極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

第6則 エクスパンション

2014年05月13日 | デジタル革命渦論

 

 

  

【意識と量子の科学】

  ディーン・レイディン著

偶然に、NHKスペシャル「秘められた未知のパワー」とその補足版のサイエンスZEROの「「超能力」は
あるのか!? 不可思議に挑む科学者たち」をみるてしまった。そう、みてしまったのだ。ここで登場した
のが
乱数発生装置(暗号の鍵を作り出す装置)。乱数とはデタラメの数のことですが、これをコンピュー
ターで作り出すのは非常に難しいため、電子的に乱数を発生させる装置(「乱数発生装置」)を使う。そ
の原理は、量子力学を使い、量子の離散系を利用して1/2の確率ででたらめな、0と1を作り出す。そ
一方で、米国はグーグルの創業者のラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリンが参加したことで有名な「バー
ニングマン」(野外イベント:砂漠の真ん中で人形を燃やして盛り上がるイベント)を利用し、集団的な
意識(Collective Consciousness)と乱数発生装置の関係を調査。この結果、
「バーニングマン」に火を付け
た時間に、乱数発生器の乱数の発生に異常な偏りが現れ、何らかの人間の意識の力が量子に影響を及ぼし
ているという。人間の「気」とか超能力と考えられていた力が案外、量子力学で解明するかも知れないと
いうので、なんだ、デジタル革命の基本特性(第6則 エクスパンション)の科学的取り組みを一応?積
極的試行されているじゃないかと納得してしまったり、乱数発生器とか光子(電磁波)測定器とか結構、
まじめに?販売されていことに驚いた。

 


 

 Solar panels finally arrive atop the White House, McClatchyDC, May 9, 2014

オバマ米大統領は9日、訪問先のカリフォルニア州で演説し、太陽光発電や省エネ対策などを強化する新
たな取り組みを発表。今後3年間に20億ドル(約2,030億円)を投じて連邦政府ビルの省エネ効率を高める
ほか、300 上の企業・団体の協力で2020年までに5万人の雇用創出につなげると話したという。オバマ政
権が力を入れる温暖化対策の一環。新たな取り組みでは、13万世帯分の電力をまかなえる85万キロワット
の太陽光発電設備を増設し、二酸化炭素(CO2)排出量を米国全体の約7%にあたる3億8千万トン減
らすことができると見積もっている。取り組みの一環として、ホワイトハウスの屋上にも太陽光パネルを
設置し
た。オバマは、太陽光発電の導入に積極的な大手スーパー「ウォルマート」で演説し「我々は太陽
光で世界のリーダーになろうとしている」などと述べた。フランスのシンクタンク「REN21」の集計
によると米国の導入量(12年末時点)は、世界全体の約7%を占め、ドイツ32%、イタリア16%に次ぐ3
位。日本は5位。このニュースをみて、油断していると日本のソーラーメーカーの競争力に一抹の不安が
つきまとうがどうだろう?

