A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

アイドル戦線異状あり~空想し越境し異化する偶像たち:アメ女/リンダ3世/大森靖子etc.

2013年07月05日 00時16分38秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


ベクトルを軌道修正しようとしたが、やっばりアイドルが面白すぎる。
既報の通りBiSのニュー・シングル「DiE」がオリコン・チャートでNMB48に続き第6位。PASSPO☆(7位)を下すという下剋上を成し遂げた。このニュースにBillboard Japanサイトがつけたタイトルが「アイドル戦線異常アリ」。衰退していく音楽シーンに革命を起こすべく走り続けた異端のアイドルの大躍進に喝采を送る記事だった。ノイズアイドルバンド「BiS階段」で音楽革命の最先端を突っ走るBiSはアイドル戦線にD&D=Disturb(攪乱)&Disorder(異常)を巻き起こす。

そう思って現在のアイドル戦況を眺めるとあちこちにD&Dが散見される。今回はそんなフェノメーネ・デ・ペルトゥルバシオン(Phenomene de Perturbation/攪乱現象)を検証したい。

●アパリシオン・ディドーレ・ファンタジィ(Apparition d'idole fantaisie/空想アイドルの出現)


連続テレビ小説「あまちゃん」が大ヒット。アイドルを目指す海女ちゃんの奮闘ストーリーと共に、日本歌謡史を縦断する含蓄溢れるオマージュが大人気。岩手限定アイドル「潮騒のメモリーズ」、人気アイドルグループ「アメ横女学園(アメ女)」、寄せ集めユニット「GMT47」、その他多くのロコドルが登場。劇中の架空の存在にも関わらず、あたかも実在するかのようなホームページにはディスコグラフィーやポスターなどグッズが掲載されている。番組ではサワリしか放映されない劇中歌がようつべで十万回再生され、配信チャートのトップに輝く事態に。サントラ盤の大ヒットに困惑する音楽担当・大友良英は「わけわかんない状態」に陥っているが、インストCDでこの大フィーヴァーだから、正式に歌ものCDがリリースされた暁にはあまりの大混乱に卒倒してしまうかも知れない。NHKがあまちゃん人気で紅白の視聴率稼ぎすることも間違いないので、リアル・アイドルAKB48やももクロと空想アイドルのアメ女&GMT47&メモリーズの共演が実現するだろう。現実と空想が交錯する年末カオスによる日本列島改造に期待したい。革命の成功を確実するために、BiS階段を大ヒットさせ紅白へ送り込みたい。是非ともアンチ好きシバ○隊の皆様のご協力を仰ぎたい。




●イドーレ・トランスフロンタリエール(Idole transfrontaliere/越境するアイドル)
コンセプトやキャッチフレーズ、衣装やメイクなど様々なバラエティーで魅せ方の差別化を図り個性をアピールしてきたアイドル陣営だが、肝心の音楽性に関しては、正統アイドル・ポップス/ユーロビート/テクノ/ロック/メタル/渋谷系などの違いはあるものの、ビジュアルに比べ保守的だったといえる。しかし最近コンサバなアイドル音楽界に越境者が続出している。『STEP ACROSS THE BORDER』(1990)は前衛ギタリスト、フレッド・フリスの世界各地の音楽家との出会いの旅を描いたドキュメンタリー。タイトル通り「境界を越える一歩」が音楽のみならず文化大革命をもたらした。貪欲な雑食性アイドルの越境行為は必然だといえる。

hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)


秋葉原から登場した暴走・元祖オルタナティブ・アイドルユニット。氣志團の綾小路翔から「今、日本で一番カッコいい女の子達」と絶賛され、ライムスター宇多丸からも「あなた達はプロだ!」と賞賛され、脳科学者の茂木健一郎、プロレスラーの蝶野正洋からも公式推しアイドルとしてのお墨付きを頂いている。インドネシアのダンスミュージック「ファンキーコタ」を取り入れ超高速チューンによるクレイジーな「全世界YAVAY化計画GIG」を展開中。




リンダ3世


音楽は勿論人種も越境するアイドルユニット。群馬生まれの平均年齢13.5歳の日系ブラジル娘5人組。ブロステップをベースにバイレファンキ、サンバといったブラジル音楽の要素を取り入れた強烈なサウンドが特徴。群馬限定ロコドルながら、ようつべで大ブレイク、ヲタだけではなく音楽マニアからも熱い注目を集めている。来年のブラジルワールドカップへ向けてブレイク必至。




BELLRING少女ハート


通称「ベルハー」。サイケデリック、アシッド、プログレからブチ上げロックまで、変幻自在アイドルユニット。超ユルユルなキャラクターとは裏腹に熱狂的なパフォーマンスでアイドル界にビッグウェーブを巻き起こし中。深いコンセプトがありそうでなさそうな曖昧模糊とした存在感は、BiSの次代を狙うカルトアイドルとしてサブカル系から大きな支持を集める。




●イドーレ・デ・エレマン・エトランジェール(Idole des elements etrangers/異分子のアイドル化)
本質的に住処の違う住民がアイドルバトルに参戦する現象が増加。異種格闘技イベントやBiS階段のような異種混合ユニットは勿論、オルタナ系サブカル系女子がアイドルに紛れて活動する事例は、ローマ帝国や蒙古並みのアイドル文化勢力拡大の現れである。

◆大森靖子


アコギをかき鳴らし髪振り乱し絶叫する激情派SSW大森靖子は、モー娘。道重さゆみをはじめとするハロプロヲタであることを公言しており、アイドル・イベントに参加することも多い。最初は剥き出しの情念の奔流に会場が凍りつくことも多かったが、次第に受け入れられ、秋葉原のハロー!ショップでライヴをしたりアイドルとの共演もある。




●後藤まりこ


関西ゼロ世代の代表格ミドリでセーラー服でギターをかき鳴らし絶叫しセンセーションを巻き起こした後藤まりこは、ソロ・デビュー後は過激なパフォーマンスを封印しちょっとエキセントリックなコケティッシュ路線で精力的に活動。年齢的にアイドルとタイマン張るのは厳しいが、テン世代の戸川純的存在としてアイドルイベントに出演することも多い。




アイドルが
みんなこうだと
思うなよ

大森と後藤を含み108組のアイドルが出演する「TOKYO IDOL FESTIVAL 2013」はリンダ3世初の群馬以外のステージでもありアイドル戦線の無軌道ぶりを証明するカオスイベントになるだろう。




コメント (2)
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