A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ネコとロックの融合~CDジャーナル・ムック「ねこみみ~猫と音楽~」

2012年10月16日 00時24分46秒 | 書物について


<猫軸と音楽軸が交わる視点から見える幸せ…>

まさにこのブログのために出版されたようなムックを発見!書店で目にした時は「ありがちな猫ジャケ写真集だろう」と思いつつ中を見ると「ス、スゴい!」と思わずため息。「新感覚猫音楽書の決定版!」と帯に書いてあるが全くその通り。ここまで"猫目線"で音楽との関係を追求した書物は今までなかった。昨日レポしたイベントに引き続き"ネコとロックの融合"というこのブログのもうひとつの命題に応えた本だといえる。

初めて「ネコ動画」をブログに掲載したのは2010年7月7日である。父が他界する10日前。「可愛い子猫ちゃん」というタイトルでたまたま見つけた子猫の動画を貼った記事。告白すると私は特にネコ好きという訳ではなかった。イヌ派かネコ派かと訊かれればネコの方が好きと答えるが、ネコを飼ったことも飼いたいと思ったこともない。他にブログネタがなかったので適当にありモノを載せただけだった。最近はFacebookでもネコネタばかり投稿しているので相当なネコマニアだと思われているかもしれないが、ネコに興味を持ってからまだ2年しか経っていない。

ネットニュースやYouTubeの人気動画を追っていくと「ネコネタ」がとても多いことに気がつき、思わず首を傾げたくなるネコの微妙な表情や不可解な仕草に興味を持つようになる。灰野さんや洋輔さんがネコ好きだと知り、音楽とネコの間に何か深い関係があるように思い始めた。この謎に満ちた小動物に次第に惹かれ「ネコ動画」としてシリーズ化。殆どがネットニュースの転載だが既に80数回を数えるまでになった。前衛音楽の硬派な記事の翌日にほのぼのしたネコ話を読んで読者の方々がどう思うかは分からないが、何人かの知り合いに尋ねるとネコネタも楽しみだと言う人が多い。以前書いたようにブログを書く動機は自分が楽しむことが第一番である。誰が何と言おうとネコ動画を続ける所存である、などと意気込む必要はないが、ネコネタに文句を言う人は相当のネコ嫌いでもない限りいないだろう。

そんなところにこのムックが登場。ネコと音楽の関係を追求するマニアックな世界が展開されていることは内容を見るだけで明らかだ。

【主な内容】
● 観て楽しむ猫と音楽
★定番! 猫ジャケ100選
★ネコメンド! にゃんこサントラに進路を取れ!
● 聴いて楽しむ猫と音楽
★必聴! 猫ソング100選 necoTunes
★検証! 猫の好きな音楽とは? 他
● 歩いて楽しむ猫と音楽
★ぶらり猫散歩~谷根千 嶺川貴子
★よりみち 猿山修 猫グッズ紹介
● 読んで楽しむ猫と音楽
★猫とアーティスト/インタビュー:ECD
★世界に広げよう! 猫友の輪:OPQ、コーネリアス、末光篤、遊佐未森、ゴメス・ザ・ヒットマン(山田稔明)、Pierre Barouh他
★猫レーベル紹介:モンチコン!
● 猫対談 谷山浩子×持田佳織
● 猫は猫だから猫である(湯浅学)
● 猫マンガ「ねこすバンド天国」(金子デメリン)
● 猫エッセイ「MILK 猫と僕と君」イノマー 他

フレンチポップの大家ピエール・バルーにネコ・アンケートをしたのも凄いが、最高なのはネコに色んなジャンルの音楽を聴かせ反応を調べた実験である。歌謡曲がいしだあゆみ、ロックがクイーン、ヘヴィメタルがジューダス・プリースト、プログレがキング・クリムゾンはいいが、ジャズがソニー・シャーロック、現代音楽がシュトックハウゼン、あげくにノイズがホワイトハウス! ちなみにホワイトハウスへの反応はネコ1="雄叫び!凶悪顔"、ネコ2="前足を揃えてちょこんと聴いている"、ネコ3="ふせたまま目が開きっぱなし"、ネコ4="不機嫌そうに寝室に去る"というもの。他のジャンルも4ネコ4様で人間と同じくネコの趣味志向も様々であることが判る。

猫好きアーティストOPQ氏が猫の気持ちになって作った珍妙な猫用楽器や「猫に居心地のいいスピッツの世界」「中島みゆきの歌詞にすむ猫」「シューゲイザーと猫」「昭和歌謡と猫」などのコラムも新機軸で面白い。猫ソング100選ではタイトルだけじゃなく歌詞にネコが登場する曲やネコっぽい歌手の曲も選曲。知ってる曲でもあの曲が!という新たな発見に満ちている。





「ネコの立場で音楽を聴く」というリスニング革命を提案するこの本はネコ好きには勿論、全音楽ファンにおススメの一冊である。

付録には、猫イラストレーター、ルイス・ウェインのエコトートバッグ付き。


ねこみみで
聴いてみようよ
不失者を

劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏と女優の緒川たまきさん夫妻の愛ネコ、ごみちゃんの写真集「Gommi」も購入。お二人のネコへの愛情に溢れたステキな本である。購入方法はコチラ


果たして先鋭的アーティストがネコ好きなのか、ネコが音楽好きなのか、その答えは永遠の謎のままである。
コメント
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