ゾーイ・ストリート・ハウ「もし僕のパパがロックスターだったら~コネと七光と醜聞と~」出版記念トークショー@渋谷Bar Isshee 2012.10.1 (mon)
ゾーイ・ストリート・ハウはイエス~エイジアのスティーヴ・ハウの長男ディラン・ハウの奥様。音楽ライターでもある彼女が2010年に出版した「How's Your Dad?: Living in the Shadow of a Rock Star Parent」が「もし僕のパパがロックスターだったら~コネと七光と醜聞と~」というタイトルの日本語訳で出版された。今回ウィルコ・ジョンソン・バンドのドラマーとして来日したディランに奥さんも同行、その機会にディラン&ゾーイ夫妻のトークショーが開催された。
ウィルコの来日公演には行く予定だったが、ドラムがスティーヴ・ハウの息子だとは知らず、ましてや奥さんがライターであることもBar Issheeのスケジュールで初めて知った。勿論この本のことも知らなかったがネット検索してみるといくつかのブログで紹介されておりとても面白い内容のようだ。チャージ無料というので出掛けてみた。
Bar Issheeには一番乗り。ハウ夫妻とウィルコ・バンドのベースのノーマン・ワット・ロイ、サポート・アクトのベンジャミン・テホヴァル、ウィルコのマネージャー氏の5人がいた。それぞれに挨拶をして席に座っているとゾーイさんが差し入れの人形焼きをくれた。徐々にお客さんが来て最終的には10数人の集客。もっと宣伝したら大勢集客できたかもしれないが、急遽決まったイベントで、会場も小さいので丁度良かった。
ゾーイさんは音楽ライターとして雑誌やネットで活躍し、スリッツの伝記「Typical Girls? The Story of the Slits」も出版している。2006年にディラン・ハウと結婚。ジャズ・ドラマーとして活動する彼のライヴ終了後、知り合いやファンの第一声が「How's Your Dad?(パパは元気?)」であることに興味を持ち、大物ロックスターの子供たちに取材し逸話をまとめたのがこの本である。欧米では俳優や芸術家に比べてロック・ミュージシャンの生活は「セックス&ドラッグス~」という言葉に象徴されるように普通と違う乱れたものというイメージがあり、その子供たち向けられる世間の目も好奇と偏見に溢れているという。その中で育った二世達の人生は如何に?
「オズボーンズ」というテレビ番組に出演していたオジー・オズボーンの娘ケリーが思春期に嫌々番組で歌った話、ツアーから帰宅したら子供に「ママ、髪の毛の膨らんだ泥棒が来た!」と泣かれたロバート・プラントの話、幼少から父親の"ロック・サーカス"ショーに出演して育ったアリス・クーパーの娘キャリコの話、赤ん坊の頃の丸裸の写真が父親の手で世界中に晒され恥をかいたショーン・レノンの話など逸話の一部が披露される。ディランも幼い頃の失敗エピソードがそのままハリウッド映画に使われてしまった話などを語る。エピソードは尽きず、質疑応答を含め1時間半のトークショーだった。
日本でも二世タレントがテレビ番組でいじられたり週刊誌ネタにされたりして世間の見世物にされている。ましてや世界的な大物ロッカーの家庭に育つという経験はどんなものなのだろうか。本は入手したばかりなのでまだ読んでいないが、内容紹介を見るだけで興味深い。
●ロックスターの子供たちはどんな暮らしをしているの?
ジョン・レノン、スティーヴン・タイラー、フランク・ザッパ、オジー・オズボーン、ボブ・ゲルドフ、カート・コバーン、アリス・クーパー、ジャック・ブルース、スティーヴ・ハウ、ロッド・スチュアート……。
超大物ミュージシャンの子供たちへの取材から浮かび上がる真実とは?"
第1章 コネ あなたもロックスターの子供に生まれてみたかった?
第2章 七光 "光"は強ければ強いほどいい?
第3章 子供時代 「普通だったよ」(普通のレベルが違うけど!)
第4章 学校 名門校に行かせるか、それとも公立校か
第5章 ツアー、スタジオ ステージやツアーバスの中で育つ子どもたち
第6章 不在 親はなくとも子は育つってホント?
第7章 取り巻き イザってときに助けてくれる強い味方
第8章 ドラッグ ロックスターの周囲につきまとう暗い影
第9章 おいしい思い 「ロックスターの子に生まれてよかった!」と思うとき
第10章 困惑 「ロックスターの子に生まれてイヤだな」と思うとき
第11章 醜聞(スキャンダル) ロックスターとその子どもたちの避けられない運命
第12章 後継 継ぐべきか継がざるべきか、それが問題
第13章 影 ビッグな親とひとくくりにされないために
第14章 「ところで、パパ、元気?」ロックスターの子どもたちを悩ますひとこと
出版社: ヤマハミュージックメディア
定価:\2100(税込)
自分の子供が出来たらどうする?との質問に「猫を飼っているから十分だわ」と答えたゾーイさんは初来日だそう。2週間前にはロンドンで開催されたセックス・ピストルズの「勝手にしやがれ」リリース35周年記念イベントにパネラーとして出演したそうだ。
▼ファミリー・バンド「スティーヴ・ハウ・レメディ」。ドラムがディラン、キーボードは次男のヴァージル・ハウ。
ロックスター
楽なもんでは
ないわいな
中学時代の同級生に有名なプロ野球選手の息子がいて父親のチームが勝った翌日はやけに自慢げだったことを思い出す。今はどうしているかな~。