坂田明/ジム・オルーク2daysの初日。アメリカからダーリン・グレイ(b)と クリス・コルサーノ(ds)が来日し、ピットインを皮切りにモスクワ~ヨーロッパ・ツアーがスタートする。ダーリン・グレイとクリス・コルサーノは坂田さんと組むと「坂田明&ちかもらち」となりジムと組むと「恐山」となる。元々6年前にジムが坂田さんに紹介して始まったトリオだ。2009年にはシカゴのアンブレラ・ミュージック・フェスティバルに招聘され、そこで録音したLPが物販で販売されていた。
ダーリン・グレイは1980年代からUSアンダーグラウンド・シーンで活躍するベーシスト、クリス・コルサーノもソニック・ユースのメンバーなどとの共演を重ね、昨年はビョークの「ヴォルタ」に参加、ワールド・ツアーにも同行した。この二人が坂田さんと共演するのだからただのフリージャズでは終わらない。
1stセットは昨日来日したばかりの二人のウォーミング・アップともいえる爆音セッション。4人が突っ走って行くときのパワーはもの凄い。坂田さんは勿論、ジムも髪振り乱して激しいプレイを繰り広げる。「平家物語」も飛び出しあっけにとられる35分のセット。
2ndセットはコルサーノのドラム・ソロからスタート。金物やおもちゃのマウスピースを使ったユニークなソロ。グレイが加わる。ベースの弦の間に鉄板を挿んでパーカッション的な音を出す。ジムが加わり音響的なギターノイズを発する。最後に坂田さんが伸びやかなサックスで参加。次第に熱を帯びてくる演奏はまたも混沌の爆裂プレイへ突入。2曲目では坂田さんはクラリネットや鈴や鐘をプレイ。3曲目ではグレイがアップライトベースを抱えてステージ前方へ出てきて坂田さんとぶつからんばかりのアクション・プレイ。若手リズム・セクションに鼓舞されて坂田さんのプレイもオーバーヒート。私が観たうちでは1,2を争う激情サックスを聴かせてくれた。アンコールは興奮を冷ますようなアブストラクトな音響セッション。前日の山下洋輔ニューヨーク・トリオの円熟味とは180度違った燃え上がる演奏に興奮した。
ちかもらち
ちからもちと
思ってた
二日目はここにメルツバウの秋田さんが加わる。ハードコア・ジャズとハーシュ・ノイズの激突が楽しみだ。