A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

田中泯 地を這う前衛「舞い」@コニカミノルタプラザ ギャラリーC 2008.2.23(sat)

2008年02月24日 23時22分17秒 | アート!アート!アート!
日本を代表する現代舞踏家、田中泯氏の写真展のオープニング・イベント。写真は故・岡田正人氏によるもので、30年に亘る大地に根付いた田中氏の舞踏の血肉を写し撮った写真が展示されている。3月3日(月)までなので多少でも日本の真の芸術に興味のある人なら観に行った方がいい。場所は新宿東口フルーツ高野のビルの4F。
さてこの日は無料で100人くらいのギャラリーを集めて田中泯氏が舞踏を観せた。泥を塗りたくった顔と手足、黒いシャツとグレイのハーフパンツ。フロアに白い布を細長く敷いた上での舞いだ。腰にカスタネットのような音の出る気の板を下げてゆったりと登場。カメラマンが写真を撮ろうとすると「その青い光止めてくれ」と一喝する場面も。床に寝転んだり速いテンポで布の道を行き来したり、ピーンと張った緊張感が痛いほどだ。顔の深い皺に氏の壮絶な生き様が刻まれている。私はデジカメでそれを撮影しようと思ったのだが会場の中の余りの緊張感に一枚しか撮れなかった。
近年は「場踊り」と称して街や学校や神社、野山や海辺など、自在に場を舞う活動を展開している氏の深淵さの片鱗を観ることが出来た。
Min Tanaka HP
コニカミノルタギャラリー HP

舞踏家が
土にまみれて
地を耕す

イベント後のサイン会での気さくな笑顔が朴訥とした農民の顔に見えた。

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ミュージック・コンクレート60周年記念コンサート@東京日仏学院2008.2.22(fri)

2008年02月24日 01時00分29秒 | 素晴らしき変態音楽
飯田橋の東京日仏学院エスパス・イマージュで「CCMC2008 ミュージック・コンクレート60周年・GRM50周年記念コンサート マルチ・チャンネル・スピーカー・オーケストラによるライヴVol.1」が無料で開催された。GRMとは正確にはINA-GRMといってフランス国立視聴覚研究所・音楽研究グループのことである。ピエール・シェフェールが新しい音楽表現としてミュージック・コンクレートを創造したのが1948年、その研究機関としてGRMが設立されたのが1958年。今年はフランス生まれの電子音楽にとって重要な年なのだ。
日仏学院には以前藤田現代音楽資料センターがあり(現在は同志社女子大学へ移管)何度か通ったことがある。毎年夏に学生をGRMへ送り電子音楽を学習するという制度もあった。ヨーロッパでは国が現代芸術を支援しているのだ。日本でいえばNHKに音響研究所があるようなものである。来てた観客の中にも作曲家や学者の人も多かったようだ。
第1部は東京とパリをインターネットで結んでの討論会「ミュージック・コンクレートの60年~過去から未来へ」。東京からドゥニ・デュフール、パリからベルナール・パルメジアニ、クリスチャン・ザネジという現役の電子音楽家が参加し、ミュージック・コンクレート、GRMの始まりから現在そして未来まで個人的経歴も含めて興味深い話が聞けた。
第2部はアクースモニウム・ライヴ・コンサート。これは20数台のスピーカーを会場に配しての電子音楽演奏会。基本的にテープ音楽なのだが、奏者はミキサーを操作して音のバランス、音色等を調整しライヴ感覚のある演奏だった。スピーカー・オーケストラの指揮者という訳だ。討論会に参加した3者の作品が披露されたが、どれも心地よく時に刺激的な電子音・具体音が飛び交うユニークなものだった。以前このブログでピエール・アンリを紹介したときも書いたが、ノイズやエレクトロニカのファンならば驚喜する内容だった。ミュージック・コンクレートはもっと多くに人に認知されるべきだ。
会場の物販で「GRM Archives」5枚組CDを手に入れた。GRMの歴史的録音がたっぷり楽しめる変態音楽愛好家には溜まらない作品である。当分楽しめそうだ。
ミュージック・コンクレート Wikipedia

電子音
頭脳の奥へ
滲みていく

写真はインターネット討論会の様子。特にパルメジアニ氏(真ん中)はGRM創立時からのメンバーでありアンリ氏と並ぶフランス電子音楽界の重鎮である。映像はフランスに於けるアクースモニウム・コンサートの模様。

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