天井に設置された先の尖った木の柵は敵が侵入したら降りてくる仕組み。
中央が1本折れてるようなのは、誰かか、何かに刺さったのかな。
3日目、ブラショフ市街から約15kmほど離れたプレジュメール要塞教会へ。
門をくぐり木戸を開けてもらって入場します。
堅牢な造りで、厳重な警戒。
地続きで異民族の敵が攻めてくるという恐怖と不安。
陥落し征服されたら皆殺しでしょう、きっと。
日本は海に囲まれてるから、ここまでスゴイ砦を見たことがなかった。
要塞教会とは、トランシルヴァニア地方独特の建築で、軍事要塞化した教会です。
かつてはトランシルヴァニアだけで600近くの要塞教会があり、
現在もその半数近くが残っていますが、大部分は荒廃したり閉鎖したりしているらしい。
地域住民の高齢化、住民の流出、修復予算不足、…
特に保存状態がよく美しい7つの教会が世界遺産に登録されています。
プレジュメール要塞教会は、世界遺産「トランシルヴァニア地方の要塞教会群のある集落」の一つです。
12世紀頃のモンゴルに始まり、タタール、オスマントルコ
異民族の侵略に備え教会を中心にして囲むように防御壁が造られています。
なんと14回ものオスマントルコの攻撃に陥落しなかった頑丈さです。
センターの教会
壁の高さは12m、外壁は擁壁になって異民族からの侵入を防ぎます。
厚さ9mほどの壁の内側が3階建ての集合住宅になっていて、なんと273室も。
中央に教会がなければ、中国の客家の土楼みたいです。
敵が攻めてきたら、村の人々は要塞教会があるこの壁内に避難して籠城します。
2か月間の避難生活ができるほどの食料を備蓄していたらしい。
窓から石や排泄物を投げたりして応戦したそうです。
壁の内側は暗いけれど、排泄するトイレとなる穴の下は青空だった。
なんか想像を絶するすさまじさです。
かつての日本は恵まれた地理環境にあったから、わきが甘いのかもとつくづく思わされました。