
「deep inside」というイベント。出演はCRACKS&RABBITS/シベールの日曜日/GREEN FLAMES[成田宗弘(g.vo)田畑満(b)氏家悠路(ds)]。
かねてからお知らせしているように大幅なメンバー・チェンジ後のシベールの日曜日と、元HIGHRISEの成田氏、氏家氏による轟音ロック・バンドGREEN FLAMESの対バンはサイケ好きには応えられない組み合わせだ。
ショーボートはいつもとは違って客席にあまり椅子を置かずスタンディング仕様になっている。平日ということもあるが集客は少し寂しい。未だ両バンドとも本来の実力に対して固定客が着いていないのが実情だ。これがUFO CLUBだったらサイケ好きの若者が集まったかもしれない。
一番手のCRACKS&RABBITSは初めて観る。G,B,Dsのトリオでメロディーのしっかりした曲調とファズギターが暴れる間奏が印象的ななかなかの実力派だった。個人的には何といってもギタリストがグヤトーンの4ピックアップ・ビザール・ギターを使っていたことに注目したい。というのも30年前私は同じギターを使っていたのだ。国分寺の古道具屋で12800円。恐らくこのバンドが使っていたのはリバイバル・モデルだろうが、観ていて懐かしくて泣きそうになった。
2番目がシベールの日曜日。元のサイド・ギタリストが再び参加、さらに壊れかけのテープレコーダーズの女性オルガン奏者、遊佐ちゃんも参加した5人編成でのステージだ。ギターが一人加わったことで音の厚みがグッと増す。前回のレッドクロスでは多少目立ち過ぎた感のある遊佐ちゃんのオルガンも全体のサウンドの中に溶け合ってより自然な響きを奏でる。トレード・マークのサイケな照明も相俟って宙へ浮かぶようなトリップ感のある演奏にどっぷり嵌まった。まだ新メンバーでのレパートリーが少ないので5曲で終了。後で坪内氏に尋ねたら、年内は後1回くらしかライヴをしないらしい。ラインナップが変わる可能性もあるそうだ。シベールにとって2011年後半は試行錯誤の季節である。
トリがGREEN FLAMES。観るのは1年振り。アングラ・ロック界の猛者3者による強力なヘヴィ・ロック・バンド。成田氏のワウワウとファズを多用したギターは相変わらず昇天モノのカッコよさ。比較的ストレートなロックンロールだが、そこに込められた情念の重みは巷にはびこる似非サイケ・バンドたちに見習わせたい。10月にはテレグラフのイベントでタコの山崎春美氏のバックを務める。
現在の
サイケの形
ここにあり
轟音ギターの夜は誰かを抱きしめたくなる。