『ブルー・レクイエム』
LE CONVOYEUR(2004年フランス)
監督:ニコラ・ブークリエフ
脚本:ニコラ・ブークリエフ
エリック・ベナール
出演:アルベール・デュポンテル
ジャン・デュジャルダン
フランソワ・ベルレアン
クロード・ベロン
■ストーリー■
ヴィジラント社の現金輸送車が襲われる事件が発生する。ヴィジラント社の現金輸送車は度々襲われ通行人が2名、警備員も9名が犠牲になっていた。そんな危険なヴィジランテ社にアレックス・ドゥマールという男が警備員として入社してくる。
経営状態の悪いヴィジランテ社はアメリカの企業に買収されることが決まっており、アレックスはアメリカの会社のスパイではないかと疑われるのだが、アレックスがこの会社に入社したのは、別のある理由があったからだった、、、。
□■□ネタバレあり!□■□
今作の大事なところネタバレしてます!
観てから読んで下さい!
■感想■
現金輸送車襲撃事件に巻き込まれ、最愛の息子を失った男の復讐劇をフレンチ風リアリズムで描くフレンチノワール。
拳銃を使ったことが無い主人公のアレックスが射撃訓練で全然違う方向に撃っちゃったりとか、銃で人を撃ったあと吐いたりと、隠れて銃をかまえてカタカタ震えるシーンとか、まさにリアル!
これこそアクション映画のリアリズムです。
ノーテンキなアメリカのアクション映画だと、主人公は悪人は殺しても全然平気だよ~って感じで殺しまくりですけど、現実はそうもいかないのが普通ですもんね。
ランニングタイム95分、全編、重たい重厚な雰囲気をかもし出している本格的ノワール映画です。
監督のニコラ・ブークリエフは『アサシンズ』(1997年)の脚本を書いた人です。
本作が長篇3作目でフランスの有名な雑誌“STARFIX”の創刊者の1人です!
今作は、本国フランスで公開されるや大ヒットして、早速、ハリウッドにリメイク化権が売れたそうです。
リメイク化権を得たのはパラマウントだそうです!ハリウッドは、色んな国の映画に目を光らせているんでしょうねぇ。
今作の場合は、本当に面白いのでハリウッドがリメイクしたくなる気持ちも十分すぎるほど分かりますけど、、。
それにしても原題“LE CONVOYEUR”が、なんで“ブルー・レクイエム”って邦題になっちゃうんでしょうね??
アメリカ題の“CASH TRUCK”なんかの方が全然良いですよね。
まぁ、言葉の響きから、付けたんでしょうけど、“ブルー・レクイエム”では意味不明??
フランス映画っていうのは、こういうマジメなノワール物もあるかと思えば『TAXI』シリーズや『HAKUGEKI迫撃』みたいな、本国の人しか喜ばないような作品まであってホントに面白いですよね。
でも、映画のジャンル的に言うと、難病物やアイドル映画しかないよりは100倍健全ですね。
ところで、ハリウッドがリメイクしたらどんな作品になっちゃうんでしょうね??
しかし、このままの雰囲気の作品にはならないでしょうねぇ。
ハリウッドのアクション映画にはない、やたらリアルな描写とか、無くなっちゃうんでしょうね。
アメリカは銃社会だから、映画もヒーローが復讐のため悪人を殺すためにどんどん銃をぶっ放しちゃう作品になっちゃうんでしょうねぇ。