A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

トマティート、ドランテ@すみだトリフォニーホール 2008.2.17(sun)&19(tue)

2008年02月20日 23時17分12秒 | こんな音楽も聴くんです
錦糸町のすみだトリフォニーホールで2組のフラメンコ・アーティスト、トマティートとドランテのコンサートが二日間に亘って開催された。
トマティートはパコ・デ・ルシアの後を継いでフラメンコ歌手の巨匠カマロンのバックを務めたことで脚光を浴びたフラメンコ・ギターの第一人者である。2000年にジャズ・ピアニストのミシェル・カミロとのデュオでリリースしたアルバム「スペイン」が私のトマティートとの出会いだった。当時いわゆる"ワールドミュージック"に辟易していた私にとって彼のギターは全く異質の、本物のジプシーの血を感じた。それ以来トマティートが来日すると毎回観に行った。激しいストロークと繊細なフレージングには、ジャンルは違うがアート・リンゼイを思わせる伝統と前衛の理想的な融合を実現している。
今回のもう一人の主役ドランテはフラメンコには珍しいピアニストである。そのタッチはフラメンコ・ギターにも似た瞬発力とテンションを持っている。
2月17日(日)の第1夜は其々が自分のグループを率いての演奏。ドランテ・グループはパーカッション、ベース、男性ヴォーカルの4人組。かなりジャズっぽい演奏でまったりしたパートも多く少し眠くなってしまった。トマティート・グループは第2ギター、パーカッション、男性ヴォーカル、男性ダンサーの5人(本当は女性ヴォーカルが加わるはずだったが急病でキャンセルになった)。こちらは眠気も吹っ飛ぶ精気溢れる演奏で背筋を正される思いがした。
2月19日(火)の第2夜は新日本フィルとの共演。ドランテはオーケストラがピアノを装飾するようなアレンジでニーノ・ロータの映画音楽を思わせるロマンティックな演奏。対するトマティートはフラメンコ・ギターとオーケストラが対峙する緊張感のある演奏。どちらが良いかを言うのはナンセンスだが、個人的にはトマティートの屹立した作品が気に入った。
第1夜は超満員だったが、第2夜は空席が目立った。やっぱり純粋なフラメンコを求めるファンが多いということか。それでもトリフォニーホールの冒険的な試みは賞賛に値する。
トマティート バイオ

無駄なもの
削ぎ落とすことが
フラメンコ

アナーキーの「シティ・サーファー」で♪あっちへフラフラフラメンコ♪という歌詞があるが連中何も分かってないな。フラメンコ道は鬼畜の道である。

コメント
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