昨日のブログでHuman Beinzを紹介するためYouTubeを検索したら、実に多くの60年代ガレージ・パンク・バンドの映像が見つかった。私がガレージ・パンクに夢中になったのは高校生の頃で、70'sパンクのルーツとして無名の60'sバンドを集めた「Pebbles」というコンピレーションLPシリーズを購入し始めてからだ。そのうち1972年にパティ・スミス・バンドのレニー・ケイが編集した60'sコンピ「Nuggets」も手に入れその荒々しくも痺れるサイケなサウンドに完全にやられてしまった。受験で京都の大学を受けたときは勉強そっちのけでレコード屋を巡り、The SeedsのLPを手に入れて狂喜乱舞した。当然大学は落ちたが。
1960年代半ばビートルズやローリング・ストーンズなどブリティッシュ・インヴェイジョンの影響でアメリカ各地にロック・バンドが多数誕生した。それらの多くは若者の欲求不満を発散するような激しいビートと恋愛に関する単純な歌詞を叫ぶワイルドなスタイルを持っていた。彼らは地元のローカルTVショーやダンス・パーティーで活動し、その中には話題になり全米チャートに名を連ねるバンドもいた。そういったバンドの音源が次々CD化され手に入りやすくなった現在、ひとつの指標として60'sガレージ・パンクの代表的バンドを紹介しておくのもいいのではなかろうか。
「Nuggets」の冒頭に収録されていたカリフォルニア出身のElectric Prunes。当初から奇妙な電子音やテープの逆回転を取り入れたサイケデリック志向のバンドだった。ヒット曲「今夜は眠れない(I Had Too Musch To Dream Last Night)」を初めて聴いたときは衝撃的だった。
オハイオ州クリーヴランド出身のThe Outsiders。全米Top5ヒット「Time Won't Let Me」で聴かれるようなポップな味わいが魅力だ。
ガレージ・クラシックとして何百というバンドがカヴァーした「ルイ・ルイ」を全米Top2ヒットにしたオレゴン州出身のKingsmen。ワイルドなサウンドがカッコいい。
同じく「ルイ・ルイ」にカヴァーでメジャー・デビューしたアイダホ州出身のPaul Revere & The Raiders。1950年代結成と歴史のあるバンドだが全米に名を知らしめたのは全国放送のTV番組「Where The Action Is」出演がきっかけ。「Kicks」の全米4位の大ヒットで人気バンドの仲間入り。
ディープ・パープルが「ブラック・ナイト」でパクッた「恋する青春(We Ain't Got Nothin' Yet)」を全米Top5ヒットにしたニューヨーク出身のBlues Magoos。デビュー・アルバムのタイトルはその名も「サイケデリック・ロリポップ」。
テレヴィジョンもカヴァーした「Psychotic Reaction」をTop10ヒットにしたカリフォルニア出身のCount Five。テンポ・チェンジがエキサイティング。
今回紹介した以外にも無数の素晴らしいガレージ・パンク・バンドがいるので、また機会があれば特集したいと思う。
十代の
欲求不満の
はけ口だ
こんな映像が観られるのもYouTubeのおかげである。感謝!