【お手並み拝見、オランドイズム】
オランド大統領は14日にローマで開かれたイタリアのモンティ首相との共同記者会見で、欧州の経済成長
の加速に向けた措置が必要だという認識で一致したと語ったという。その中で成長は債務削減のために必
要であり、財政規律と矛盾しない、イタリアの努力に対する見返りがないのに、努力を求めることはでき
ない、欧州は救済プログラムで多大な努力を行ったギリシャの経済成長を支援するという義務を果たさな
ければならないと、また、投機安定化のための監視の必要性も述べたと報じた。
それにしてもこの不況は当面打開できない。ノーベル賞を贈るノーベル財団は11日、同賞の賞金額を63年
ぶりに引き下げるほか、授賞式に関連する費用などの分野のコスト削減を検討すると発表した。近年の資
本リターン(投資収益)の低迷からコスト削減圧力を受けているためだというから、2013年までこの不況
は続き、それ以降回復に向かうかは関係国の経済政策の主体次第と言うことになる。ここは、オランド大
統領の政策推進力に注目だ。
翻って、日本といえば甚だ暗しという状況に変わりない。まずやるべきことは増税でなく(1)デフレの
解消(2)不公平の是正(3)行革の3つ。これらは高橋洋一らリフレ派、新ケインズ主義の政策と共通
だ。原理主義的で、過去幾度も局面政策では反目したことがあった故・吉本隆明の「赤字国債をバンバン
発効し不況脱出すべし」との発言もある程だが、ここは援用させてもおう。
※ GDPギャップの定義は、(現実のGDP-潜在GDP)/潜在GDP。その算出には、潜在GDPの推計が必要とな
る。潜在GDPの推計は、生産関数を想定し、 (1) 現実の成長率から資本と労働の寄与以外の部分(ソロー
残差)を算出し、全要素生産性を推計。 (2) 潜在的な資本・労働の寄与に(1)で推計した全要素生産性を
加え潜在GDPを計測する方法で行った。
具体的には、 推計式(コブ・ダグラス型生産関数) Y=A(KS)a(LH)(1-a)
ただし、Y :生産量(実質GDP) KS:稼動資本量(K:資本ストック、S:稼働率) LH:稼動労働量
(L:就業者数、H:労働時間) A :TFP(全要素生産性) a :資本分配率 を想定。両辺をLHで割り、対
数変換した下記の式のaに0.33を代入して1nAを求め、HP(Hodrick‐Prescott)フィルタにより平滑化し
た値を全要素生産性として使用した。 1n(Y/LH)=lnA+aln(KS/LH) なお、資本分配率(0.33)は、
「1-雇用者所得/(固定資本減耗+営業余剰+雇用者所得-家計の営業余剰)」の80年以降の平均値とし
た。
【OSVの離陸】
地下鉄サリン事件の殺人容疑などで逮捕された元オウム真理教信者高橋克也容疑者(54)が「逃走中は3
カ所の個室ビデオ店を使っていた」と供述。横浜市の鶴見、東京都大田区の大森、蒲田の店を挙げており
自分の手配に関するニュースは店のテレビで見ていたという。高橋容疑者はサリン事件と公証役場事務長
監禁致死事件で特別手配され、VXガスを使った殺人・殺人未遂なども加えた計6事件で逮捕状が出ていた。
捜査関係者によると、15日朝、男性から警視庁に「似ている男が2日前に漫画喫茶に入るのを見た」と通
報があり、同庁蒲田署員が同午前9時20分ごろ、JR蒲田駅近くの店の前で確保した。
一連の顛末をテレビ放送でみて、防犯用ビデオカメラ網とその技術の進化に、へぇ~凄いねと感心する。
というのも、自然災害の防災を考察するなかで「現場で起こっている現象に関する情報を、その場所に視
覚的に表示する」という意味の‘On Site Visualization’すなわちOSVという概念と出会ったばかりな
のだ。そして、光の色の変化という世界共通の視覚情報で”どこでも”・”だれでも”・”リアルタイム
で” 監視対象物を効果的にモニタリングするための技術開発を目的とした研究会も設立されている。ある
意味監視される方には大変な脅威となる。高橋容疑者もそのことを素直に認めての遁走劇だったのだが、
デジタル革命の第6則のエクスパンションであり、第4次産業に該当する産業領域だ。つまり、自然災害
の防災予知の可視化、図像(画像処理)化、であるとともに、社会災害の防災予知の可視化、図像(画像
処理)化でもある。後者は、体制・反体制的組織犯罪に悪用されるため法的整備が大前提となるものの「
現場で起こっている現象に関する情報を、その場所に視覚的に表示する、あるいは遠隔的に表示する」産
業領域の成熟化が始まっている。
【INTERMISSION】
花も嵐も 踏み越えて
行くが男の 生きる道
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
月の比叡を 独り行く
優しかの君 ただ独り
発たせまつりし 旅の空
可愛い子供は 女のいのち
何故に寂しい 子守歌
加茂の河原に 秋長(た)けて
肌に夜風が 沁みわたる
男柳が なに泣くものか
風に揺れるは 影ばかり
愛の山河 雲幾重
心ごころを 隔てても
待てば来る来る 愛染かつら
やがて芽をふく 春が来る
西条八十 『旅の夜風』
本調子でないから、できるだけ根を詰めずに作業している昨今だが、できるだけ、休憩時にソファーでごろ寝するよ
うにはしているが、このままこの調子が固定化するのかと思うと憂鬱になる。