ルーマニアは東ヨーロッパの黒海の西側にあります。
黒海沿岸以外は地続きということは、
いろんな民族が入れ替わり立ちかわりやってきやすいということ。
紀元前はダキア人が暮らしていたようです。
2世紀初めから3世紀後半までローマ帝国の支配下に置かれます。
ルーマニアROMANIA、国名の由来は「ローマ人の国」
国民は「ローマ人の末裔」を自認すると記されています。
4世紀、世界的な寒冷化によりゲルマン民族大移動でローマ帝国滅亡。
その後中央アジア出身の遊牧民族が入れ替わりルーマニアを支配した。
中世にはワラキア、モルダヴィア、トランシルヴァニアの3公国があったが、
完全な独立ではなくオスマン帝国やハプスブルク家の支配下にあった。
そうした時代に造られたのがこの要塞教会です。
ルーマニアのほぼ中央に位置するビエルタン
1283年の文書にその名がはじめて出ており、ザクセン人のトランシルバニアにおける最古の集落です。
幸運にも、山あいのビエルタンにはオスマン・トルコ軍の攻撃はなく、
そのため教会だけでなく、人びとの住居なども破壊されることなく現在までその姿をとどめています。
あたり一面、とてものどかな景色が広がっています。
赤い屋根の集落と緑の丘陵、あたかも中世の村がそのまま残っているがごとくです。
三重の防壁に囲まれた堅固な教会は、入口からは見えません。
入口左横に、ハチミツと花粉を買ったお店があります。
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100mほどの屋根付き階段を昇ります。
現在の聖堂は後期ゴシック様式で1487年から1524年に建造されました。
教会の中にはトランシルバニアで最大級の祭壇
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/b9/23fe6bed32f336dc5309702d2d29ec3b.jpg)
パイプオルガン
そして聖具室の入り口扉の鍵
1900年のパリ万博で金賞を受けたそうです。
4種類は鍵で動かし、残り15種類はレバーで動かすようになった非常に複雑な仕組みが採用されています。
1515年に地元中世ザクセン人の親方たちが作り上げた素晴らしい技術工芸品です。
当時の仕組みは今でも機能しており、この鍵があるから世界遺産に登録されたともいわれています。
塀から見えた村の家の屋根には目がついているように見えます。
この小窓は通気換気だけでなく、見張窓でもあったようです。