【量子スケールと電子デバイス】

さて、今夜は量子スケールデバイス及び太陽電池の新規考案技術を2件ピック・アップしてみよう。

●変換効率30%超3接合型化合物系太陽電池



上の図は、「化合物半導体太陽電池および化合物半導体太陽電池の製造方法」(シャープ株式会社)で、
図1は、化合物半導体太陽電池の模式的な断面図、図2は、化合物半導体太陽電池の分光感度特性図、図
3は、別の化合物半導体太陽電池の模式的な断面図、図4は、その化合物半導体太陽電池の分光感度特性
図。さて、下の左図10は従来の3接合型化合物半導体太陽電池の模式的な断面図。これは、p型Ge基
板101上に、n型Ge層102、n型InGaP核形成層103(厚さ0.02μm)、n型InGa
Asバッファ層104(厚さ0.08μm)、n++型GaAs層105(厚さ0.02μm)、p++型Ga
As層106(厚さ0.02μm)、p+型InGaPからなるBSF層107(厚さ0.1μm)、p
型InGaAs層108(厚さ3μm)、n型InGaAs層109(厚さ0.1μm)、n型InGa
P窓層110(厚さ0.01μm)、n++型InGaP層111(厚さ0.02μm)、p++型AlGa
As層112(厚さ0.02μm)、p+型AlInPからなるベース層113(厚さ0.1μm)、p
型InGaP層114(厚さ0.7μm)、n型InGaP層115(厚さ0.05μm)、n型Al
InP窓層116(厚さ0.03μm)およびn型GaAs層117(厚さ0.5μm)が順次積層され
た構成が特徴だが、これを集光用に設計した場合(AM1.5の太陽光スペクトルに最適になるように、
各層の厚さおよびキャリア濃度を最適に設計)は、1SUNで31%の変換効率を示し、千倍集光で40
%程度の変換効率を示すという。また、下右図11は、従来の3接合型化合物半導体太陽電池の分光感度
特性図である。集光時のAM1.5の太陽光スペクトルの下では、トップセル30、ミドルセル20およ
びボトムセル10で発生可能な電流量の比は、それぞれ、1.01、1.00および1.70程度で、従来
3接合型化合物半導体太陽電池の電流量はミドルセル20で発生した電流量に律速される。このため、
ミドルセルで発生可能な電流量を増加させるための技術として、GaAs層からなるミドルセルにInAs
量子ドット層、またはGaAsP/InGaAs量子井戸層を挿入することことで、長波長側の量子効率
を上げる試みが提案されている。これによれば、ミドルセルで発生可能な電流量を3%程度増加すること
ができるというが、追試評価したところ、再現性や変換効率点で期待外れであったという。
 

このため、第1、2、3の3層の光電変換セル構造をとり、第3の光電変換セルは、第1層と、第2層を
含み、第1層のバンドギャップエネルギは、第2層のバンドギャップエネルギよりもわずかに大きく、第
1層のバンドギャップエネルギと第2層のバンドギャップエネルギとの差の絶対値が0.
05eV以下で
構成することで、変換効率の向上を図るように設計改良する。また、下図5に従い、2°以下のオフ角を
設けたp型Ge基板の(100)面上にn型InGaP核形成層を形成した後にn型Ge層を形成し、第
1の光電変換セルを形成する工程と、第1層上にバンドギャップエネルギが互いに異なる第3層と第4層
とからなるベース層を含む第2の光電変換セルを形成する工程と、第2の光電変換セル上にバンドギャッ
プエネルギが互いに異なる第1層と第2層でなるベース層を含む第3の光電変換セルを形成する工程と、
を含み、第1の化合物半導体層がSbが添加されたInGaP層であり、第2層ではSbが添加されてい
ないInGaP層の化合物半導体太陽電池の製造方法である。このことで、第3の光電変換セルの長波長
側の分光感度を増大させて短絡電流量を増加するという。なお、右下図9、図6、7、8はいずれも実施
例3の分光感度特性を示す図、模式的な断面図、製造方法の一例の製造工程を図解する模式的な断面図、
同左断面図である。最下図は従来例と実施例の比較表で、実施例3が高性能の構造と製造方法ということ
を示す。このことから、30%超の高性能な3接合型化合物系で量子スケール太陽電池の実用化にまた一
歩近づたことが理解できる。





