[fancynumnum second album「no now」release party!!!!!]
ファンシーナムナム, BUDDY GIRL and MECHANIC, Fat Fox Fanclub, フリーダム(名古屋)
DJ何?(カブキレコーズ)
この日は仕事が時短の日だったので早めに会社を出てちょうど中野で開催されている高岡洋介個展に寄ってから東高円寺へ向かうことにした。高岡氏は9/29八丁堀・七針でグンジョーガクレヨンとライヴ・ペインティングで共演した画家である。グンジョーの演奏とのセッションで生まれた作品はエネルギーに溢れた爆発する絵だったが、本職は子供向けの絵本画家。中野ブロードウェイと線路を挟んで反対側の南口から歩いて3分の元小学校の校舎をそのままギャラリーにした中野マンガアートコートの一室で開催されている。高岡氏が友人と談笑しているところへお邪魔したので恐縮されてしまい却って申し訳なかった。3メートル四方の大判の絵画からハガキサイズのイラストまで50点余りの作品が飾ってある。看板で判るようにメルヘンチックな中にちょっとした非日常を描いたユニークな作風で子供は勿論、大人でも楽しめる。グンジョーとの共演の時はサウンドの強烈さに刺激されて思わずアクション・ペインティングになったと言う。音楽もそうだが絵画も一人部屋の中で制作するのと観客の前で生で描くのは全然違うのだろう。とても素敵な作品展なのまんだらけに行くついでに寄ってみては如何?
「高岡洋介個展 こぼれ落ちた気持ち達」
日時 10月22日(月)~11月4日(日)13:00~19:00
場所 J3 gallery (中野マンガアートコート1F)
<入場無料>
久々のUFO CLUB。ファンナムのレコ発は彼女達のお気に入りの女性バンドを集めた"女の子祭り"。聞いたことのないバンドばかりだがファンナム推薦だから期待できる。普段だと会場の外のエレベーター・ホールにある物販席がこの日はホールの中に設置してあり、ファンナムのメンバー自ら手売りしている。それだけでホームパーティを思わせる暖かみが感じられる。最初はお客さんは少なかったが、時間が経つにつれ増えてトリのファンナムの時にはいい感じのオーディエンスになった。
DJ何?氏がディスコやソウル、ファンクをプレイしパーティ気分を盛り上げる。突然アース・ウインド&ファイアーの「セプテンバー」が大音量でかかりステージのカーテンが開き客電が落ちる。ステージに楽器がセットしてあるがバンドはいない。と、ホールの後ろから賑やかに声を上げながら4人の女子が登場、踊りながらステージへ。一番手のFat Fox Fanclubの始まりだ。ヴォーカルはロリータ18号のマサヨ嬢風の茶髪とハート形のサングラス。ヘイ!という掛け声で演奏スタート。"唯一無二のファンキー・ポップ・ディスコ・パンク・ガールズバンド!!"というキャッチの彼女達は2010年結成というからまだ10代か。キャッチ通りディスコ風の四つ打ちビートにファンキーなギターとベース、お祭り好きなヴォーカルというパーティ・バンド。スリッツやBow Wow Wowを思い起こすダンサブルなビートが楽しい。トップバッターにピッタリ。
続いて名古屋のガールズ・トリオ、フリーダム。BO NINGENをリリースするKnew Noise Recordingsがこの夏リリースした名古屋新世代ロックバンドコンピCDに世界的なバンド、6EYESなどと共に参加している注目バンドである。ヴォーカルをとるギターのロミー嬢がシンセでノイズを鳴らしてアイドル風の手振りをしたりハッチャケていてこれまた楽しいバンド。サウンドの方はギャング・オブ・フォーっぽかったりフリクション風だったり水玉消防団を思わせたり(例えが古くて申し訳ない)結構硬派なもの。タイトなファンクビートを叩き出すベースとドラムもいい。東海地区では盛んにライヴをやっているようだから近くの方は観る価値あり。
3番目はBUDDY GIRL and MECHANIC。このバンドだけ男性入りで男性gx2,ds+女性vo&keyのベースレス4人組。ドラムはUFO CLUBのPA担当とのこと。1曲目がいきなりもろノイ!の人力テクノビートにリバーブをかけた歌が浮遊するトランス・サウンドで驚く。紅一点のXiroh嬢がスタイルのいい細身に艶かしいミニ+肩出し衣装でため息混じりのヴォーカルを聴かせるのが実に魅力的。2本のギターの絶妙な絡み合いもモワレ効果を持っていて素晴らしい。もしギター二人が女子だったら一目惚れ間違いないだろう。表情の豊かなサウンドもいいがXiroh嬢の健全なエロスに目が釘付けのエロ親父と化してしまった。
DJ何?氏はディスコ/ソウル系専門なのかと思っていたらヒュー・ホッパーや芸能山城組などレアなLPもプレイしアンダーグラウンド・ロックの総本山UFO CLUBらしい空間を演出する。まだ若そうだが「幻の名盤解放同盟」的な嗜好に嬉しくなった。
トリにお待ちかねのファンシーナムナム。他の出演バンドのメンバーも繰り出しフロアが混み合う。やはりレコード店の蛍光灯の下よりもUFO CLUBの淫美なライティングの方がずっとファンナムに似合う。エキゾチックな衣装がトランシーでノスタルジックなサウンドを引き立てる。ヴォーカルの蓜島美沙嬢はテルミンも演奏。前3バンドがいずれも明るいメロディを打ち出していたので、ファンナムの無機的な昭和歌謡メロディがやけにアングラ感を醸し出す。チャカポコいうドラムマシーン・ビートの繰り返しが酩酊感を産み蓜島嬢の歌の中に意識が溺れそうになる。物販の新作CD購入特典のファンシーナムナムフリーペーパーにはロング・インタビューが掲載されており結成の経緯からCD制作秘話、音楽的影響など読み応えたっぷり。彼女達の好きなレコードのジャケットが載っており、内田裕也とフラワーズ、フラワー・トラヴェリン・バンド、クラフトワーク、カルメン・マキという平成娘とは思えない通な選盤に思わずニヤリとしてしまう。このフリーペーパーはタワーレコードの40名限定先着特典なので興味のある方はタワレコでの早めの購入をお勧めする。本編はニューアルバム「no now」からの選曲だったが、アンコールで1stアルバム収録の「グレングールドひっくり返る」を演奏、古くからのファンの喝采を浴びた。
4日連続でガールズ・アーティストを特集して来たが、このイベントを観てアイドルやメジャーロックだけではなくライヴハウスでも女性主体のシーンが生まれていることを実感した。女性のしなやかな感性と怖いもの知らずの冒険精神が新たな音楽を切り開いているのは事実である。
キミたち
おんなのこ
ボクたち
おにょこにょこ
サイケなグルーヴに乗っかるボーカルは80年代アイドルのような…明菜ちゃんのような、なんだ!?これがファンナムか!なんとも言えない怪しげな雰囲気。かっこイイ!!
ゆっこ(おにんこ!)