防災の考察に没頭しすぎて、眼精疲労の臨界点が。それを紛らわすために強い酒を、これはまぁ、薬代わりに
服用するわけだから、胃が悪くなるし、一日休養で臨時休業をとることに。とはいえ自宅で仕事をやるものだ
から、少し回復したら、再開し、調子が悪くなればまた休むということを繰り返す。その合間退屈でテレビを
流し見るのだが、その番組やCMなどからまた刺激を受けるという案配となり、メモして気がついたことをまた
ネット検索しているのだ。もっとも、防災という領域も知的商品の開発対象という視点かもお宝がてんこ盛り
で刺激に満ちて大変面白くなりそうだと思っているが、そんなふうに疲れと反比例して時間がないという状態
が続いている。
【ニオイセンサと化学物質過敏症】
まず、気になったのはエアーウィックのCM。いま、アロマなど芳香商品が盛況を呈しているが、動きを感知
する動きセンサーとタイマー設定を搭載した自動消臭芳香スプレー商品の宣伝。原理は動きセンサーを搭載し
モーションキャプチャーで人の動きを検出し消臭・芳香液を自動噴霧させ、また、ニオイセンサーでニオイを
感知することでも自動噴霧する、さらに、タイマー設定でも噴霧するという極めて繊細な動きができるという
という。ところで、この商品はレキットベンキーザー・ジャパン株式会社が販売する芳香剤の商品名。発売元
はアース製薬株式会社。室内で使用する。「アクアフローラルの香り」「リフレッシングモーニングの香り」
「ピュアクリーンソープの香り」などがある。値段も千円を割っており、下記の2件の新規考案を考慮して、
自動噴霧装置にしては随分安くつくれるのだという印象をもった。アロマに関しては、マイクロカプセル技術
やナノ粒造化技術や臨床心理学の発展で極めて構造的な解明ができているので、この手の商品開発は、生活素
材、日用雑化品や衣料繊維の機能付加品の市場は拡大していくだろう。
特開平08-145931 ニオイモニタ
【符号の説明】
1 ニオイモニタ 2 ニオイセンサ 4 マイクロプロセッサユニット(MPU) 41 演算部 6 液晶表示 装置 7 EEPROM
8 操作部 9 ブザー 13 可変型電圧調整器 MB モニタ本体 EC 延長コード
ニオイ識別用センサアレイ 特開平11-352087
ただ、化学物質過敏症が問題化しているので、これへの対応をクリアーしないと、将来に「不意打ちを喰らう」
可能性がある(ピータ・ドラッガー)。この病症は、何かの化学物質に大量に曝露されたり、または、微量だ
けれども繰り返し曝露された後に、発症するとされ、化学物質への感受性は個人差が大きいため、同じ環境に
いても発症する人としない人がいる。今日、推計で5万種以上の化学物質が流通し、工業用途として届け出ら
れるものだけでも毎年3百物質程度の新たな化学物質が市場に投入されていて、化学物質の開発・普及は急速
に進み、人類や生態系にとって、歴史上、初めての状況で(2003年版『環境白書』)、基本的な毒性テス
トの結果すら公開されていない(米国NGOの環境防衛基金『Toxic Ignorance(毒性の無知)』1997年)といっ
問題がある。
ここで指摘されていることを十全にクリアーするおくことが、芳香市場のトップランナーの前提条件だ。具体
的な商品としてどんなものがあるのか? 例えば、LEDを組み合わした「デジタル線香」「デジタルろうそく」
などを思いついた。
【ダイソンとルンバ旋風】
さて、ルンバのメーカのiRobotは、1990年に設立され、2000年に Delaware と合併した。設立から2003年まで
常に赤字で。2005年11月9日に株式公開し、500万株を24ドルで売って1億2000万ドルを得ている。iRobotはか
つて商用、家庭用の遠隔操作ロボットを開発したが全く売れなかったという。2000年、iRobotは My Real Baby
で玩具市場に参入した。アニマトロニクスを利用したリアルな表情の人形だ。2002年、iRobot は掃除機ロボッ
ト・ルンバをリリースする。ルンバは成功したものの、他社が類似製品を出し、例えば、Sharper ImageのeVac、
Metapo の Cleanmate などである。2006年3月、iRobot はルンバを200万台販売したことを発表した。2005年5
月、iRobot はフローリング洗浄掃除機ロボットスクーバをリリースしが、ルンバとの違いは、水を使ってフ
ローリングを洗浄する点である。なお、完全な製品が市場に登場したのは2006年前半のことで、2006年、iRo-
bot は作業場用ロボットiRobot Dirt Dogをリリースした。このロボットは、作業場の床に落ちているナット
やボルトといった小さな物体を集めるものである。2007年、趣味のロボットとして iRobot Create がリリース
されてきた。
公式ホームページでは、ルンバ5つの「掃除力」→ 99.1%ゴミの除去率、消費電力1/20、0.3ミクロンのゴミ
まで除去するとうたっているが、消費電力が1/20だという数字は大変魅力的に映る(公正な比較データがない
ので休止符がつくが)。直近では、東芝(スマーボ)、ココロバ(シャープ)など新たに同種の掃除ロボット
が投入されてきている。
家庭用掃除機を公正に評価すること難しいと思われるが、行政機関が、評価項目と評価方法などを決めて、メ
ーカから提出させれば消費者は楽になるのだが(許認可制度ではなく参考資料を提出)。それはさせおいて、
東京都は2006年に発表しった「家庭用電気掃除機の含まれる微粒子(概要)」(上図参照)は参考になる。こ
の報告書で対象の掃除機の式に紙パック方式とサイクロン方式の2種類に大別されているが、ダイソンのステ
ィック型サイクロン式コードレスクリーナー DC35MH-ICBのCMで、紙パック方式と比較し、吸引力は2倍で
フィルタレスだから吸引力は一定といううたい文句は印象的だ(これまで掃除機市場では、紙パックとサイク
ロン式の販売台数構成比は7対3といわれてきたが、2009年度ではサイクロン式が38%、2010年度は4割を超える
勢い。なかでも5万円以上の高級ゾーンではサイクロン式の伸びが著しく、7割以上を占めている)。
評価試験データがそろってくれば方向性は見えてくるはずだ(サイクロン型のロボットが販売される可能性も
ある)。その中でも、静粛性、排気量、コードレスというキーワードだと思っている。そんなことを考えなが
ら出口のない体調不良も心配している。