この10月はじめにも一人の担当終了通知書が届きました。
4年間の刑期で刑務所に入っていましたが、この間順当に懲役を続けたし、刑務所が満員のこともあり、来年2月の満期を待たずに仮出獄となりました。
本来ならば、刑期満了までは担当を続けるのですが、
彼の家族が受け入れを拒否したので、更生保護施設へと帰住地が変更になったためです。
彼に出会ったのは、今から6年前。
覚せい剤がらみの執行猶予3年で、担当となりました。
最初の1年間は毎月顔を見せに来てくれていましたが、その後住所不定となり、また覚せい剤で捕まり、今度は刑務所行きとなっていました。
あの頃すでに40歳。
中長距離のダンプカーの運転手をしていましたが、早朝からノルマがあれば1日の走行距離はかなりなものとなります。
いつしか疲れているのを紛らすために、覚せい剤に手がでてしまいました。
薬物乱用防止を呼びかける啓発用のページをご参照くださればよくわかりますが、
一度だけのつもりがいつの間にか中毒となり、一度しかない人生が取り返しのつかないものとなります。
当時彼の母親はまだまだかくしゃくとしていて、なにかと面倒をみておられました。月に5万円を超える携帯電話料金も支払ったりして経済的にも助けていました。
あれから6年が過ぎ、母親は老いて認知症がでてきました。
彼のお姉さんが一緒に暮らし面倒をみておられます。
また覚せい剤に手を出すかもしれない弟の面倒まではみれません。
すぐに仕事が見つかるとも思えません。
母親の介護を手伝うどころか、日常生活の洗濯や食事の世話でさらに迷惑をかけられては困るというのが姉の言い分です。
保護観察所から仮出所の諮問委員会にまで、この意見が通り、更生保護施設への帰住となりました。
住居費がかからない施設に居る間に、仕事を見つけて独り立ちしないといけません。
もうすでに40歳代後半です。
学校でたての青年ですら、派遣やバイトなど、フリーターだらけの日本。
はたして定職はみつかるでしょうか?
やけになってまた覚せい剤に手を出さないことを祈るばかりです。