![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/a8/05d89924f8da5aa2107dbd76f7242786.jpg)
Beat Happening! MAX! 八十八ヶ所巡礼~reco発show~『ピンポンパンポン ようこそPalama・Jipangへ祭』というイベント。Beat Happening!というのは2009年に始まったJ-Rock系のイベント。既に600回以上を数え注目の若手バンドを数多く紹介し、渋谷、下北沢を中心に全国で毎日のようにこのイベントが開催されている。そのスペシャル・ヴァージョンが年数回クラブクアトロで開催されるBeat Happening! MAX!である。8月16日に観た嘘つきバービー他のライヴもMAX!だった。そのライヴでN'夙川BOYSが「Beat Happening!最高!」と連呼していたのが印象的だった。実際このイベントを足がかりにメジャー・シーンへ進出するきっかけになったバンドも多い。要注目のイベントである。
今回は2ndアルバム「SYG88」をリリースした八十八ヶ所巡礼をメインに、東京カランコロン/SEBASTIAN X/N'夙川BOYSの4組が出演。
開演に間に合わなくて最初のN'夙川BOYSの最後の2曲から参戦したのだが、クアトロは人の入る隙間もないほどの大盛況。もしかしたら前回より多いかもしれない。10~20代の客層中心で若さゆえの熱気が爆発している。N'夙川BOYSは前回同様弾けたステージングを披露。エンディングではマーヤが客席に飛び込んで大歓声を巻き起こす。大阪出身の彼らの東京での人気も定着したようだ。
続いてSEBASTIAN X。女性ヴォーカル、キーボード、男性ベース、ドラムスの4人組ギターレス・バンド。昔懐かしチャクラの小川美潮さんを思わせる独特の高音ヴォーカルがバンド・サウンドを強力に牽引していく。バンドはタイトで柔軟な演奏で彼女をバックアップする。歌の力を改めて実感させるパフォーマンスだった。
次は東京カランコロン。結構人気があるようでフロア前方にオーディエンスが押し寄せる。ギターx2、女性キーボード、ベース、ドラムスの5人組。決して過激ではない歌心溢れる演奏だが、どこか一本ネジが外れたような不可思議なサウンドである。ヴォーカル氏とベース氏は八十八ヶ所巡礼のマーガレット廣井氏と家が近くらしく、「ヤバいおばさんが自転車に乗って近づいてきた」と思ったらマーガレット氏だったというMCで笑わせる。
トリにこの日の主役、八十八ヶ所巡礼。彼らを観るのは3回目。今までの2回は圧倒的に女子のファンが多かったのだが、この日は最前列こそ背の低い女の子の列だがフロアの前半分は圧倒的に欲求不満の(?)男子。のっけから激しいモッシュが巻き起こる。確かに八十八ヶ所のサウンドはプログレ・ハード・ロックで暴れるには最適だ。特にドラムス賢三氏のパワフルな爆音がモッシュ・ボーイズを熱狂させる。"日本版スティーヴ・ヴァイ"のKatzuya Shimizu氏がステージ前に出て驚異的なテクニックのギター・ソロを聴かせると無数の拳が宙に振り上げられる。マーガレット氏はいつものように一升瓶片手にドレス姿で激しくベースを叩き弾く。途中で弦が切れるアクシデントも。背の高いベース・アンプによじ登ること2回。信じられない狂乱のステージに、前に出たバンドのことが頭から吹き飛んでしまう。前回の下北沢Club Queの時私はShimizu氏の真ん前で観ていたのだがこれほど激しい混乱は起こらず平和なライヴだった。クラブクアトロというハコのせいか、2ndアルバムが野郎どもの心を掴んだのか、いずれにせよステージ最前列で観るのは危険なバンドになってしまった。アンコールを含め1時間に亘るステージは変態衒学スラッシュ・メタルとでも呼べる素晴らしいものであった。3人のそれぞれ違った個性(「主犯格」「参謀と演技指導」「極道と含み笑い」)が見事なトライアングルを成しており、プロレス的なショーとしても面白い。
巡礼の
旅の果てには
何がある
10/24噂の大阪のジャンク・バンド下山 Gezanを迎えて下北沢THREEで八十八ヶ所巡礼のライヴ(これもBeat Happening!)があり楽しみだ。