A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二×早川岳晴×藤掛正隆@荻窪ルースター・ノースサイド 2013.7.19(fri)

2013年07月21日 00時16分35秒 | 灰野敬二さんのこと


藤掛正隆&早川岳晴 PRESENTS
~崖っ縁SESSION VOL.40~
出演:灰野敬二(g,vo) 早川岳晴(b) 藤掛正隆(ds)



「崖っぷちSESSION」は2007年初頭よりはじまった藤掛正隆dsと早川岳晴bassによるジャンル無用のセッションシリーズ。山本精一、JOJO広重、巻上公一、鬼怒無月、ジム・オルークなど蒼々たるゲスト陣は現代即興音楽紳士録のようだ。ライヴCDシリーズもあり、派生ユニットEDGEとしても活動する。記念すべき40回目のゲストはFREEDOMMUNE 0 2013で圧巻のパフォーマンスを観せたばかりの灰野敬二。藤掛と灰野は2004年~2010年横浜Sormy Mondayを中心にデュオライヴを定期的に開催していた。今回は3年ぶりの共演。早川とは、2004年に鬼怒無月誕生記念ライヴで早川が参加するCOILのゲストに灰野が出演して以来だから、何と9年ぶりの共演になる。いずれもベテラン揃いのトリオのセッションがどうなるかは、本番まで判らない、タイトル通り崖っぷち(Close To The Edge=危機)のライヴ。



(撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

ルースター・ノースサイドは初めてだったが、アルトー・ビーツのワークショップが行われた本店同様にアメリカっぽいブルース・カフェ調でStormy Mondayに似た雰囲気がある。灰野側の最前列にTAKE's Home Pageのタケダ氏と同席。レポートしていたDJ灰野敬二3時間ライヴの詳細な曲目解析に驚いたと言うと、曲目検索できるiPhoneアプリを使ったとのこと。これは面白い、と自分のiPhoneにDLしようとしたら、iOSバージョンが低くてダメだった。

ほぼ定刻にスタート。灰野のライヴでは珍しく照明が明るいので表情や動きがよく見える。初っ端から切れ味鋭いギターカッティングが炸裂、すぐに藤掛の硬質なエイトビートと早川の太いベースがボトムを支える。その上に灰野が激しいアクションで強靭な音の壁を築く。音量的にはソロより抑えめだが、気合い溢れる波動がビシビシ伝わり、頭蓋が震える。その波動をしっかりと受け止め、柔軟なグルーヴを奏でる早川と藤掛が素晴らしい。FREEDOMMUNEでも印象的だった明快な言葉の歌を挟み、凄まじい三つ巴セッションは40分弱で終了。



休憩時間のBGMでかかっていた叫び喘ぎまくる女性ヴォーカルのフリージャズに耳を惹かれる。タケダ氏の例のアプリで調べて、ソニー・シャーロック『ブラック・ウーマン』だと判明。このアルバムいいね!。思わぬ収穫。

第2部では、打って変わって照明が暗くなった。灰野の要望だろう。ハーモニカのブルースセッションでスタート。9年前COILと共演した時もハーモニカを吹いたことを思い出す。灰野の中では早川=ブルースのイメージがあるのだろうか?フルートも交えつつ、ヘヴィロック的な演奏を展開。アンコールが白眉の超ハイテンション演奏。灰野のライヴでは、大抵最後に残る力をすべて発散するので、アンコールは見逃せない。予想以上にバンドっぽい演奏を身体全体で堪能。ソロの圧倒するような存在感とも、不失者の身を切るような緊張感とも違ったリラックスした灰野の演奏は、気の置けない相手とプレイすることの歓びに溢れ、生命感に満ちたものだった。



崖っぷち
スリルがあるから
辞められない

9月4日リリース
『IN THE WORLD』/灰野敬二(EXPERIMENTAL MIXTURE)
3枚組CD 紙ジャケット仕様 3150円
灰野敬二の3時間に及ぶDJプレイを収録したミックスCD! 


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