A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ウィルコ・ジョンソン@渋谷クラブクアトロ 2014.3.10(mon)

2014年03月12日 03時31分47秒 | ロッケンロール万歳!


GOING BACK HOME TOUR JAPAN 2014
WILKO JOHNSON


永遠のギターヒーロー、Mr. マシンガン・ギターことウィルコ・ジョンソン。
70年代初頭からイギリスのパブロック・シーンを牽引し、後のパンク・ロック・ムーブメントの火付け役となったDr Feelgoodから始まり、Solid Senders、Blockheads、そしてソロと、長いキャリアを通して、正しくワン・アンド・オンリーと呼ばれるに値する、ピックを使わない鋭いカッティングとリードを同時に弾く奏法や、マシンガン・ギターと形容されるステージ・パフォーマンスに加え、素晴らしいソングライティングは世界中で数多くのフォロワーを生み、リスペクトされている。
近年では、ジュリアン・テンプル監督作品の映画「Oil City Confidential」やアメリカのテレビドラマシリーズ「Game of Thrones」にも出演。
さらに彼の自伝「Looking Back at Me」も出版された。
そんな中、昨年の1月末期の膵臓がんを宣告されたが、化学療法をせず、残りの人生を自らの命が枯れ果てるまでロックンロールを続けることを発表。
親日家でもある彼は昨年だけでも日本を数回訪れ、フジロックではメインステージを含む2度のショーを行い、病いを全く感じさせない力強い演奏を披露し多くのファンを魅了したのは記憶に新しい。
そして昨夏には、フェンダー社から彼のシグニチャー・テレキャスターの発売が発表された。
現在はザ・フーのロジャー・ダルトリーとスタジオ入りしており、アルバム制作をしていると言うニュースを伝えられた。
そんな彼が、今年も又日本に戻って来る事が決定した。
是非この貴重な機会をお見逃し無く!



昨年1月にさよなら公演の覚悟で青山レッドシューズのR&Rパーティーに参戦してから1年2ヶ月経つが、愛すべき"ロケンーロー禿げ"ことウィルコ・ジョンソンは健在どころか今まで以上のハイペースで活動中。イギリス・ヨーロッパでのフェアウェル・ツアー、フジロックを含むサマーフェス出演、ストライプスやThe 45sといった孫世代フォロアーとの共演、さらには不滅のハードロッカー、ロジャー・ダルトリーとのコラボなど、皮肉屋に言わせれば「ホントは"末期がん"じゃなく"マシンガン"の間違いでは?」と揶揄される八面六臂の大活躍。どんな理由であれ文字通り「死ぬまでロケンローラー」を実践するウィルコを何度も日本で観られるのは大歓迎である。

<ウィルコ・ジョンソン関連記事>
★ウィルコ最高!~映画「ドクター・フィールグッド~オイル・シティ・コンフィデンシャル~」⇒コチラ
★プロト・パンクの潔さ~ドクター・フィールグッドとパブ・ロック特集⇒コチラ
★ウィルコ・ジョンソン@渋谷クラブクアトロ 2012.10.2 (tue)⇒コチラ
★ウィルコ・ジョンソン@南青山 RED SHOES 2013.1.10 (thu)⇒コチラ

2012年10月以来1年半ぶりのワンマンツアーは追加公演の恵比寿リキッドルームを含み全公演ソールドアウト。ドクター・フィールグッド在籍時は通好みの渋めの存在だったが、80年代から何度も来日しじわじわと人気を高めてきた。一部の好事家やミュージシャンの間でのみ語られた個性的なギターカッティングも、時代と共にフォロワーを増やし、現在はギター教則本にも紹介される。一概にバック・トゥ・ルーツと呼ぶのは安易過ぎるが、ジャンルやスタイルが多様化し、本質が見えにくくなった現代ロックシーンに、ウィルコが鳴らすシンプルなロケンローとノコギリギターが風穴を空けるのは間違いなかろう。



満場のクアトロには意外に若い女子が多い。THE BAWDIESやOKAMOTO'Sなど若手バンドが影響を詳らかにするからでもあるし、フジロックで勇姿を印象つけたからでもあろう。66歳のミュージシャンとしては珍しく、ストーンズやジョニー・ウィンターのように客層がオヤジ化してはいない。演奏曲の大半はフィールグッドや70代末の自己のバンド、ソリッドセンダーズ時代のものだが、ノスタルジーの欠片も無く今ここで奏でられる生きたロケンローとして観客にストレートに響くのが嬉しい。



のっけから大歓声の観衆が楽しそうにダンスするのを目を見開いて睨みつけるウィルコの役者ぶりが興奮の火に油を注ぐ。禿げ上がった頭にギョロ目が某漫画の犬キャラのようだ。唄や演奏のテクニックだけでは図り得ない、熟練したライヴパフォーマーならではの魅力が遺憾なく発揮された。ウィルコの衰えのない快演に加え、妖怪じみた風貌の盟友ノーマン・ワッツ・ロイの達者なベースとディラン・ハウのタイトなドラムが最高のロケンローパーティーを演出した。宣告によれば残すところ数ヶ月の命なので、もしかしたらこれが動く姿を拝める最後の機会なのかもしれないが、全てのロケンロー愛好家の夢の中に、ウィルコは永遠に棲み続けるに違いない。




2014.03.10 Wilko Johnson@渋谷Club Quattro Setlist
01. Everybody's Carrying a Gun
02. Barbed Wire Blues
03. The More I Give (Dr. Feelgood song)
04. Dr. Dupree
05. Going Back Home (Dr. Feelgood song)
06. Roxette (Dr. Feelgood song)
07. Sneakin' Suspicion (Dr. Feelgood song)
08. Keep on Loving You
09. When I'm Gone
10. Ice on the Motorway
11. Paradise (Dr. Feelgood song)
12. Don't Let Your Daddy Know (Dr. Feelgood song)
13. Back in the Night (Dr. Feelgood song)
14. She Does It Right (Dr. Feelgood song)
---encore---
15. Bye Bye Johnny (Chuck Berry cover)

忘れない
ロケンローと
マシンガン

ロジャー・ダルトリー&ウィルコ・ジョンソン『ゴーイング・バック・ホーム』
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