●ナノ結晶蛍光体とその発光装置


近年、低消費電力で小型で高輝の次世代の発光装置として、ナノ結晶蛍光体を含む波長変換層と、ナノ結
晶蛍光体を励起する一次光を発する発光素子とで構成される発光装置の開発が行われているという。(1)
ナノ結晶蛍光体は、量子サイズ効果により、粒子サイズを変えることで短波長の青色光から長波長の赤色
光までその発光波長を自在に制御でき、従来の蛍光体と比較して発光効率の向上が期待できる。(2)ま
た、ナノ結晶蛍光体は、その製作条件を最適化することにより、製作される粒子サイズの分布のばらつき
を抑制することができるため、ほぼ均等な粒子サイズの蛍光体を比較的容易に得ることができ、結果とし
て特定の波長の光のみを効率よく発光させることもできる。しかし、ナノ結晶蛍光体は、(1)発光素子
から出射された一次光を吸収して二次光を発光する際に、この二次光を全方向に向けて放射するので、一
次光の出射方向以外の方向に向けても二次光が進行する。(2)また、ナノ結晶蛍光体は、粒径が数nm
の極小の粒子のため、光の波長に比べて小さく、光が照射された場合にもミー散乱を引き起こすまでもな
い。したがって、この発光装置100は、一次光を出射する発光素子30と、一次光の一部を透過すると
ともに一次光の一部を吸収して二次光を発光する波長変換部とを備え、波長変換部は第1波長変換層60
および第2波長変換層70を有する。第1波長変換層60は、二次光を発光するナノ結晶蛍光体61と、
ナノ結晶蛍光体61を含有する第1樹脂層62とを含む。第2波長変換層70は、ナノ結晶蛍光体61と
異なる二次光を発光する蛍光体71と、蛍光体71を含有する第2樹脂層72とを含み、第1樹脂層62
と第2樹脂層72は、異なる屈折率を有し、第1樹脂層62と第2樹脂2との界面80が、凹凸形状であ
ることで、ナノ結晶蛍光体から放射される二次光を効率よく利用することで発光効率を向上できるという。
なお、図1は、実施の形態1に係る発光装置の概略図、図2は、図1に示す第2波長変換層の上面図、図
3は、実施の形態に係る発光装置の製造工程を示す概略図、図4も図3と同じ略図である。

ここで、(1)ナノ結晶蛍光体とは、結晶サイズを励起子ボーア半径程度にまで小さくすることにより、
量子サイズ効果による励起子の閉じ込めやバンドギャップの増大が観測されるように構成された微結晶蛍
光体を指す。(2)第1波長変換層に含まれるナノ結晶蛍光体が、InおよびPを含むIII-V族化合
物半導体、または、CdおよびSeを含むII-VI族化合物半導体(3)また、第1波長変換層に含ま
れるナノ結晶蛍光体が、InPまたはCdSeの結晶体、(4)第2波長変換層に含まれる蛍光体が、希
土類付活蛍光体または遷移金属元素付活蛍光体、(5)第2波長変換層に含まれる蛍光体が、希土類付活
蛍光体であり、希土類付活蛍光体は、付活剤としてCeまたはEuを含む、(6)第2波長変換層に含ま
れる蛍光体は、希土類付活蛍光体であり、希土類付活蛍光体は、窒化物系蛍光体を含む、(7)窒化物系
蛍光体は、CASN蛍光体である。波長変換部は、互いにピーク波長の異なる蛍光体を含み、一次光の出
射方向に沿って並んで配置された複数の蛍光体含有樹脂層を有し、複数の蛍光体含有樹脂層に、少なくと
も第1波長変換層および第2波長変換層が含まれ、複数の蛍光体含有樹脂層は、一次光の出射方向に沿っ
て、発光素子が位置する側から順に蛍光体のピーク波長が小さくなるように配置される発光装置である、
というのがその条件となるという。

 
ここで、図5は、実施の形態に係る発光装置の製造工程を示す概略図、図6は、変形例における発光装置
の第2波長変換層の上面図、図7も変形例における発光装置の第2波長変換層の上面図、図8、図9も第
2波長変換層の上面図、図10は、実施の形態2に係る発光装置の概略図である。



Ultralightweight and Flexible Silylated Nanocellulose Sponges for the Selective Removal of Oil from Water,
Chem.
Mater.
, 2014, 26 (8), pp 2659–2668
DOI: 10.1021/cm5004164

量子スケールデバイス、マテリアル時代であることは間違いない!そんなことを書き終えて改め実感して
いる。鳥肌が立つ思いだ。今夜はこの辺で。
 

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