”ぶってー、アンタのリズムスティックで
ぶって!ぶって!
君が大好きなんだぜ
ワタクシお前さんが好きイッヒッヒ
ぶって!ぶって!ぶって!
ぶってー、アンタのリズムスティックで
ぶって、ゆっくり、ぶって、素早く”
from「ヒット・ミー」イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズ
1978年、前年まで吹き荒れたパンク・ムーヴメントがセックス・ピストルズの解散で志半ばにして頓挫し、ニューウェイヴ時代へ突入。テクノビートのディスコヒットが連発。その風潮に喝を入れるべく、パンクにはオトナ過ぎたbickoシンガー、イアン・デューリーが放ったUK No.1ヒットが「ヒットミー」。M系変質的リリックに篭められた情念は、来るべき狂乱の80年代への警鐘だった。
●グリコ「プリッツ」CM
最近テレビでよく観るCMが気になる。前髪パッツン美人の凛としたドラミングが滅茶苦茶カッコいい。政治も経済も文化もすべてがカオス化するテン年代に喝を入れる強烈なヒット・ミー!
●シシド・カフカ
プリッツCMのドラマーはてっきり女優かモデルだと思ったら、THE DRUM'N'GIRL=シシド・カフカだった。この名前は音楽サイトやSNSで見て、カヒミ・カリイみたいだな、と気になっていた。元THE NEWSのドラマーだと知り親近感が沸いた。THE NEWSは80年代半ばにバンドで何度か対バンしたことがあるガールズ・トリオ。美人だけど背が高く男勝りの硬派なスタイルで、近寄りがたいオーラがあった。イカ天に出て人気を博し、その後もコンスタントに活動。シシドは2004年19歳の時に加入し4年間在籍したという。背の高さとスリムなスタイルが決め手になったのだろうか。
●森高千里
ドラムを叩くアイドルの代表格が森高千里。コスプレで大人気を博したが、同時に作詞・楽器演奏に才能を発揮し、単なるアイドルに留まらなオリジナリティーを追求した。アイドルとしては『非実力派宣言』したが、ドラマーとしての実力は村上”PONTA”秀一や吉田拓郎、泉谷しげるなどうるさ方ミュージシャンに高く評価されている。大半の曲を自ら楽器演奏した7thアルバム『ペパーランド』(1992)は未熟さも含め愛おしい作品揃い。
●鈴木さえ子
森高の先輩格のドラマー・ガールが鈴木さえ子。学生時代にガールズ・バンドで活動したが、当時は偏見から「メス猫ロック」などと揶揄された。1980年CINEMAのドラマーとしてデビュー、FILMS、立花ハジメのバンド"H"、坂本龍一の"B2-UNITS"などに参加。忌野清志郎+坂本龍一のヒット作「い・け・な・いルージュマジック」のドラムを担当したのが話題になり脚光を浴びる。83年ソロ・デビュー、個性派シンガーソングライターとして人気者になり、鈴木慶一、アンディ・パートリッジ、高橋幸宏などと共演。当時はロック印象派を、近年はテクノ印象派と自称する。
●コズミック・インベンション
「YMOジュニア」と呼ばれた中学生によるテクノポップバンド。ドラム&ボーカルの森岡みまを中心に結成。メジャー・デビュー前にYMOの日本武道館公演で前座を務め、アルバム1枚とシングル3枚を残し1982年に解散。キーボードの井上ヨシマサは高校卒業後に作曲家として頭角を表し、近年ではAKB48の代表曲の数々に携わっている。テクノポップといっても生ドラムをフィーチャーしたスタイルはYMO、P-MODELなどと同じ。NHKみんなのうたでヒットした「コンピューターおばあちゃん」は後にPOLYSICSがカバーした。
●相武紗季
21世紀、けいおんのヒットを待つまでもなく、女子がバンドをやるのは当たり前になった。30年前の鈴木さえ子の悩みが嘘のように「バンドやってました」という女優やモデルもいるし、役柄で楽器を演奏することも多い。北川景子や前田亜季などがそうだが、「WATER BOYS」でデビューした相武紗季は映画「ビートキッズ」や明治安田生命保険のCMでその腕前を披露している。
●バンドじゃないもん!
神聖かまってちゃんのみさこが「女の子と一緒にバンドをやりたい」と2011年に結成したツインドラムのアイドル・ユニットがバンドじゃないもん!。かっちゃんとの二人組だったが、最近新メンバーを加えて5人組になった。5人になって演奏がどうなるかは分からないが、叩くアイドルとしては第一人者であることは間違いない。生ドラムなのに打ち込みビートを使うところがアイドルらしい萌えポイント。
●リンダdada(’N夙川BOYS)
西宮出身の3人組’N夙川BOYSの紅一点リンダdadaは現役トップモデル。楽器をとっかえひっかえ繰り出すはっちゃけロケンロー魂が最高に楽しいパーティーバンド。愛らしいスマイルを絶やさないリンダのタイトなドラミングに惚れるファン続出。
●ユリナ(住所不定無職)
こっちは東京出身の女子2+女装男子トリオ住所不定無職。担当楽器は全員「ギターとか」となっているが、小柄なユリナがドラムを叩きながら歌うスタイルは印象的。声が甲高く何をしゃべっているのか分からないが、そんなの関係ねーと弾けるトーキョーポップンポールが楽しい。新メンバーが加入して4人組になった。
●ファーストサマーウイカ(BiS)
ニュー・シングル「DiE」がオリコンウィークリー初登場6位のヒット、世界初のノイズアイドルバンド「BiS階段」の話題も盛り上がるBiSの太鼓持ち担当ウイぽんことファーストサマーウイカはパンクバンドのドラマーだったとのこと。「MURA MURA」MVではスキンヘッドバンドで見事な叩きっぷりを披露。7/12新宿ロフトにプー・ルイのドラマーとして出演する。
[追記:ウイぽん本人からの指摘でパンクバンドではないとのこと。まさかノイズバンドではあるまい。しかし同じBiSの新メン、テンテンコ(マル非美川の娘さん候補)が加入前にJOJO広重と対バンしたことがあるという事実を考えると、充分ありえるから怖い]
叩いてお
殴ってお
蹴ってもいいお!
個人的にはマル非の非情の掟に巻き込まれたこの方にシバカレ隊ものである。
▼マル非の魔の手がマリアンヌ様を襲う。・゜・(ノД`)・゜・。(7/5追記)
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