恋ひつつも稲葉かき別け家居れば乏しくもあらず秋の夕風
作者不詳/万葉集第十巻
筑波大学でイネの細胞壁を改変し、バイオエタノール材料となるセルロース量増加に成功したことが報じ
られた(2013.11.05)。この成果は(1)植物繊維に含まれるセルロースは、パイオエタノール原料で、
人工的にイネの植物繊維のセルロース含量を高めた。(2)バイオエタノールを生産する上で不利となる
ヘミセルロースの分解酵素(アラビノフラノシダーゼ)の 活性を高めることで、イネの生育に影響を与え
ることなくヘミセルロースを減少させ、同時にセルロースを増加させ、パイオエタノール生産効率の良い
イネを作出した。(3)セルロースか増加したことで、葉が折れにくくなる性質を発見した。(4)1つ
の酵素の発現量を操作し、細胞壁全休に影響が及ぶことを発見し、細胞壁全体の構築に関して重要な示唆
が得られた、と。要約される。
今回の研究明は、セルロースを架橋する多糖ヘミセルロースの1種であるアラビノキシランを分解する酵
素の遺伝子を過剰に発現させることで、細胞壁架橋レベルを調節し、セルロース含量の高い細胞壁をもつ
イネを選抜。その結果、イネが本来もつている酵素であるアラビノフラノシダーゼを過剰発現させた株に
架橋性多糖であるアラビノキシランが約200%減少すると同時に、セルロース合量が約30%増加したこ
とを確認。しかも、アラビノキシランの減少にも関わらず、草丈や稔実率には影響かなく、力学的強度も増
加傾向を示す。これはヘミセルロースの減少がセルロースにより捕われたためと考えているという。また、
葉のような組織で起きている影響を観察し、アラビノキシランを認識する抗体では、特に維管束や表皮で
シグナルが減少するのに対し、セルロースの染色で、葉の中央を縦に通っている太い葉脈周辺の細胞や篩
部の力学的強度に関わる組織でシグナルが上かった。イネでは維管束がパラバラで、姿勢制御強度への影
響か少なく、セルロース含量が高いことが生育にポジテイブに働いたと考えられる。セルロースの増加に
より、物理的強度か上昇する傾向と稲わらの糖化効率の上昇する。生育に影響が及ぶことなく、セルロー
ス増加による糖化効率の良いイネの作出に成功した原因は、内在性の分解酵素を用いた細胞壁の改変→植
物の補償作用を引き出したと考えている。さらに、この細胞壁改変は、セルロース性バイオ燃料を生産に
有効であること意味するという。
今後、形態的な変化のない細胞壁を改変させたイネを用いた研究を進め、たとえば、イネの主要な病原菌
であるいもち菌の病害ストレスや塩ストレスの応答実験を通し、細胞壁の変化が生理現象に与える影響の
調査の深耕・応用展開が考えられ、細胞壁多糖類の役割の解明に期待がかかる。今回作出に成功した細胞
壁改変イネは、可食部である種子には影響がなかったことから、米の収穫を済ませた後の稲わら(廃棄バ
イオマス)からバイオエタノールを効率よく製造できる。このように、廃棄稻わらから半導体用金属シリ
コンを回収する発明が提案されているように米作の地産地消や、あるいは、高付加価値を生み出す研究開
発が進み"新弥生時代"が定着していくものと予測される。
※ 特開2006-061008 植物の不稔形質に係わる遺伝子と該遺伝子を用いた不稔形質導入方法及び不稔植物
の作出方法
【大いなる不満が渦巻く】
カトラー米通商代表部(USTR)次席代表代行は6日、日本がコメの生産調整(減反)を5年後をめど
に廃止すると決めたことを評価した。貿易をテーマにワシントン市内で開かれた討論会に参加し「日本の
)農業改革に注目するべきものがあり、満足している」と述べ、カトラーは、環太平洋経済連携協定(T
PP)交渉で、農産品の関税撤廃について日本が難しい国内調整に直面していることに理解を示しつつ、
解決策の一つとして「長い時間をかけて関税を減少・廃止させること」を挙げたというが、片や、米国が
日本車にかけている輸入関税の撤廃が、協定発効から20年程度先となる公算が大きくなったと伝えている。
日本は5~10年での撤廃を求めていたが、「TPP交渉の(中の)最も長い期間で撤廃」するという日米
合意を基に、米国が歩み寄りの姿勢を見せていない。米国の日本車に対する関税は、乗用車が2.5%、トラ
ックが25%。関税撤廃まで20年かかれば、米市場で日本車が長期間、不利な競争を強いられるだけでな
く、欧州連合(EU)など他の国・地域との通商交渉でも同様の厳しい条件を要求される懸念があると報
じられている。半導体の不平等条約?と言い、いつまで米国従属をやっているのだと思ってしまう。そう
かと思うと、食品の偽装表示は底なし沼のように深く、燎原の火のように広がっているし、消費税増税だ
けは予定通り実施させようとしているし、何から何まで不満だらけな世の中に変わってきている。わたし
は腹が立つとやけ食いする癖があり、彼女とコメダでカツサンドとミルクコーヒーを食べに出かけると、
今度は、コメダ珈琲店も虚偽表示だという。踏んだり蹴ったり。しかし、これで堪忍袋の緒が切れた。明
日から“チェンジ”できる。有り難い。