば、旋回流の損失は実際のプロペラ(荷重度:0.4~4.0で使用)に有効に使われ
るエネルギーの(①-②)/ ④ = 10~12%となっており、このエネルギーを有効に回収できれば確実な省エネ効果
が期待できる。
図3
流体流若しくは推力を発生させるプロペラにおいて、翼根からR(翼根がR=0、翼端がR=T(翼の全長))の
翼スパン長におけるピッチHRの、翼根から0.5Tの翼スパン長におけるピッチH0.5T に対するピッチの変化率〔(
HR -H0.5T)/H0.5T〕を翼スパン長0.1Tにおいて、-0.5≦〔(H0.1T-H0.5T)/H0.5T〕≦-0.1の範囲に設
定するとともに、翼根からRの翼スパン長におけるキャンバーFR を当該翼スパン長の翼幅IR で除したキャンバ
ー比(FR /IR )の、翼スパン長0.5T~0.1Tにかけての変化量(F0.1T/I0.1T-F0.5T/I0.5T)を、-0.05
≦(F0.1T/I0.1T-F0.5T/I0.5T)≦-0.001の範囲に設定し、かつ、翼根から0.1Tの翼スパン長におけるキャ
ンバー比(F0.1T/I0.1T)を、-0.02≦(F0.1T/I0.1T)≦0.02の範囲に設定することで、ハブボルテックス(
軸渦流の発生を押えることができる。
この商品の開発技術を俯瞰していて、2の言葉が交差した。1つは「やればできる」と、もう1つは「付加価値労
働とはこういうことだ」と。勿論、そこには精神とデジタル技術の融合があるのだが、流体工学をコア技術として
応用展開した好例でもある。さらに、今回のような原発事故や環境リスク本位制も社会的背景も無視できない。そ
のように考えていくと、やれることは無数にある。現にわたしの頭にはその原図があたかも沸騰するマグマのよう
に存在することを実感している。後はあの映画の『アマデウス』のように展開し設計していく時間だけなのだが。